無垢の木と自然の石が訪れる人をまあるく包み込む。家具のウッディハート、リニューアル!
店舗入って右手が「ナチュラルモダン」のコーナー。105cm四方のテーブルは、4人でゆったりとごはんを食べたり、賑やかにおおぜいが集まったりする時に使える、ほかにはない逸品だ
大きくて、広くて、懐の深い桜台の家具屋さん・ウッディハートが、昨年12月にリニューアルオープンしました。真っ直ぐ、真向勝負の店構えは、やわらかく円を描いて、やさしくお客さんを迎え入れてくれるようになりました。木の家具を心から愛する、木村浩之社長にお話をうかがいました。
ウッディハートの木村浩之社長。大きな体に恵比寿様のような笑顔がトレードマーク

ウッディハートの木村浩之社長。大きな体に恵比寿様のような笑顔がトレードマーク

無垢材の本格志向の家具を扱う専門店・青葉台の「ウッディハート」が、12月19日に装いを新たにリニューアルオープンしました。東急田園都市線青葉台駅から環状4号線を北に約15分、名建築・桜台ビレジの真向かいで20年近く、大樹のように佇むお店が、地域の仲間たちの手によって、新しいコンセプトで生まれ変わったのです。

新店舗の顔となるのが正面の「ステージ」。ウッディハートのコンセプトをぎゅっと集約した空間だ。奥のタイルの後方からそっと背後に抜けられるようになっているのは、「私が接客した時にお客さんの逃げ場をつくるため(笑)」と木村さん

新店舗の顔となるのが正面の「ステージ」。ウッディハートのコンセプトをぎゅっと集約した空間だ。奥のタイルの後方からそっと背後に抜けられるようになっているのは、「私が接客した時にお客さんの逃げ場をつくるため(笑)」と木村さん

 

ウッディハートのリニューアルを手がけたのは、森ノオトではおなじみの自然素材の工務店・ウィズハウスプランニング(ウィズの森)と、地域での存在感が急上昇中のガーデニング&エクステリアLEAD、そして建築士の北川健太さんです。

店舗入って右手が「ナチュラルモダン」のコーナー。105cm四方のテーブルは、4人でゆったりとごはんを食べたり、賑やかにおおぜいが集まったりする時に使える、ほかにはない逸品だ

店舗入って右手が「ナチュラルモダン」のコーナー。105cm四方のテーブルは、4人でゆったりとごはんを食べたり、賑やかにおおぜいが集まったりする時に使える、ほかにはない逸品だ

「家具のスタイルごとにコーナーを分けて、お店全体をぐるりと回れるように、回遊性の高い空間にしたかった」

と話すのは、ウッディハートの木村浩之社長。青葉台で10年来の付き合いで、ロングライフ&タイムレスというコンセプトを共有するウィズの森、石やタイルなどの自然の素材使いに長けているLEADとでコラボすれば、きっといいものができあがるだろうという確信が、木村さんにはありました。

手に取りやすい雑貨・小物類は、大人が満足できる質の高いものを。長く親交のある陶芸家・倉田牧朗さんの手がけた陶器や黒猫をモチーフとしたブランド「チー坊ノワール」のスパイスなどを取り扱っている

手に取りやすい雑貨・小物類は、大人が満足できる質の高いものを。長く親交のある陶芸家・倉田牧朗さんの手がけた陶器や黒猫をモチーフとしたブランド「チー坊ノワール」のスパイスなどを取り扱っている

木村さんは、「自分は人の上に立つ器ではない。本当は、人の脇にいて、盛り立てる役回りが向いている」と謙遜しますが、「このお店を、地域の皆さんの器として使ってもらって、地域の方の役に立ちたい」と、人を受け入れる大きな器をお持ちです。大きな体とは裏腹に、本当は繊細でやさしい木村さんが、今、お店の顔として一人で堂々と立っているのは、先代社長・菅沼謙司さんの遺志を継ぎ、ウッディハート(樹の心)を地域の中でつないでいきたいという強い決心からです。

回遊性のある店内は、ステージの背後に木村さんの執務スペースを設けている。カウンターはスツールの端材を活用した。「ここだけは私がDIYしましたよ」と木村さん

回遊性のある店内は、ステージの背後に木村さんの執務スペースを設けている。カウンターはスツールの端材を活用した。「ここだけは私がDIYしましたよ」と木村さん

菅沼さんがこの世を旅立ったのは、2013年10月のことでした。新入社員時代から可愛がってもらい、父のように、兄のように慕っていた私も、しばらくショックから立ち直れず、心に大きな穴が空いたような時期が続きました。

木の目をみて、樹の心を感じ、お客さんの生活に一生寄り添う家具を提案する、そんな菅沼さんは、地域の目利きから絶大な信頼を得ていて、多くの方の心の寄る辺のような存在でした。

今、ウッディハートで一押しなのが目線より低めのハイボードだ(奥)。お掃除ロボットが入りやすいよう脚を浮かせて、現代のニーズに合わせている

今、ウッディハートで一押しなのが目線より低めのハイボードだ(奥)。お掃除ロボットが入りやすいよう脚を浮かせて、現代のニーズに合わせている

「菅沼さんだったら、どうするんだろうな。そんな風にいつも問いかけながら、家具屋をやっています。きっと、どんなに大変な状況でも、前を向いて、歩んでいくに違いない」。そう信じて、木村さんは尊敬する先代との思い出が詰まった店舗をリニューアルすることに決めたのです。

店舗奥は英国風トラッドの重厚な家具が並ぶ。後ろの白い壁を利用して、映画上映を楽しんだことも

店舗奥は英国風トラッドの重厚な家具が並ぶ。後ろの白い壁を利用して、映画上映を楽しんだことも

工事が佳境の12月初旬、LEADさんを取材してじっくりとお話を聞いた時に、社長の安生敏弘さん、スタッフの三浦美千代さんが、ただ施工をするだけではない、ウッディハートの「心」を知ろうと、全身全霊を傾けてリニューアルに関わっている姿にふれた私。木村さんのことを、地域に根ざしたウッディハートのことをこんなにも強く思い、コンセプトを形にしようとするお二人の姿に心打たれ、新しいお店は素晴らしい空間になるだろうと思いました。

木村さんがLEADの三浦さんに任せたコーナーがこちら。ステージの左壁にニッチを設けて、ナチュラルなインテリアに馴染む雑貨を置いている。三浦さんは「私に舞台を与えてくれた木村さんは、私にとって大樹のような存在」と語った

木村さんがLEADの三浦さんに任せたコーナーがこちら。ステージの左壁にニッチを設けて、ナチュラルなインテリアに馴染む雑貨を置いている。三浦さんは「私に舞台を与えてくれた木村さんは、私にとって大樹のような存在」と語った

2015年12月19日、リニューアルレセプションに招かれた私は、ウッディハートを愛するたくさんの地域の人たちに囲まれ、お店をゆったりと回遊し、人々を包み込む木村さんの大きな心を感じ、人々に囲まれて笑顔いっぱいの木村さんの姿をみて、「ああ、きっと、このお店はこれからも長く愛されていくだろう」と、ほっと安堵して、涙が止まりませんでした。

木村さんが敬愛する菅沼謙司前社長が笑顔で見守る「座」のコーナー。御膳風の一人卓は菅沼さんのデザイン。「人は上半身が見えると安心すると言っていた。畳をこよなく愛した人でした」

木村さんが敬愛する菅沼謙司前社長が笑顔で見守る「座」のコーナー。御膳風の一人卓は菅沼さんのデザイン。「人は上半身が見えると安心すると言っていた。畳をこよなく愛した人でした」

リニューアルチームのウィズの森・玉置哲也さん、LEADの安生さん、三浦さん、AFF(青葉台でFace to Face)で出会った仲間たち、コペの奥山誠さん、YAMASENの堀部伸夫さん、namaotoの新谷竜輔さん、Waveよこはまの金子拓也さん、HAPPY桜台フェスの女性陣などが木村さんの周りで楽しそうに笑っていました。木村さんが愛してやまないシンガー・ソングライターの佐々木優太さんのライブで盛り上がり、人の波が途切れることがなかったパーティーが終わって、やがて、静かな日常が戻ったウッディハート。

以前とは変わらぬおおきな懐でお客さんを迎え入れ、店内のそこここにある隠れ家スポットで人がほっとくつろげるような、そんなさりげないやさしさを加えて、以前よりさらに深くやさしく、私たちを受け入れてくれるようになったのです。

 

ショーウィンドーの左手側は木村さんが信頼を寄せる「ウッディハートのスターたち」が鎮座する。大人におすすめのナチュラルモダンで統一。シックで落ち着きのあるインテリアをつくる

ショーウィンドーの左手側は木村さんが信頼を寄せる「ウッディハートのスターたち」が鎮座する。大人におすすめのナチュラルモダンで統一。シックで落ち着きのあるインテリアをつくる

大きな大地にそびえ立つ大樹のように、青葉台の変わらぬもの、変わっていくものを見つめていくウッディハート。ただ、ふらりと足を踏み入れるだけでいいんです。ぜひ、皆さん、訪れてみてくださいね。きっと、木村さんが美味しいコーヒーを淹れてくれますよ。

Information

ウッディハート

住所:横浜市青葉区桜台

TEL:045-986-0211

営業:11:00-19:00(水曜定休)

http://www.w-heart.co.jp/

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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