子育ち、自分育ちにつながるわらべうたの魅力 ……生活に溶け込んだわらべうた
無沙汰しています。レポーターの末吉真由華です。
私事ですが、こうのとりが私のところに3人目を運んできてくれました。来年3月には3人の母ちゃんになる予定です。さまざまな世代の子どもたちを通じて興味深いレポートができればと思います。今後ともよろしくお願いします。

さて今回のレポートは、友人が主催するわらべうた教室です。とても奥深くて面白かったので、みなさんにご紹介したいと思います。(text:末吉真由華)

わらべうた教室の会場は、田園都市線中央林間駅から徒歩15分のところにある、緑野コミュニティーセンターです。2階の和室からはにぎやかな声。この日は2歳台の子ども中心に7組の親子が遊んでいました。

 

 

輪の中心で進行を担当しているのは、4人のお子さんを持つベテランお母さん、布施恵さんです。布施さんがまず取り出したのは、お手玉でした。器用に2つ使って手から投げては戻しの繰り返しです。子供たちの目はその手さばきに釘付けです。

この様子を見て、同世代のお母さんたちの間では「懐かしいね」の声。「昔は近所の河原に生えているじゅず玉いう植物の実を集めてはお手玉の中に入れて、お手製のお手玉をつくってもらいました。おばあちゃんは3つか4つを器用に空中に放り投げて遊んでくれましたね」と話すお母さんもいました。

すると布施さん、お手玉を投げながら「あんたがたどこさ~♪」と歌い始めました。最後に「ちょいとかぶせ♪」といいながら頭の上にお手玉を乗せ、前や後ろへ落として手で受け止めるという遊び方を披露。

「子どもたちが親の真似をしてやっているうちに、自然とお手玉をうまくキャッチできるようになっています。リズム感も自然と身についています」。わらべうたを親子で歌いながら遊ぶ中で、昨日できなかったことがいつのまにか今日できている発見に驚き、子どもの成長を自然に感じ取ることができることが最大の魅力だと布施さんはおっしゃっていました。

 

 

日本大百科全書によると、わらべうたとは「主として子ども自身の自発的な表現として歌い継がれてきた歌を総称する。一般には遊びなどを通して通時代的に伝承されてきたものが多く、伝承童謡ともよばれる」と書かれています。親が子どもに教えるのでなく、自然と口ずさむことで子どもたちに語り継がれていくのです。

 

次は、みんなで立って親子で輪になって遊びました。

「なべなべそっこぬけ~♪ そっこがぬけたらかえりましょう♪」

わらべうたの歌は、ドレミの音域自体の幅が狭く単純なものがほとんどで、もともと音域の狭い子どもにとっては、耳に浸透しやすい歌が多いのも特徴のひとつです。おしゃべりのできる2歳の子どもは、一緒になって歌い始めました。

まずお母さんと両手を握ります。軽く左右にゆすり、「かえりましょう」のフレーズとともに、片方の手同士を上に上げ、その中に入ってくるりっとひっくり返り、背中あわせになります。手はつないだままでスキンシップを楽しめます。繰りかえしで背中合わせのまま両手を左右にゆすり、また元のように戻ります。大勢で輪になってみんなでやっても楽しい遊びです。

布施さんは、6年ほど前、広報でわらべうた教室を知り、その会に顔を出したことがきっかけで、今現在も町田市にあるわらべうた教室に通い、子どもたちとの時間を楽しんでいます。

わらべうたは対象年齢がありません。もちろん布施さんの4番目お子さん(6ヶ月の寝んねちゃんです)にも、わらべうた「いもむしごろごろ♪」を歌って聞かせます。歌いながらごろごろの手助けをすることで、リズムに乗せて成長を助ける役目があります。タッチの時期には、それを手助けするわらべうたを使い、子どもが楽しみながら自然と両足で立つ喜びを覚える遊びをしてきたそうです。

こうして現在もわらべうたを生活に取り入れることで、布施さんは「子どもがやること、話すことすべてを“待つ”ことができるようになった」と言います。わらべうたを歌うことで自分自身もゆったりした穏やかな気持ちになれることで、自分にゆとりができ、子どもをゆっくり見守ることができるように。そうすると子育てが楽しいひととき、かけがえのないひとときに変わるのだそうです。

今後は、わらべうたのサークルを立ち上げ、少しでも子育てのお母さんたちにそのすばらしさを伝え、伝承の手助けができたらと布施さんは考えているそうです。いにしえの方の智恵を拝借し、今後の子どもを取り巻く生活に少しでも潤いをもって接していけたら……というのが願いだとおっしゃっていました。

私もこの会を通じて、わらべうたの虜になりました。1時間ばかりの時間でしたが子どもへの向きあい方が変わったように、穏やかな気持ちになれました。今後は地域の子どもたちを育てるという意味でも、布施さんの活動の手助けができたらと思っています。

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