酵母パンの本のデザインに関わったことがきっかけで、野生酵母の魅力にのめりこんだ植田さんファミリー。家族で「ウエダ家」というユニットを結成し、植物性乳酸菌、酵母、酢酸菌といった野性の菌からいのちの循環を学び、食の多様性を提案する活動を始めて7年が経ちました。今年の6月には最新刊『季節の酵母でうまくつくれる はじめての自家製酵母パン』を上梓。ウエダ家代表の父・夏雄さん、長男・遊さん、次女・好さんに、酵母の魅力についてお話をうかがいました。

Vol.8 野性の菌に生き方を学ぶ。COBO生活を提案するウエダ家さんです!

2010.08.11

ウエダ家7年ぶりとなる酵母パンの本

 

左からウエダ家の好さん、遊さん、代表の夏雄さん。母の道子さん、長女のアミさん、おばあちゃん、孫娘まで、一家総出、それぞれの世代のCOBO生活を実践している

 

──新刊の発売、おめでとうございます。ウエダ家の名前で初めての著作『旬の酵母でつくるパンBook』を発売してから7年が経ちましたが、これまでどんな活動をされてきたのですか?


植田夏雄さん(以下敬称略): ウエダ家では最初の著作でパンづくりのために野生酵母を研究してきたのですが、ある日妻がそれを料理に使ってみたらとてもおいしかった。それを機に、植物性乳酸菌、酵母、酢酸菌といった野生の菌に「COBO」という愛称をつけて料理に生かす提案を行ってきました。

りんご、トマト、みかん、ぶどう、ハーブなど、旬の果物や野菜についた野性の菌を自分たちで育て、そのままジュースのように飲む。またスープにしたり、肉や魚の漬け汁にする、ソースとして使う、スイーツにするなど、菌によって料理や食に対する発想そのものが変わりました。今、目の前で育っている菌の状態から、日々の食事を組み立てる、というように。

  COBOは単なる発酵食の分野にとどまらず、生命の不思議や食物連鎖、文明史、農業、消費社会のあり方、環境問題まで、無限に世界が広がっていきました。菌の世界を見つめていくことで、人間も自然界の一つの生き物であるという実感を得るまでになりました。私たちはデザイナー一家でもあるのですが、「COBO」というシステムをデザインし、本やイベント、講座という形で、生活者一人ひとりに、生き物の世界とつながる食や生活を提案してきました。


──最新刊「はじめての自家製酵母パン」は、これまでの本とどう違うのですか?


夏雄: 野生酵母との初めての出会いが酵母パンであるという方も多いと思いますが、実は、パンはあらゆる発酵のなかで最もハードルが高いと感じています。ウエダ家では、野性の菌を育てながら日々の食生活のなかで実験と検証を繰り返してきましたが、本書ではこれまで蓄えてきた膨大なデータとノウハウをまとめ、誰もが自家製酵母パンを焼けるという内容になっています。

自家製酵母パンづくりは、菌を育てることで90%が出来上がるといっても過言ではありません。本書では、あえて素材をいちご、りんご、みかん、洋梨、トマト、ぶどう、柿の7種類にしぼり、発酵レベルも1から4にわけて、それぞれのつくり方や味の見極め方について徹底解説しています。

 

ウエダ家がこれまでに手がけた本。本をつくる度に内容が進化し、酵母のつくり方も、料理の展開法も変わってきた

 

 

ウエダ家(うえだけ)

港北ニュータウン在住。代表の父・夏雄さん、母・道子さん、長男・遊

さん、次女・好さんと、長女アミさんによるユニット。おばあちゃんと

孫娘に至るまで、4世代それぞれが独自に野生の菌と関わる生活

を送っている。

現在は都立大学に拠点を置き定期的に講座を開催。また、全国各地でイ

ベントなどを行いながらCOBO生活を提案している。

著書に『旬の酵母でつくるパンBook』(自然食通信社)、『酵母

ごはん』『新しいごはん』『酵母スイーツ』(すべて学陽書房)など。

 

ウエダ家の新刊『季節の酵母でうまくつくれる はじめての自家製酵母

パン』は、こちらから。

http://cobo-net.com/

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