たまプラーザの東急百貨店の裏手にある商店街に、昭和を思わせる雰囲気の建物があります。パティオに広く開け放ったガラス窓が何ともレトロでお洒落感満載な「KOVU」は、安心素材を使って一つひとつ手づくりのごはんが美味しいバー&カフェ。お腹いっぱい心も満たされるごはん屋さんです。

Vol.8 中央アジアの喫茶店のような...たまプラーザのBAR & CAFE KOVU(コヴ)

2010.09.30

 

KOVUの定番「鶏つくね焼きと小鉢のお昼ごはん」(1450円)。築地直送松の実の入った鶏つくね焼き甘辛味、野菜かき揚げと酢の物、ミルク煮ポテトサラダ、自家製ドレッシングをかけた葉サラダ、ラタトゥイユ、卵焼き、白だしの汁物、香の物、上伊那アルプス米のごはん、ドリンクがつく。かなりのボリュームだ

 

 世界各国を旅してやってきたアンティークの家具、雑貨。「中央アジアの喫茶店をイメージした」という店内は、まるで彼の地のバザールのようにどこかエキゾチックな賑わいがあります。たまプラーザの「BAR & CAFE KOVU(コヴ)」は、有機やオーガニック、低農薬を中心とした野菜、果物、長期醸造の醤油や味噌など“本物の”調味料、薬品をいっさい使わずにつくられたなたね油などを使った、安心して食べられる家庭の味が売りです。

 

店のデザイン、インテリア、ペーパーアイテムやメニュー開発はすべてオーナーの関本さんが手がける。アンティークの家具、雑貨、食器、食材などすべてのものに深く細やかに愛情を注いでいるのがよくわかる

 

 ナチュラルな素材で、注文を受けてから一つひとつていねいにつくる料理は、ちょっと濃いめの味付けでお酒との相性抜群。一番人気の「鶏つくね焼きと小鉢のお昼ごはん」は、築地直送の鶏肉を店でミンチして、その都度甘辛く焼き付け、コリコリプリプリとした食感がたまりません。周りに添えられた小鉢の多様さ。まるで絵画のように明るく華やかで心が躍ります。

 ほかにも「野菜とお豆のスパゲティー」「彩り揚げ野菜のポークカレー」とランチを3種類のグランドメニューに固定しているのは、「このお店ではあの料理を食べたい、そういうニーズが多いんじゃないかと思って」という、オーナーの関本安芸子さんの思いやりからです。

 

店の入口にあるアンティークの扉は南米から。とても繊細なので、大切に扱いたいものだ。店頭では関本さんチョイスの雑貨、器なども販売。現代作家もの、世界のアンティークなど、独自のセンスがきらりと光る

 

 こだわりの食材は、主に生活クラブ生協から。それぞれに産地での持続可能な生産や、未来につながる製法、農法への願いが込められているものばかりです。関本さんは素材の情報をなるべくメニューやウェブなどでわかりやすく伝えようとしています。「みんながいいものを少しずつ食べるようになっていけば、食環境はもっとよくなるはずだから」と。

 

店内のメニューはデザイナーでもある関本さんの手づくり。食材のこと、産地のこと、味の説明などが簡潔でわかりやすく伝えてある。メニューを読んでいると、どれも食べたくなってしまう

 

 お店のお洒落な雰囲気と、食材とお客さんへの心遣い、未来社会のためにちょっとだけできることをしようという志。KOVUの料理を食べれば、それらがすべてつながっていることがわかります。

 地元の農協や産直などで買ってきた新鮮な野菜は、野菜そのものが持つ彩りや輝きをそのまま引き出す。つくり置きをせずにその都度混ぜ合わせるドレッシングやソース。注文を入れてからドリップするコーヒー。

「できたてって、いちばん美味しいと思うんですよ」(関本さん)

 このお店では「待つ」ことも楽しみに変えることのできる、素敵なやさしい時間が流れています。

 

関本さんおすすめ、インドワイン「CHATEAU INDAGE, Chantilli」。カベルネソーヴィニオンのスパイシーでパンチのある味わいは、通好みか

 

 たまプラーザのお洒落な町並みの中で異彩を放つ古いビル。混沌としたアジアの街角のような、パリのアパルトマンのような、昭和の雑踏のような、そんな空間にできたKOVUは、これからも街の人たちの胃袋と心を満たしていき、新しい物語を紡いでいくことでしょう。

 

秋のお菓子「オールドファッションチョコケーキ」(300円)。ブランデーに漬け込んだドライフルーツをはさみ、ほどよく甘いバターケーキをガナッシュでデコレーション。プチプチしたざくろの食感が時々楽しい、どっしりと重みがある大人のケーキだ

 

 

*キタハラ’s eye*

KOVUはともかくお洒落。カッコイイ。世界各国から集められたアンティークや雑貨が混在するなか、オーナーの関本さんの独特の感性でまとめられ、見事に調和した心地いい空間です。「わたし、口べたなんです」とおっしゃる関本さんですが、その語り口に誠実さと頑固さ、美意識の高さが垣間みられ、その人柄が料理や空間、すべてに生かされているんだなあ、と感動しました。食いしん坊の男性にもおすすめ。ランチもいいですが、酒好きこそいい料理でいい時間を過ごしてもらいたいと思います。

 

BAR & CAFE KOVU(バー&カフェ コヴ)

住所:神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-10-8 2階

TEL:045-901-6047

OPEN: 11:30〜15:00(LO14:00)、18:00〜22:00(LO21:00 火〜木)または18:00〜22:30(LO21:30 金土)

定休:月曜、第1・第3火曜(祝日の場合は営業、翌日休)

駐車場:なし

アクセス:東京田園都市線「たまプラーザ」駅より徒歩4分 →Google Mapで見る

http://www.kovuvich.com/

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ecolocoライター・キタハラprofile

キタハラマドカ
山形出身。地元タウン紙記者時代にバダイと縁ができ、以来この街を「新しいふるさと」と定める。フリーライターとして食、住、子育て、地球環境の記事を各種媒体で執筆。自宅で生まれたecoloco娘の食を記録したブログ「たまごはん」更新中。
http://tecology.exblog.jp/

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