緑区は霧が丘。住宅街を縫うように走る並木道沿いに、そのお店はありました。名前を「うおたま&くうかい」といいます。青葉台の鮮魚店で長年仕入れを担当していたという店主の西原聡さん。「うおたま&くうかい」では、そのおめがねにかなった魚介の絶品料理が味わえるほか、雑穀を中心とした菜食料理も実は人気メニュー。ニットカフェやマージャン大会、朝市の開催など、地元ネットワークも楽しいホッとくつろげるお店です。

vol.14 雑穀ごはんで体のなかから元気。魚&雑穀料理の「うおたま&くうかい」

2011.10.13

赤いレンガにはえる「うおたま&くうかい」の青い看板が目印

 

 魚料理が評判の居酒屋「うおたま&くうかい」。店内はもちろんお店の外にも、食欲をそそる魚料理の手書きメニューが並んでいます。聞けば店主の西原聡さん、お店を開業する以前に18年間ほど、青葉台の鮮魚店「魚喜松台水産」で魚介の仕入れ担当をしていたとか。さらにさかのぼること数年、血気盛んな学生の頃は水産科に所属し、趣味でダイビングをしていたほど魚漬けの日々を送ってきたそう。人生の選択肢に「魚をふるまうお店」があったことも、その味にも納得です。

 

イケメン店主の西原聡さんと、優しく気さくな奥様、和江さん。店内外のメニューや月1回発行の「うおたま&くうかいNews」は、すべて和江さんのお手製。二人三脚でお店を切り盛りしている。

 

魚料理のほかに、「うおたま&くうかい」には知る人ぞ知るもう一つの顔があります。それは雑穀料理。「つぶつぶ料理」と呼ぶほうがなじみ深い人も多いかもしれません。雑穀料理とは、“たかきび”や“あわ”“ひえ”といった雑穀をふんだんに使った料理のこと。特に西原さんは、「つぶつぶカフェ」のオーナーとして知られる大谷ゆみ子さんに師事し2年間しっかり勉強。その結果、化学調味料はもちろんお肉も使わずに雑穀と野菜だけでつくる多彩なつぶつぶメニューが、「うおたま&くうかい」の裏看板になったのです。

 

ワンプレートタイプの「つぶつぶランチ」。これにお味噌汁とごはんがつく。日によってメニューが違うのもうれしい心遣い。この日は、手前から時計回りに、春雨と野菜、雑穀を包んだ「春巻き」、あわとコーン、豆腐、玉ねぎの「コロッケ」、「ハトムギの練りごまあえ」、「キャベツのトマト煮」、そして中央が、たかきびのトマトソースが添えられた「車麩のムニエル」。

 

 「うおたま&くうかい」のつぶつぶランチは、一つのお皿に5~6品が上品に盛り付けられたワンプレートタイプ。雑穀や車麩など仕込みに手間と時間のかかるものも多く、「30種類ほどを同時に仕込んでいることもしばしば」と西原さん。いただいてみると、だしにもかつお節など動物性のものを一切使っていないのに、どれも驚くほどしっかりと、そして滋味深い味わい。素材への愛情と手間暇を感じる、体が中からキレイに元気になるのを実感できる食事です。

 

信条とする『身土不二』の文字が掲げられた明るい店内。夜は居酒屋に変身する。魚料理とつぶつぶ料理の両方を欲張って味わいたい

 

西原さんご夫妻がお店で雑穀料理を提供するようになるには、いくつかのキッカケがありました。まず、店主の聡さんのひどい花粉症が、個人的にチャレンジしてみたマクロビオティック(穀物菜食料理)で改善します。「花粉症が始まる前から特にタンパク質と砂糖を徹底的に控えると、すごく楽になりました」と聡さん。その後も、大地宅配や生活クラブ生協など自然派食材を扱う宅配サービスを利用し、食材の質にこだわりながら食に関する情報を集めて食生活を改善していったそうです。そんな折、今度は奥様の和江さんに病気が見つかります。健康に良いとされる食材や民間療法を片っ端から試した結果たどり着いたのが、雑穀料理だったというわけです。もちろん、今ではお二人ともすっかり健康体。まさに雑穀のパワーです。

 

店舗入り口横で、おそうざいとお弁当を販売。お弁当は、電話予約をしてから取りに行くとスムーズ。数量がそろえば、近隣の配達も行ってくれる

 

「うおたま&くうかい」の魚料理とつぶつぶ料理は、お惣菜やお弁当でも販売しています。特に人気なのが「ワンコイン弁当」。500円玉1枚でバランスの良いお昼ごはん(つぶつぶ弁当は別途)が食べられるとあって、近隣小中学校の職員室などからも定期的に注文があるそう。仕込みからしっかり手間をかけたお惣菜も人気です。

 

農家、惣菜屋、ベーカリー、花屋、木工デザイナー……。たくさんの地元生産者が集う朝市は、月1回のペースで開催。珍しい魚介も多く、食べ方を聞くのもまた楽しい

 

 こだわりの食事のほかに「うおたま&くうかい」の良さをもう一つあげるとすれば、真っ先に浮かぶのがお二人の人柄。決しておしゃべりではないけれど、食に対して真摯な聡さん。誰とでもうちとけて話ができる、飾らずほがらかな和江さん。そんなお二人が人を呼ぶのかもしれません。地元に広いネットワークがあり、月に1度、生産者が集って店舗前で朝市を催しています。平日は店内で、編み物をしながらお茶をいただく「ニットカフェ」や「マージャン大会」も不定期開催しているので、気になるイベントがあればのぞいてみてください。ほっと落ち着く「うおたま&くうかい」の魅力に、きっとはまるはずです。

 

(取材・文 中島まゆみ)

 

うおたま&くうかい

うおたま&くうかい

住所:横浜市緑区霧が丘1?17?6

TEL:0120-590-343

   045-922-6130(※つながらない場合は050-1157-4256まで)

OPEN:11:00?14:00

17:00?ラストオーダー21:00

定休:月曜日(仕出し・ケータリング・お弁当は要相談)

駐車場:あり(1台)

http://www.kuukai.jp/

▲ページTOPへ

ecolocoライター・キタハラprofile

キタハラマドカ
山形出身。地元タウン紙記者時代にバダイと縁ができ、以来この街を「新しいふるさと」と定める。フリーライターとして食、住、子育て、地球環境の記事を各種媒体で執筆。自宅で生まれたecoloco娘の食を記録したブログ「たまごはん」更新中。
http://tecology.exblog.jp/

田園食べある記その他の記事

2011.10.13
vol.14 雑穀ごはんで体のなかから元気。魚&雑穀料理の「うおたま&くうかい」
赤いレンガにはえる「うおたま&くうかい」の青い看板が目印    魚料理が評判の
2011.08.22
Vol.13 伝説のカレーの存在で田奈が急上昇? 鉄板焼・Tiger
古びれた鉄板焼き屋さんの看板。ここで麻の実料理? 酵素玄米? ……ぽく
2011.07.13
Vol.12 いのちの糧となるパン、いただきます。......鶴川・CAFE UTOKU(カフェ・ウトク)
UTOKUの店内。コンクリートブロックの内装に、有機的なアンティークの家具が絶妙にマッチしている
2011.02.08
Vol.11 ジャンクとグルメの垣根を越えた絶品バーガー......藤が丘・COCOCHI BURGERS(ココチバーガーズ)
いちばん人気の「はみだし系」ベーコンチーズバーガー(レギュラー1250円、ミニ1000円)。バンズ
2010.12.16
Vol.10 紅茶の香りとママの笑顔に癒される......藤が丘・Tea Drop
ナチュラルな雰囲気の店内。壁のあちこちに、お客さんのつくってくれたプリザーブドフラワーの額や、写真

完熟バックナンバーもおいしくいただけます!

読み込み中

  • 森ノオトとは
  • 森の仲間アドレス帳リンク集

旬のとれたて記事

2011.10.14
シンポジウム「原発」今こそ考えようリポート。3人の賢人によるパネルディスカッション。あざみ野に230人が集い、話し合いました
シンポジウムで登壇した3人の賢人は、衆議院議員で以前から核燃料サイクル政策への提言をしてきた河野太
2011.10.13
vol.14 雑穀ごはんで体のなかから元気。魚&雑穀料理の「うおたま&くうかい」
赤いレンガにはえる「うおたま&くうかい」の青い看板が目印    魚料理が評判の
2011.10.12
食欲の秋? アートの秋? スイーツデコ教室
  とろ〜りチョコレートソースのかかった美味しそうなサンデー。本物そっくりですが、これは
2011.10.11
黒米の稲刈りへ行ってきました。
  すっかり秋めいてきた9月25日(日)、どんぐり農園では黒米の稲刈り作業が行われました
2011.10.10
FMサルース高橋陽子のエコラボ通信Vol.11。横浜コミュニティサイクル「baybike(ベイバイク)」を利用してみました!
 横浜コミュニティサイクル「baybike(ベイバイク)」は、横浜市とNTTドコモによる自転車の共同
  • ウィズの森
  • 農に学ぶ環境教育ネットワーク
  • WAVE YOKOHAMA BLOG