地域の方が誰でも使える一軒家「街の家族」
【森ノオト編集部ライター養成講座修了レポート:比嘉祐美子】青葉区奈良町にある「街の家族」は、赤ちゃんからお年寄りまでが集まれる、地域の一軒家を利用したコミュニティハウスです。オープンしてから今年で5年目。森ノオトでは4年前に一度取材に行っていますが、現在どのように活動しているのか、設立当初からどのように変わったのか?知りたくて改めて取材をしました。

青葉区奈良町にある一軒家のオーナーさんから場所の提供の申し出があり、平成24年に「街の家族」は地域のコミュニティハウスとしてオープンしました。

 

日当たりのよい住宅地にある「街の家族」。塀に描かれたかわいいイラストが目印

 

「街の家族」は火・木・金の10時オープン。時間内は出入り自由なため、この日もゆるやかに活動がスタートしました。オープンデーは毎回ランチをつくります。

設立当初は壁があって今よりも少し閉鎖的だったキッチンは、リフォームして明るいオープンキッチンになり、とても見通しがよくなりました。

 

お料理上手の押久保美佐子さんが次々に美味しそうなメニューをつくっていきます

 

キッチンの隣には、20畳ほどのリビングがあり、入り口から続々と「こんにちは」と人が入ってきます。そして思い思いの場所に座っておしゃべりが始まります。リビング奥にある明るいテラスに面した和室とテラスの間には絵本やおもちゃがたくさん置いてあり子どもたちが遊べるスペースになっています。子どもたちはそこへまっしぐら。自由に遊び始めます。

一軒家という場所柄、入ってくる人たちがまるで自分の家族のようで、初めて会った方もすでに知り合いのような不思議な感覚にとらわれて、自然に笑顔でお話できます。

2階は落ち着いたスペースになっていて、英会話教室やエステ体験など大人向けの講座が開かれることが多いそうです。小さいお子さんがいるママは1階で子どもをボランティアの方に見てもらい、2階で自分のことに集中できる時間を持つことができます。

この日の午前中、2階では英会話教室が行われていました。

 

1階ではママを待つ子どもたちに、絵本作家の早川和子さんによるペープサートが開かれました。私の娘もお手伝い

 

お昼ができあがるとランチ会が始まります。ランチ代は破格の300円。ランチはテーマがある日もあります。私が訪れたこの日は、「備蓄食材ランチ」というテーマで、防災用の備蓄や、その場にある食材を使ってランチを作る、というものでした。定期的にこのテーマで開催することによって、備蓄の見直しをしたり、備蓄を利用して美味しいものをつくる取り組みにつながっているそうです。この他にも近隣の外国籍の方に出身国の家庭料理を教わったり、季節のイベントにあわせたお昼を楽しんだりと、ランチ会にかなり熱心に取り組んでいる様子がうかがえました。

ランチ会は街の家族がオープンした頃から続けてきた取り組みで、参加した人同士でおしゃべりをしながら食卓を囲むので、自然と会話がはずみます。代表の岩間千秋さんと子育て応援プロジェクトを立ち上げ活動している磯島弥生さんに運営についてのお話を伺いながらランチをいただいていたら、いつの間にか話題が磯島さんや私の子育ての悩みに移り、岩間さんに聞いてもらうことに。こんな風におしゃべりをしていく中で新しい企画が生まれたりすることもあるそうです。参加している皆さんがランチ会を通じて生まれる地域の絆をとても大切にしているように思います。

 

300円とは思えない充実したランチ。防災備蓄のクラッカーはフレンチトースト風に味付けをして、手作りのゆずジャムでいただきました

 

街の家族の設立当初の3年間は、人を受け入れやすくするように、部屋を整理したり、改造したりして場所を整えることが運営メンバーの主な活動でした。

設立当初、オープンデーは週に1回。「こんな場所にしたい」という思いとともに、地域の方に活動を体験し楽しんでもらう提供型の活動を中心に行っていました。

運営メンバーの小笠原弘さんによると、現在は、いろいろな団体とコラボレーションしたり、イベントを開催してもらったりすることで、人と人をつなげ、活動を広げていくことを意識しているそうです。イベントの企画に関しては、「運営会議はありますが、普段の活動からいろいろな発想がわきあがり、新しい企画が生まれることの方が多い」とのこと。また、イベントを企画して外で場所を借りると、より費用がかかったり活動制限があったりと大変なことも多いですが、一軒家という場所柄「街の家族」では企画を実現しやすい、ということも活発にイベントが行われる秘訣のひとつだと思いました。

 

年代が偏ることなく集まれる場所はとても貴重。このような場所が増えていってほしいと思います

 

この3月から、磯島弥生さんと泉いづみさんを中心に「子育て応援プロジェクト」が本格的にスタートしました。未就学児のお子さんの預かり「ひよこ部屋」は週に2日、10:00~11:30の1時間半、800円で利用できます。登録は簡単な申込用紙に記入するだけ、予約はメールでOKという気軽さ。ちょっとだけひとりの時間を持ちたい、病院や買い物に行く時に利用したい、というママ達に好評です。「親子のおしゃべり広場」は、毎週金曜日の11:00~、手遊びや絵本の読み聞かせを親子で楽しめます。親子の企画だけでなく、エステや編み物などママが楽しめる企画も毎月開催されます。毎月発行している「まちだより」とは別に「子育て応援プロジェクト」用の広報を発行し、情報発信にも力を入れます。「子育て応援プロジェクト」のリーフレットは手書きで作られていてやさしい雰囲気。「地域の方に見守られながらママも子どもも安心して過ごせる場所なので、子育てで悩んでいるママにぜひ参加してほしい」と磯島さん。磯島さんも泉さんも未就学のお子さんがいるママです。ママならではの目線で細かいところまで気配りされているのを感じます。

 

今回の取材で、「街の家族」は、訪れた人がそれぞれの経験を持ち寄って気軽にシェアできる仕組みができあがっているため、運営メンバーが全部を仕切らなくてもたくさんの企画が実現できるところが強みだと感じました。大家族のような雰囲気の中で、ママ世代の若い方が目をきらきらと輝かせて活動についてお話する姿に、上手に世代交代ができている印象を受けました。街の家族の今後にますます目が離せません。

Information

街の家族

住所:神奈川県横浜市青葉区奈良町1566-332

HP: http://www.machinokazoku.info/

Facebook:https://www.facebook.com/machinokazoku/

【開催曜日】

毎週火・木・金と、不定期で水曜日 10:00~15:00(時間内出入り自由)

【利用料】(2017年)

一家族 ¥130/回 もしくは ¥1,300/月

日当たりのよい住宅地にある「街の家族」。塀に描かれたかわいいイラストが目印

比嘉 祐美子
この記事を書いた人
比嘉 祐美子ライター
横浜市青葉区在住。インテリア関係の仕事を経験後、じっくり子育てに関わりたいと、現在は在宅勤務で経営コンサルタントのアシスタントをしている。2006年生まれの女の子と夫の3人家族。好きなことはランニング。家族とはトレッキングやキャンプを楽しんでいる。
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