シナリオライター、映像作家として駆け抜けた30代。40代になってようやく恵まれた娘は妊娠26週、わずか620gで誕生した。小さな体で一生懸命生き抜く娘にいのちの輝きを学び続ける宮沢さんは、地域で子育て中のお母さんたちとともに、ドキュメンタリー映画「地球交響曲」の連続上映会を企画・運営しています。

Vol.9 あざみ野ガイアシンフォニー上映実行委員長の宮沢あけみさんです!

2010.09.03


あざみ野ガイアのテーマは「つながり」


「星野道夫さんの軌跡を追う魂の旅、それが第三番の見所ですね」と宮沢さん。いつか自分でもドキュメンタリー映像作品を撮りたい、と夢を語る


ーーあざみ野ガイアのスタッフは、幼稚園のお母さん仲間など、子育て世代の女性たちが中心ですね。

 

宮沢: スタッフから、「あけみさん、なんでガイアの上映会をやっているの?」と聞かれることがあります。私に言わせれば「こんなに面白いこと、何でやらないの?」という気持ち(笑)。人と人がつながり、お店や、地域とどんどん結びついていくのが、目に見えてわかる。これはとても楽しい。

また、育児で忙しいなか、「パソコンは苦手だけど、お店回りなら任せて」、「電話応対をするよ」と言ってくれたりと、自分のできるる範囲で一生懸命協力してくれるスタッフたちに恵まれ、私は何て幸せなんだろう、と感じています。

 

ーーチケットの扱いは、コンビニ決済や銀行振込などではなく、直接販売や地域の協力店での販売にこだわっているそうですね。

 

宮沢: 決して合理的な手法ではありません。一人ひとりのお客さまのリストをつくり、それぞれに対応していくわけですから。コンビニや銀行振込なら私たちは楽だけれども、でも、それなら誰が上映会を開催しても同じなんじゃないか、と思うんです。

ポスターやチラシを置いてくれる協力店は、今では170店舗以上になりました。1店舗ずつスタッフが回り、手書きの手紙を書いて協力をお願いすることで、地域の中でのコミュニティーが育ってきているのを実感しています。当初2000枚しかはけなかったチラシは、今では1万2500枚があっという間になくなるほどです。


ーー上映会では、協力店のチラシを一同に集めています。あれを見て、「上映会場に小さな商店街ができた」と感じました。また、「地球交響曲」の協力店だけあって、オーガニックや地産地消、地域密着にこだわったお店が多いのも特徴的だなあと。

 

宮沢: きっと、ガイアだから知り合えた、という出会いも多いと思います。「言葉が通じる」というか。お店の方から「ガイアで知ってお店に来てくださったお客さんがいる」と、わざわざお礼をいただくこともあります。お客さんがちゃんとチラシを見ているんですね。上映会を継続することで浸透し、つながりが深まっていく、コミュニケーションの力を感じます。

 

ーー宮沢さんが「地球交響曲」上映会から学んだことは?

 

宮沢: どんなに忙しくても、常に「自分がやりたいあざみ野ガイアを見つめること」を大切にしています。私たちは今、カヌーで航海しているようなもの。自分の信念をもってやりたいことを見つめていれば、必ず信じる方向に進んでいくのです。それが自分のエゴではなく、宇宙の真理であれば、必ず力は集まり、目指すことが実現できると感じています。


 □取材を終えて……(一言)

宮沢さんと初めてお会いしたのは今年の6月ですが、それまでに何人もの方から「あざみ野ガイアシンフォニーの実行委員長はとても素敵な方なんだよ」「宮沢さんと一緒に活動したいから、あざみ野ガイアを手伝っている」という声を聞いていました。どんな方なんだろう……と思っていたら、とても笑顔が温かくチャーミング、しかし抜群の行動力とフットワークで、人望が集まる理由がわかるような気がしました。

宮沢さんが手がけた音楽劇「望月の駒」のDVDを観て、演じる小学生へのアンケートと地域の人々への丹念な取材をもとに劇をつくり出す手法、故郷の伝説を継承し新たな世代への誇りとして伝えていく仕事ぶりに、感服しました。宮沢さんの仕事は、作品づくりであると同時に、地域づくり、人づくりであると……。

宮沢さんと同じ地域で同時代を生きることができて幸せだなあと思いました。

(取材・文・写真/キタハラマドカ)


宮沢あけみ(みやざわ・あけみ)

川崎市多摩区在住。あざみ野ガイアシンフォニー上映実行委員会委員長。シナリオライター、ドキュメンタリー映像作家、脚本家、演出家。シナリオライターとして円熟期の41歳で授かった娘・そらちゃんを妊娠26週・620gで出産。NICUで毎日カンガルーケアと授乳を続け、そらちゃんは障害も発達の遅れもなく、今では元気で幼稚園に通っている。著書にミラクルBaby 620gのそらが教えてくれること』(彩流社)がある。2008年、故郷である信州・佐久市の望月小学校開校記念全校音楽劇『望月の駒』の脚本と演出を担当した。

今月29日・30日にはアートフォーラムあざみ野で地球交響曲第三番を上映する。

 

http://www.ne.jp/asahi/azamino/gaiasymphony/top.html

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