蝶が舞う豊かな里山へ。農に学ぶ。植樹作業に参加してきました。
寺家ふるさと村の田園風景にナズナ、イヌフグリ、ホトケノザなど野の花が咲き誇る姿を見ると、寒い冬が終わりやっと春が来たんだなとホッとします。久しぶりに訪れた農に学ぶ。のたんぽぽ農園の森は、間伐が進んで光が差し込んでいました。3月17日(日)、娘たちと一緒に森に木を植えるお手伝いをしてきました。

昨年11月の収穫祭(→リンク)以来久しぶりに訪れた3月17日(日)、間伐が進んだたんぽぽ農園はさらに光が差し込み見違えるように明るくなっていて驚きました。

農に学ぶ。代表の木村広夫さんがよく話してくださるように、人々が田畑を耕し自然から恵みを得ることによって、森にも人の手が入り、植物が育ち、虫や動物たちも含めた生態系が守られるという里山の理想的な姿が感じられました。

春に花粉症に悩まされる方が多いですが、戦後、国策として杉や檜など針葉樹ばかりが密集して植えられた人工林が原因だともいわれています。今やその多くは手入れが行き届かずに荒れ果てています。

およそ17年前に木村さんがこの地で農業を始めたころがまさにその姿。耕作放棄地だった場所が田んぼとしてよみがえり、「たんぽぽ農園」という農に学ぶ。の活動フィールドになったのです。

たんぽぽ農園の周囲の山は昨年夏に間伐が始められ、樹木・環境ネットワークとの協働で杉を間伐した後、本来の森の姿を取り戻すために植樹が行われることになりました。
植えるのは、ハンノキ、エノキ、コナラ、クヌギといった広葉樹です。これらの木を植えて国蝶でもあるオオムラサキなどの蝶を増やそうというのが、この日のテーマ。私の子どもたちもワクワクしながら作業に参加しました。

玉川大学芸術学部講師の鈴木よしひろ先生。趣味で蝶に詳しく「相模の蝶を守る会」のメンバーでもある。寺家で見られる蝶の見事な標本は先生のコレクション

でも、なぜ木を植えることで蝶がやってくるのでしょうか。そんな疑問に、この日の植樹を指導してくれた玉川大学の鈴木よしひろ先生がお話をしてくれました。

鈴木先生によると、日本で初めて記録されたオオムラサキは江戸時代末期、開港した横浜でイギリス人によって採集されたものだったとか。横浜にゆかりの深い蝶ですが、時を経て現在、市内でその姿を見られるのは寺家の里山などわずかな場所だけだそうです。このままだとオオムラサキは減る一方であと10年見られるかどうか……。

「いつまでも蝶が見られるように、人の手でお手伝いしてあげようね」という鈴木先生のお話を聞き、子どもたちも真剣に作業に加わった

今や貴重となってしまったオオムラサキを増やしいつまでもその姿を見たいという願いをこめて、幼虫の食樹であるエノキ、成虫が樹液を吸うクヌギやコナラをたんぽぽ農園の森に植えることになったのです。

 

間隔をあけ、種類を分散させながら苗を植えます。斜面は急で、竹などの根が這っているために、スコップで土を掘り起こすのもなかなか大変でした。

 

それでも子どもたちは一生懸命。大人以上に蝶がやってくることを願っていたのでしょう。

 

植えられたエノキの苗木。子どもたちが大きくなるころにはどれぐらい成長しているのだろう

掘った穴に苗木を植え、枯れ葉も混ぜながら周りの土をしっかりと固め、間違って踏んでしまわないように両脇に棒で印をつけました。その脇には日付、自分の名前、木の種類と集まってほしい蝶の種類を書いた札を挿します。

 

「あとは苗が無事根付くことを祈って、時々は様子を見に来てくださいね」と鈴木先生。娘がつたない文字で書いた自分の名前と苗木を交互に見ては、木の成長に子どもたちの大きくなる姿を重ね、ともにすくすくと育ってほしいと願わずにいられませんでした。

大きくなった子どもたちとこの里山を訪れるときには、どうかたくさんのオオムラサキが私たちを迎えてくれますように。

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