映画やテレビドラマで活躍する女優としての顔、人の心身を癒すセラピストとしての顔を持ち、乳がんを克服した経験を生かしピンクリボン啓発活動や講演活動を精力的に行う宮崎ますみさん。自分自身を深く内観し、「人には自分自身を治す力がある」と得心した宮崎さんが選んだ生き方とは……

Vol.5 女優、ヒプノセラピストの宮崎ますみさんです!

2010.04.29

女優復帰直後に乳がん宣告。「自分で治す」道を選ぶまで

 

自身の乳がんの経験から、ピンクリボン啓発活動や、健康大使としての講演活動など、多忙な日々を送る宮崎ますみさん。全身に生き生きとしたエネルギーがみなぎっている

──宮崎さんは80〜90年代に女優として活躍し、90年代半ばに渡米してからは一線を退かれていました。ところが、芸能活動を再開した2005年に乳がんを宣告され、一転、闘病生活を送ることに……。

 

宮崎ますみさん(以下敬称略): 1994年に結婚したことを機に米国に拠点を移し、育児に専念していました。10年経ってまた仕事がしたいと動き始めるや否や、周囲に後押しされて映画「奇妙なサーカス」に主演して復帰を飾ることができました。映画を撮り終えて当時暮らしていたハワイに戻る直前に乳がん検診を受けたところ、悪性の腫瘍が見つかったのです。

 

手術では乳房の部分切除で済んだのですが、その後、放射線治療とホルモン剤の投与という形で治療が始まりました。がんは重度に進行していなければ自覚症状はほとんどない病気です。ところが、治療を始めることで副作用が出て、「病気との闘い」が始まっていくのです。私の場合、特にホルモン剤投与で全身のだるさや皮膚のかゆみなどのつらい副作用を発症し、心身ともに大きなダメージを受けました。約10カ月治療を受けて、「これはおかしい」と感じるようになりました。

 

──そして、放射線治療とホルモン剤の投与を止める決断をすることになるわけですね。

 

宮崎: 治療を受けながら、一方でヨガや食事療法、ハーブによるケア、アロマセラピー、免疫力を上げる自然療法など、さまざまな代替医療を実践していました。幸いなことに私のかかっていた病院は患者主体の治療を行う方針で、代替療法にも理解がありました。10カ月間治療を受け、このようなつらい副作用に苦しみながら放射線治療やホルモン剤投与をこのまま続けることに意味があるのかを考え、医師に治療を止めたいと相談しにいったのです。

 

医師からは、私のがんのタイプや大きさ、ケースなどから、10年後の再発リスクについてのデータを示してもらいました。術後10年で60%の人は無治療で再発なし。ホルモン剤を5年投与して再発しない人は70%、抗がん剤を併用すると85%まで数値が伸びる、と。5年間非常につらいホルモン治療をするのと無治療の場合を比較しても、10%しかパーセンテージは変わりません。だとしたら、無治療の60%の人たちは、なぜ再発しなかったのか? どんな努力をしたのか、もしくは何もしなかったのか? 私はそれが知りたかった。

 

患者というものはえてしてお医者さんに「治してもらう側」に回るものですが、「自分で治す」ということにふみ出すと、自ずと医療者ともフェアな関係を築くことになりますし、同時に患者にも自立した姿勢が必要であることも学びました。生き方、マインドによって限界が変わってくると得心しました。だったら自分で治そう、と。そう考え、毎日飲んでいた薬を止めました。

 

もちろん、がんが再発する恐怖もありました。しかし、治療を止める決断をすることで、不思議と「死」を受け入れる覚悟が芽生えてきたのです。治療中は体調も悪く、心にもダメージを負い、家にひきこもって暮らしていたのですが、薬をやめたとたんに自分の命への責任感が芽生え、生きる力がめらめらとわき上がってきたのです。その時、ピンときました。「これが自己治癒力なんだな」と。

 

 

宮崎ますみ(みやざき・ますみ)

女優、エッセイスト、ヒプノセラピスト、ヒプノウーマン代表。横浜市緑区在住。

 

1984年にクラリオンガールに選ばれ、芸能活動を開始。翌年映画『Be-Bop High School』に出演、以後、大河ドラマ『武田信玄』『太平記』、テレビドラマ『ずっとあなたが好きだった』『スチュワーデスの恋人』他、多数のテレビドラマ、映画、CM、ラジオ、舞台などで活躍。2005年に主演映画『奇妙なサーカス』でモントリオール世界映画祭・主演女優賞受賞。

結婚を機に渡米し、ロサンゼルス、ハワイで子育てをしながら、癒しを追求して心理学、精神世界、潜在意識、超意識の世界に傾倒する。

2005年に女優活動を再開した矢先に乳がんが発覚。西洋医学と自然療法による治療を取り入れ、見事にがんを克服した。

その経験を生かし、ピンクリボン活動や厚生労働大臣より任命された「健康大使」として全国各地で講演活動を行うなど、多忙な日々を送る。また、エッセイストとしての顔も持つ。

乳がんの経験から病にも意味があることを知り、催眠療法であるヒプノセラピーを学ぶ。米国催眠療法協会、米国催眠士協会認定ヒプノセラピスト。セラピストとして人を癒すとともに、日本でヒプノセラピーを伝える第一人者として多方面で活躍中。

 

宮崎さんが代表を務めるヒプノウーマンのウェブサイト

http://hypnowoman.jp/

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