つくり手のぬくもりが伝わる服。アパレルユニット「__ku_ko」
自分に似合うデザイン、着心地の良さ、目をひく色や柄……。皆さんはどんな服が好きですか? つくり手の「好き」を追求して、デザインから縫製までを自分たちで手がけるアパレルユニット「__ku_ko」(クコ)。ものづくりに込めた思いをお聞きしました。

幼い頃、学校から帰ると母が縫い物をしている姿を見るのが好きでした。

母がつくってくれたトートバッグ。見よう見まねで自分でつくったパッチワークスカート。

その布の絵柄や手触りを今でもよく覚えています。

 

 

そんな思い出の中のぬくもりのように、つくり手の温度が伝わる服に出会いました。

アパレルユニット「__ku_ko」の服は、適度にゆるく、それでいて大人のスタイルに合わせやすいデザインで、リネンやコットンなどの肌に馴染む素材を使い、季節を問わず心地良く着られます。

 

 

実は森ノオトの仲間内では__ku_koの服を愛用している人が多いのです。過去に開催した、ReBITA×AppliQuéのコラボ展示会に出店していただき、実際に手にとって見られる機会に、服好きの多い森ノオトの仲間たちの心を一気に掴んでいってしまいました。

青葉区桜台の物件で開催したReBITA×AppliQuéのコラボ展示会「このまちの手仕事を訪ねて」が本格的な出店としては初だったそう

私もそんな一人で、クローゼットには、パンツ2本、スカート1本、ブラウス1つも__ku_koの服があるほど! 春から夏にかけて着たいピンクの3WAYスカートは、森ノオト事務局スタッフの齋藤由美子さんと色違いで購入して、さながら制服のようになることもあります。

3つの着こなしが楽しめる3WAYスカート。「そのスカートどこで買ったんですか?」と聞かれたのは一度や二度ではないほど、ユニークなデザインと目をひくカラーが魅力

__ku_koの服の魅力を探りに、つくり手を訪ねました。

東京都世田谷区、二子玉川の駅から少し離れた住宅地に、__ku_koのメンバーの一人、見城佐知子さんのご自宅があります。__ku_koの活動拠点でもあり、今年6月にはこのご自宅の一部を開放して展示会も開催しました。

見城さんの本職はヨガインストラクター。実は私が長男の時の産後に見城さんのベビーヨガのクラスを受講していた縁もあって今回の取材につながった

見城さんは「こんなのんびりしたこと言ってもいいのかなって思うのだけど……」と少し恥ずかしそうに話し始めました。

 

「__ku_koでは、自分たちが着たいものをつくっているんです。お客さんをイメージしているわけではなくって、例えば自分たちが『トップスが欲しい』と思ったときに、イメージを持ち寄って『ここがもう少しこうだったら』とか言いながらデザインを擦り合わせていっている感じかな」。__ku_koは見城さんと、川合春美さん、北川敬子さんの3人で、デザインから縫製までを行い、一着一着丁寧に服をつくっています。

 

3人の出会いは、子どもたちの幼稚園でした。いわゆるママ友として出会いますが、当初から、「似ている部分があって」と振り返ります。子どもたちへの手づくりの布小物の雰囲気やこだわりが似ていたり、自分の着る服を自分でつくってしまうところも似ていて、周囲からも「姉妹ですか?」と聞かれるほどだったのだそう。

 

何度もお茶をするうちに、「私たち何かできちゃうかも?自分たちが好きな服をつくって売っちゃったりして……!」と盛り上がることもしばしば。でも現実は日々の子育てに追われ、子どもたちもバラバラの学校に進学……と、お茶の時間に語り合った夢が実現するには、実は10年以上も熟成期間があったのです。それでも見城さんは、「自分の肩書きを話す時にずっと、洋服もつくりますとは言い続けてきたんです」と話します。

 

転機は3年前、見城さんの知り合いのセラピストから、自身のサロンの制服に使うタイパンツが欲しい、と相談を受けます。そのオーダーを__ku_koで受けようと見城さんから2人に話を持ちかけ、ものづくりのユニットがようやく産声をあげたのでした。

 

「自分たちがいいなと思ったものを買っていってくれる人がいるのは嬉しいですよね、やっぱり」。改良を重ねて誕生したオリジナルのタイパンツが評判を呼び、少しずつオーダーが入るようになっていきます。

見城さんの自宅で打ち合わせをすることが多い(写真提供・__ku_ko)

左から見城佐知子さん、川合春美さん、北川敬子さん。3人とも普段から__ku_koの服を着ることが多いそう(写真提供・__ku_ko)

「着ていて楽、が大前提。でも部屋着じゃなくてオシャレもしたい」がコンセプト。パターンや縫製はそれぞれ独学で学んだという3人ですが、商品のディテールを見ると、その細やかなデザインのこだわりと丁寧な縫製に目を奪われます。

 

今ではボトム4種類、トップス5種類、アウター3種類、小物など、アイテムを徐々に広げています。基本的にはオーダーを受け、稀にイベント出店や展示会をすることも。

「たくさん売れることに価値はおいていなくて、つくり手の私たちと同じくらい愛情を持って、__ku_koの服を着たおしてくれる人に届けられたらいいなと思っています。だから、たくさんはつくれないけど、自分たちも苦しくならずに長くものづくりを続けていきたい」。それぞれ仕事や子育てと両立しながら、__ku_koの活動を続けています。

カシュクールコートはちょっとした羽織にも、紐をキュッと結べば、ロングジャケットのようにしっかりめスタイルにもなる

惜しみなく時間をかけてデザインし、一つひとつ丁寧に施された縫製。それに加えてちょっとした遊び心があって、どう着こなすかの余白があること。__ku_koの服からは、ほかほかとしたぬくもりを受け取りながらも、それが押し付けがましく感じないのは、きっとつくり手自身が肩の力の抜き方を知っているから。見城さんの話を聞きながら、その魅力を改めて感じました。

 

一度にたくさん、同じものが素早くつくられていく時代にあって、その流れには逆行するかのような__ku_koのものづくり。世の中に届けたいメッセージの一つに、「本当に大好きなものを買ってほしい」と見城さんは話します。一人ひとりが心底大好きなものを手にとっていけるとしたら、必要なものってそう多くはないのかもしれない。

「私自身も消費者の一人として思うのは、消費者が変わらないとつくり手の意識も変わらないということ」。見城さん自身は、綿栽培プロジェクトにも関わっていて、布ができるまでの過程の手間暇も発信していきたいとも考えているそう。

3人の名前の頭文字をとっていくと「かきけ」。その前後にある「くこ」をブランド名にしたという遊び心。「クコの実は後付けの理由です」と笑います

__ku_koでは服づくりの過程で出たハギレも捨てることなく、バッグやポーチ、鍋つかみなどの小物につくりかえている

3人がお茶をしながら語った夢は、我が子を育てるようにじっくりと時間をかけて、今広がりつつあります。「いつかはつくり手を次の子育て世代につないでいけたらいいな」。そんな夢も語ってくれました。

 

つくり手のぬくもりを感じる__ku_koの服。長く愛せるあなたの一着にいかがでしょうか?

Information

__ku_ko

FBページ:https://www.facebook.com/kukonomi2005/

Instagram:@kukonomi2005

商品の問い合わせは、Facebookやnstagramのダイレクトメッセージからご連絡ください。
<__ku_ko展示&受注会>

7月26日(金)・27日(土)11:00〜16:00

会場:Roll House for LIFE(東京都世田谷区)

https://www.facebook.com/events/690787071382839/

 

8月に山形県、9月に三重県での展示会も予定しています。詳細はSNSでお知らせします。

 

宇都宮 南海子
この記事を書いた人
宇都宮南海子ライター/スタッフ
元地域新聞記者。エコツーリズムの先進地域である沖縄本島のやんばるエリア出身で、総勢14人の大家族の中で育つ。田園風景が残る横浜市青葉区寺家町へ都会移住し、森ノオトの事務局スタッフとして主に編集部と子育て事業を担当。ワークショップデザイナー、2児の母。
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