兄と弟の絵本棚Vol.21『3びきのくま』
1歳の頃から森ノオトで紹介してきた、弟くんの好きな絵本。今月はいよいよ、3歳になります。3歳といえば、「自分の!自分で!」がすごく強くなる時期で、また一段と成長していきます。今月の絵本は、弟くんが自分の記憶をたどりながら、おうちで何日か探していた一冊、『3びきのくま』です。

ある日、読みたい絵本があったようで、絵本棚の前でウロウロと探し物をしている弟くんがいました。

 

どの本だろう??

母は、思いつく絵本を差しだしてみましたが、

「ちがうちがう」

と首を振り振り、弟くんは答えます。

 

結局見つけることもできずに、しょんぼりと他の遊びを始めました。

うまく答えてあげられなくて、母である私もいっしょにがっかり……。

 

そしてまた数日後、同じ場面が。

弟くんから出されるヒントは、同じです。

くまちゃんが、ごっくんごっくんする絵本! ……くまちゃんが出てくる絵本って、意外と多いのです。

うーん、やっぱり、わからない……。

 

一緒に困ってしまった母でしたが、その時、美味しそうなおかゆが冷めるのを待つくまちゃんの絵が、ハッと浮かびました。きっとこれ!

ごっくん、ごっくんとはちょっと違うのですが、おいしそうなおかゆから彼なりに膨らませた、想像の絵本の続き。

渡してみたら、大正解です。とってもうれしそうな笑顔の弟くんがいました。

こどもの笑顔は、育児中の母にはかけがえのないプレゼント! ですよね。

 

『3びきのくま』は、森の中で仲良く暮らす、でっかいおおくま、ちゅうくらいのくま、ちいさなごくまのお話。

3びきのおうちには、3びきそれぞれのサイズのおわんとスプーンがあって、いすがあって、ベットがあって、とっても素敵な暮らしぶりです。

ある日のこと、熱々のおかゆをおわんによそったくまたちは、おかゆをそのままに、しばし森へ散歩に行くことにしました。

そこへ、キャンディという女の子がやってきて、おかゆを食べあらし、いす、ベット、つぎつぎに自分の好き放題に、試していきますが……。

 

弟くんの朝の食卓で、熱々のごはんやお汁を置いて、ちょっと待っててね、ということが時々あります。

弟くんは、起きてすぐに「おなかすいた!」となるタイプの男の子。

炊きたてのご飯はとてもおいしいけれど、彼にはちょっと熱過ぎる。そんなある日の場面から、この絵本のことを思い出したのでしょうか?

彼に自分サイズのリュックサックを渡した時も、お店でお箸を選んでもらった時も、弟くんの喜び具合は最上のものでした。

1年生のお兄ちゃんがいることで、なおさら、「自分の!」へのあこがれが強まっているのもあるでしょう。

でも、2,3歳くらいの子こそ、「自分の」があることで、家族の一員として感じられて、とってもうれしく誇らしいんでしょうね。

 

3歳のお誕生日も、自分が主役で、とってもうれしい笑顔の弟くんがいました。

大好きな数字の3をケーキに描いて、ろうそくも3本!

これから、ますますいろんなことができるようになる、眩しい3歳の1年がスタートしました!

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この記事を書いた人
東海林更央莉ライター卒業生
山形出身で、元日本語教師、3児の母。森ノオトでは2011年より兄弟の成長と重ねた絵本の連載を続け、妹が増えた今は女子らしい視点が加わり多くの母親の心をつかんでいる。家族の趣味は旅行、食べ歩き、自然のなかで過ごすこと。編集長の中学校時代の同級生でもある。
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