将来を嘱望されたテレビマンが、自分の道を探すうちに、気づいたらおもちゃ職人に…。乳呑み児を抱えながら独立を決意したのは、「今は子どもの受難の時代。一人での多くの子どもを笑顔にしたい」という強い思いから。自作の木のおもちゃであふれる末吉史樹さんのお宅を訪ねました。

Vol.7 子どもの笑い声であふれる「寺子屋」への道

2010.07.22

 

キラキラとした子どもの輝きを取り戻したい

 

電車やクルマなどの乗り物が好きなあきちゃん。実はお父さんの趣味? 「乗り物には遠くに行きたい、飛びたいという人間の夢が詰まっている。こどもができて何がうれしいかって、もう一度こども時代を体験できるることかも」

 

  ところで、末吉さんはなぜ、屋号を「森のこども」としたのでしょうか?

 「ふっと、森で遊んでいる自分の姿が目に浮かんだんです。こどもの頃、ぼくの周りの世界は輝いていました。泣いたり笑ったり感動したり、こどもが自然な感情に即して生きられるよう、ぼくのおもちゃが役にたてばいいなと思ったんです」

 そう語る末吉さん。目指すところは、ただおもちゃをたくさんつくって販売することではない。近くに森があるところでこどもが集える寺子屋のような場所をつくり、遊びの中からいろんなことを学べる機会を提供したい、「そして自分もこどもに埋もれて遊びたい(笑)」と、夢はどんどん広がっていきます。

 

だから、肩書きはおもちゃ職人でも木工作家でもなく、「こどもの夢プロデューサー」。「やっぱり彼はディレクターですよね。テレビ番組もおもちゃもそうだけど、何もないところから形をつくって、人を喜ばせることが好き。主人ならきっと実現できる」と、真由華さんはきっぱり。

テレビマンとして一から番組をつくり、人々に夢と楽しみを与えてきた末吉さんが選んだ人生は、たくさんのこどもがこどもらしい輝きを取り戻し、夢中になって遊べる環境をつくること。大和市の小さな工房はその夢の第一歩。これからが、楽しみです!

 

(取材・写真・文/キタハラマドカ)

 

 

 

乗って遊んで、分解して組み立てることもできるショベルカー。「値段はあってないようなもの。お客さまと相談しながらつくります。マイカーのミニチュアをつくってほしい、という要望にもお答えしますよ」。おもちゃをつくる時は、なるべく注文者の家に行って、ライフスタイルを見ながら、収納も考えてつくるのだそう。「しばらくその子と一緒にいると、どんな子なのか、どういうふうに遊ぶのか、こんなおもちゃなら喜んでくれるのかな、ということがわかってくる」と末吉さん

 

 

森のこども

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