気になる異常気象! NHK気象キャスターとして大人気の平井信行さんから、ママ・子どもたちへのメッセージ
3月18日(火)、NHKの気象キャスター・平井信行さんによる講座「ママはお天気博士 異常気象から子どもを守るために」がアートフォーラムあざみ野で開催されました。テレビでお馴染みのあの平井さんに会えるなんて! 近年気になる気象の変化について、平井さんの見解を聞くことのできた貴重な2時間でした。(Text:山田恵里佳)

今年3月、「気象変動に関する政府間パネル(IPCC)総会」が横浜市で開かれました。それを記念して横浜市内18区で開かれたリレー講座のひとつが今回の平井信行さんによる講座です。環境・地球温暖化に関する様々な学びの場を横浜市に広げる「ヨコハマ・エコ・スクール(YES)」の事業で、YESの拠点でもある男女共同参画センター横浜北(アートフォーラムあざみ野)が主催、私たち森ノオトが企画運営という形での開催でした。

講座のタイトル「ママはお天気博士 異常気象から子どもを守るために」。このタイトル通り、母親として未来のためにいったい何ができるのかを私は知りたいと思いました。この間も春の雨とは思えない、ゲリラ豪雨のような雨が降りました。今までの気象とは何かが違ってきている。そのことから目を背けてはいられない季節の巡りを感じているからです。

 

NHK気象キャスターの平井信行さん。平日18時台の気象情報コーナーの顔

 

颯爽と会場に現れた平井さんは、テレビでお見受けするとおりの爽やかなお方でした。会場は満員御礼。ファンと見られる方もちらほら……笑顔の素敵な平井さんが、穏やかな語り口調で話してくれたことは、やはり向き合っていかなければいけない温暖化の現実でした。

はじめに平井さんは、平井さんご自身の子ども時代の夢から話して下さいました。なんと気象予報士は小学生の時からの夢! 中学、高校とその夢を持ち続け、念願の気象キャスターになったそうです。ご出身である熊本県八代市は海、山、川に囲まれた自然豊かな街で、そこで自然大好きな子どもとして育ったという平井さん。ただこの地域は梅雨時の雨量が多く、川が氾濫することが多々あったそう。そこで平井さんは「気象予報士になって、みんなに安心できる情報を流したい!」という夢を持つようになったのです。

なぜそんな自分の子ども時代の夢から話しをするのか。そこには平井さんの強い思いがありました。

「近年の異常気象は他人事ではないことを知ってほしいのです。命あってこそ夢が叶う。今の恵まれた環境を維持し、夢を実現出来る社会を永続しましょう!」

海面上昇で沈むといわれている国、ツバルの子どもたちの写真も見せてくれました。みんなきらきらした瞳でこちらを見ています。

「この子たちにも夢がある。夢を叶えさせてあげるのも大人の責任です。この子たちも含めたみんなの夢を実現させるために温暖化を防ごう!!」

はい、平井さん! その熱いメッセージが心に突き刺さりました。夏がくる度に暴れる雨、台風、竜巻。それが紛れもない気象変動の事実。そこで命を落とす方がいるのも事実。自分のこととして、考えていかなければもう間に合いません。

 

クイズで温暖化と気象の関係をわかりやすく説明。聞き手も参加できる講演スタイルで、温暖化問題への理解も進んだ

 

「温暖化」、この言葉が今日のキーワードです。平井さんはここから私たちにもわかりやすいように、クイズ形式で進めてくださいました。

温暖化には二つあるそうです。

地球温暖化と都市温暖化。地球温暖化だけで見れば、世界では100年で0,7℃気温が上昇したのだそうです。昨年は観測史上二番目に気温が高く、北極の氷も過去最も少ない量の記録だったとのこと。日本の桜も、入学式の花だったのが、いつの間にか卒業式の花になっていますよね。そのうち正月の花になってしまいかねないとのこと……!

じゃあ都市の気温はどうかというと、横浜市では100年で2℃、東京は3℃上昇しているそうです。これは地球温暖化に加えて都市温暖化が原因となっているとのこと。地球温暖化の原因物質とされる二酸化炭素排出量(CO2)に関しては、日本は世界で5番目に多い国だそうです。都市温暖化は人の暮らしが荷担する分野。わたしたちにできることはいくらでも考えられそうです。

ところで温暖化するとどういうことが起こるのでしょうか。温暖化により空気中の水分が増え(温度が高いと空気が膨張しますね)、だからここ近年、雨が強まっているとのこと。気象庁の定義では1時間に50mm以上の雨を「非常に激しい雨」というそうですが、この雨は「バケツをひっくり返したような、傘をさしても濡れる、道路が川のようになる、高速でクルマのブレーキが効かない」といういような雨です。でも最近ではこういう雨が普通になってしまって、1時間に100mm以上の雨なんていうのもあるそうです。

気象予報士は注意報や警報を出してくれます。警報は「重大な災害が起こる可能性がある」ということ。例えば私たちが住む横浜市なら、「神奈川県・東部」と表現されます。自分がどこに住んでいるのか、今どこにいるのか、自分の名前と同じように知っていることが大事だと教えて下さいました。

ほかにも、「避難勧告(避難するほうがよい)」と「避難指示(避難すべき)」の違いについて、意外と意識できていないことを、思い知らされました。

 

来場者に配られたピンバッヂ。横浜市温暖化対策統轄本部のオリジナルだ。温暖化が進むと桜の開花はどんどん早まる。子どもたちが生きる未来、春に桜が見られるよう願いが込められている

 

その他にも、平井さんはクイズ形式で気象に関するいろいろな事例をわかりやすく教えてくださいました。

・ 「朝虹が出ていたら?」

→「これは雨の予兆。ネットでも携帯でも、雨の降り方を調べておこう!」

・ 「川でバーベキュー。ちょうどお肉が焼けたところに、上流の方で雷が鳴りました。さあどうする?」

→「待機ではなく避難! 川の水はたった10分で1m増えます。人間は水深1mの水で移動不可能に!」

・ 「空がゴロゴロ鳴っています。落雷はある?」

→「あります! 雷鳴は10km範囲で聞こえるので、雷を伴った警報レベルの激しい雨やひょうの降る可能性があります。車やバスの中なら大丈夫。外を歩いている状態が危険です」

そして昨年夏、竜巻の被害がありましたよね。日本で竜巻が起こるなんて、と私は驚きました。竜巻のサインは「急に天気が変わってきた時」。晴れていたのに突然黒っぽい雲が出てくると危ないそうです。竜巻は、平野で海のそば、そして暑いところで起きやすいとのこと。そう、関東地方は竜巻が起こりやすく、どこでも起こる可能性があるのだそう。

「竜巻の避難の仕方は、竜巻の進行方向から直角に(90度)折れて逃げること。竜巻から100m離れればなんとかなります。もし家にいたらシャッター・カーテンをしめ、窓から離れてできれば1階の押し入れの中に入ること。地下室があれば地下室へ」

竜巻は上空の方の風が強く、上層階の被害の方がひどいそう。

洪水(水の被害)は2階や屋上等、高いところへ逃げますよね。状況に合わせた避難を知っていることが大事ということでしょう。

そしてもうひとつ、怖いことがあるそうです……。

それは「高潮」。海水温が上昇すれば、海の水が膨張するのだそうです。それにより、海面が上昇する。70年後には場所によっては82cm上昇すると言われているとのこと。

日本は地震があり、台風もあります。つまり、津波の驚異にますますさらされていくということです。そしてなんと、日本は海沿いの平野部に都市があり、圧倒的多数の人間が都市に密集して住んでいるという現実があります。背筋も凍る話です……。

 

会場には多くの人が詰めかけた。平井さんのファンも多く、講演終了後はサインや握手を求める人が後を絶たなかった

温暖化による過酷な未来予想図が、もう始まりつつあることを感じました。ただ怖がるのでなく、しっかり危機感を持つこと、対策の仕方を知っておくこと、そして未来のためにできることを始めること、これが平井さんからのメッセージだと私は思いました。

「人間は化石燃料を使って発展してきました。これからは二酸化炭素を出さない努力が必要です」と平井さんはおっしゃいました。「一人一人が力を合わせてがんばれば、未来は変えられる」とも。

平井さんご自身は、ベランダで草木を育てたり、雨水タンクを利用したりしているそうです。そして最近では太陽光発電を取り入れたとのこと。わが家でできる工夫を考えてみよう、私もそう思いました。

今年の夏も暑いそうです。熱中症には要注意! そして、この暑い夏を地球からのメッセージと捉えて、子どもたちの未来を想いましょう。

平井さん、ありがとうございました!

ライター卒業生
この記事を書いた人
ライター卒業生ライター卒業生
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー

森のなかま募集中!

メディアを寄付で支える
読者コミュニティ
「森のなかま」になりませんか?

もっと詳しく