目で味で、旬のいちごを満喫! 徳江いちご農園さんでいちご狩り
一面のいちごに囲まれてお腹いっぱい食べられる、そんないちご農園が青葉区にもあるのです! これから旬のいちご狩りがたっぷりどっぷりと楽しめる徳江いちご農園さんで、いざ、いちご狩り。

みかん狩り、ぶどう狩り、いちご狩り、何か狩りに行くのはワクワクします。けれど、ここは首都圏、ちょっと遠出を覚悟しての「狩り」になるだろうなと思っていました。ところが、我が家から目と鼻の先で「いちご狩り」をできると知りました。

いちごハウスの中は一足早く春のぽかぽか陽気。

青葉区と都筑区の境、市が尾の住宅地を谷本川沿いに抜けると、何処までやってきたんだろう?! と思うような、ぱっと広がる田園風景の真ん中に「徳江いちご農園」さんはあります。

「徳江いちご農園」のいちご畑はなんと1150坪という広大なもの。この農園は徳江栄一さん、絢子さんご夫婦が運営しています。

私は今年のいちご狩り解禁日の1月上旬に、子どもたちといちご狩りを初体験し、いちごの真っ赤な輝きと美味しさに衝撃を受けました。そのいちごを作っている栄一さんに、あらためて取材できると思うとちょっと興奮します。

今年の解禁日は1月7日。初日、10時の開始を前にすでに大勢の人たちが来ていた。こんなに熱いスポットが身近にあったなんて……。も、もっと早く知りたかった!

徳江さんの家は代々この青葉区で農業をなりわいにしてきました。栄一さんが「いちご農園」をこの場所で始めたのは6年くらい前だそうです。その前はトマト農園をしていましたが、トマトは一夜にして畑が全滅する恐ろしいウイルスにかかりやすく、実は畑で無事に育てるのがとても難しい野菜なのだそうです。栄一さんの畑もそのウイルスで三度も全滅に追い込まれたそうです。もうこの場所でトマトを作るのは厳しいと判断した栄一さんが次に始めたのが「いちご農園」でした。

「どうしていちごにしたのですか?」と伺うと、とてもチャーミングな笑顔で「いちご、みんな好きでしょ? 僕もいちご好きだし。好きないちごで喜んでもらえたら嬉しいもんね」と栄一さん。

代々この地で守られてきた農園を引き継いだ栄一さんと、農業とは無縁の環境から嫁いできた絢子さん、二人三脚で農園を運営している。この時季はいちご狩りの受付の電話対応などで忙しく、惜しくも美人で元気な絢子さんとのツーショットは撮れず

いちごへ方向転換した栄一さんのこだわりと努力は、半端ではありません。

いちご狩りに来た人も作業する人もやりやすい、いちごの位置を高くして栽培する「高設栽培」という方法を先駆けて取り入れました。

私もいちご狩りを体験して、この高設栽培がとても新鮮でした。子どもの目の高さにいちごがずらりと並び、目を輝かせながら小さな子ども達が自分でいちごを選び、もいで口いっぱいに頬張っている姿はたまらない可愛らしさです。まるでいちごの川に挟まれて歩いているような感覚でした。

大人も子どもも自分で摘んだいちごは格別のお味。コンデンスミルクはお代わり自由

そして、小さな子どもからお年寄りまで安心して食べられるように「減農薬」にこだわり、花が咲いてからは農薬を使っていません。けれど美味しいいちごにはもちろん虫がやってきます。その虫たちは植物油を精製したものやでん粉で窒息させたり、天敵の昆虫を入れて退治するのだそうです。そのお話を伺ってからいちご畑を見渡すと、いちご狩りの時は「いちご」にしか目が行きませんでしたが、真っ白い花と花の間を飛び交うみつばちにも気がつくことができました。いちご畑のビニールハウスの中は栄一さんの絶え間ない努力によって絶妙な食物連鎖が保たれ、その中でいちごは無事にここまで育ってくるのだと知ると、いちご一粒一粒が一層大切に感じられます。

一本の畝に3種類くらいのいちごが植えられていて、左右が別の種類。それでこの道を一本じっくり歩くだけで6種類のいちごが味わえる

そんないちごの根元に目をやるとふかふかとした茶色い土が見えます。いちごはココヤシなどを土の代わりにして栽培する方法が主流な中、ここでは有機的な肥料を使い、土耕で育てています。

栄一さんは言います。「僕はね、いちご狩りの最中はハウスにはあんまりいないんですよ」。いちご狩りの間、明るいスタッフの方々がコンデンスミルクのお代わりを用意してくれたり、いちごの品種の特徴を説明してくれました。確かに女性ばかりで栄一さんの姿は見当たりませんでした。

畝の中にハチのハウスも発見。虫たちの話をする栄一さんはまるで仲間のことを話しているような朗らかさだった

栄一さんは「ちょっとオヤジギャクになっちゃいますけどね」と、一粒の赤いいちごを手に「これ、いちごじゃないんです。僕に言わせれば『いちさん』ですね」と笑います。私には十分に美味しそうな「いちご」にしか見えませんでしたが、「ここまで赤くなってようやく『いちご』です。これが美味しいんです」とヘタの真下まで真っ赤に染まったいちごを見せてくれました。中には少し上が裂けかけたものもあります。「これくらいが一番美味しいんです。ヘタの下が白いのは先が赤くてもまだですよ。裂けすぎたいちごは僕が朝摘んでしまうので、多少裂けていても安心して食べてもらいたいんです。……と、ついついハウスの中にいると口出ししたくなっちゃうので、ゆっくりお客さんのペースでいちご狩りを楽しんでもらうために僕はハウスの外にいるんです」

徳江いちご農園のいちごはここでしか食べられないそう。いちご狩りのお土産として直売もされている

いちご農園のお仕事は6月末に一週間の休みを辛うじて挟んで、あとは一年に一日も休みがないそうです。特に夏休み明けからが本番で、暑いハウスの中で、苗を作る仕事が一番大事な作業になるそうです。「その一週間のお休みも、家に居たらつい畑に来てしまうので本気で休むなら遠くに行かなきゃ無理なんです」と栄一さん。

まさに手塩にかけて育てられているいちご。こちらの農園では20種類のいちごを育てています。その中からいちご狩りでは常に何種類かの旬のいちごが楽しめるそうです。「紅ほっぺ」や「さちのか」、「あすかルビー」など名前を聞いたことがあるいちごから、ここならでは! という一押しのいちごもあります。

中でも「あまおとめ」は愛媛県であまりの人気に県外不出だった品種でしたが去年から県外でも栽培できるようになり、早速こちらで栽培されている期待のルーキーです。また、「よつぼし」は株ではなく種からできる新種のいちごです。そして、いちご狩りに来た人たちが「わー、かわいい!」と写真を撮っていた白いいちご「あわゆき」は神奈川県内で食べられるのはここだけだそうです。ちなみに、「あわゆき」は「さがほのか」という春先に美味しくなる品種からできているので、旬は春になってからだそうです。

1月から5月下旬までできるいちご狩り。それぞれの旬のいちごが続々楽しめそうです。

開けた空の下「いちご狩り」と書かれた、可愛らしい文字が風に揺れる旗を目印に。車から降りた時、懐かしいような香ばしい田舎の空気に包まれ、心がふわっとした

今からが旬の「いちご」。伸び伸びと大事に人と土と虫たちに守られ育てられたいちごの摘みたての味をぜひ味わってみてください! ほっぺが落っこちそうなのでご注意です。

いちご農園の傍を流れる谷本川。住宅地がこんなにもある中で、自然や農地も隣り合わせ、「この青葉区で農業をやることは恵まれたことだと思う」と栄一さんは話してくれた

 

Infomation

徳江いちご農園

住所:神奈川県横浜市青葉区市ケ尾町411-3?(駐車場有り)

電話:080-6789-7356 (電話受付時間9:00-17:00)

HP: http://tokuenouen.jp

ブログ:http://tokuenouen.sblo.jp

営業日:不定休

ブログ・電話にて確認して下さい。予約の方が優先になります。予約なしで来られる方は、いちごの状況をブログか電話にて必ず確認してからご来園下さい。

【開園時間】

10:00~15:00

30分食べ放題、ミルクおかわり自由。

【料金】(2017)

1月7日-49日 大人1名(小学生以上)2,000 2未就学児1,000

410-57日 大人1名(小学生以上)1,800円 2未就学児900

58日以降 大人1名(小学生以上)1,400 2未就学児700

南部 聡子
この記事を書いた人
南部聡子ライター
富士山麓、朝霧高原で生まれ、横浜市青葉区で育つ。劇場と古典文学に憧れ、役者と高校教師の二足の草鞋を経て、高校生の感性に痺れ教師に。退職後、地域に根ざして暮らす楽しさ、四季折々の寺家のふるさと村の風景を子どもと歩く時間に魅了されている。森ノオト屈指の書き手で、精力的に取材を展開。
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