みんなでつくる太陽光発電 「DiO」で未来を豊かに
Do it Ourselves! 発電所をプロと一緒にみんなでつくっちゃおうという楽しい事業がはじまっています。東京、多摩市のたまエンパワー株式会社主催のDiOキックオフシンポジウムで、実際にどんな作業をするのか体験してきました。
 
配置を決めてパネルを設置する。ボルトを締める。重りを置く。作業はほぼそれだけであっさり終了!

配置を決めてパネルを設置する。ボルトを締める。重りを置く。作業はほぼそれだけであっさり終了!

 

DiOは屋根上の太陽光発電の体験型施工サービスです。プロと一緒に市民が作業をすることで、設置コストを25%下げ、かつ、共同作業の体験により、コミュニティを活性化したり環境意識を啓発したりするメリットがあります。

安全確保のために、屋根に手すりがなかったり、高さが20メートル以上になる場合は施工の対象外となるため、設置できる条件が限定はされますが、大学や企業の自社ビル、あるいはマンションや公共施設でも、普段自分たちが使っている場所に、自分たちで発電所を設置できるのは楽しい体験ですよね。イベント仕立てにして、たくさんの人を巻き込むこともできます。

DiOでは、神奈川県横浜市の太陽住建が施工及び施工店への指導を担当。ドイツに本社を置く太陽光専門の商社、クラニッヒ・ソーラーがパネルや架台、パワーコンディショナーなどの機器や資材を提供しています。たまエンパワーが3社共同事業の窓口となって、DiO普及のための施工パートナーとなる事業者と、展開・仲介パートナーとなる市民団体、企業や大学、自治会等をネットワークしながら、プロと一緒に「みんなでつくる」を広げていく事業モデルを描いています。

屋根に配置した金具にパネルを取り付ける様子

屋根に配置した金具にパネルを取り付ける様子

DiOに使われる、ドイツK2社の「D-Dome」は、陸屋根(平らで傾斜のない屋根)用の、アンカーを打たない置き型の架台です(つまり、屋根に穴をあけてネジどめしない)。置くだけでも風に飛ばされないようにパネルの角度や構造が計算されていて、無駄のない美しいフォルムです。この置くだけ架台のおかげで、素人の参加が可能になっています。

このところ、一部では大変盛り上がっているDIYですが、森ノオトでエコDIY講座を担当してきて、意外に広がらない経験もしている身としては、こうした太陽光発電のDiOサービスがどんな人々に受け入れられていくのか、とても興味があります。

以前ご紹介した、はちエネ他、多くの市民電力が行ってきたように、「市民出資」という形でのエネルギーへの参加のしかたは今までにもありました。しかし、施工に参加するというサービスは日本で初めてです。例えば田植えや、間伐体験などの自然体験と同じように、太陽光発電の施工体験も、一つの教養として多くの人が当たり前に経験するようになるのでしょうか。

青葉区周辺でも、DiOをどこかで実現できないかと考えています。

薪割りの話や、ラグビーを語らせたら止まらない。たまエンパワー株式会社社長の山川勇一郎さん

薪割りの話や、ラグビーを語らせたら止まらない。たまエンパワー株式会社社長の山川勇一郎さん

たまエンパワー社長の山川勇一郎さん

Do it Ourselves! 発電所をプロと一緒にみんなでつくっちゃおうという楽しい事業がはじまっています。東京、多摩市のたまエンパワー株式会社主催のDiOキックオフシンポジウムで、実際にどんな作業をするのか体験してきました。

は、3.11後に地元に戻って電力事業に関わる前は、富士山の麓にあるホールアース自然学校で10年勤めていました。企業で働いた後に世界を広げたいと思って、オーストラリアの大学院に行き、そこでの出逢いによって、気持ちが自然学校に向かったのだそうです。自然学校では、特に、海外からの留学生や視察団体を受け入れる仕事を通して、物事や人間が多様であることを実感したとか。

強い意志でというより、直感的にいくべきところに進むタイプで、どんな環境にも対応していく柔軟さや、体力やコミュニケーション能力の源は、大学時代に熱中したラグビー部での体験にあるそうです。

山川さんはDiOのシンポジウムで、スーツ姿のおじさまたちに囲まれながら、なんともいえない堂々とした自然感のようなものを醸し出しているんだよなあ……と感じていた私でしたが、ホールアース自然学校での体験や、ラグビー部主将を務めたというお話を改めて聞いて、納得するものがありました。

新しい電力事業には、さまざまなバックグラウンドを持つ人が参入しています。あまりに巨大になりすぎた組織の中では、自分の言葉でいきいきと話すことが難しくなるためなのか、どうしても個性を消して、記号のように働くイメージが強くなる傾向があるように思いますが、新電力、市民電力に関わる人は、不揃いだから面白いところがあります。

「人」に注目した新電力の紹介も、今後続けていきたいと思っています。

梅原 昭子
この記事を書いた人
梅原昭子理事/事務局長/ライター
難しいものをおもしろく、かたいものをやわらかく翻訳し、絵で表現できる編集者。市民電力会社「たまプラーザぶんぶん電力」の社長になってしまうが、エネルギーの世界にも飄々とたゆたう視点で、こんがらがった世界を解きほぐす。アートユニット「WAKUSEI/ワクセイ」として縦横無尽に活動中。
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