ハンモックもある里山のリゾート? 子連れ大歓迎の癒しカフェ
里山の風景の美しい青葉区寺家町。四季折々の寺家の景色の中で、大人も子どももゆったりとした時を心ゆくまで味わえる場所があります。自宅の一部とその敷地をお店にして、大曽根薫さんが切り盛りしている〈アンティーク雑貨&ガーデンカフェ・GK Santa〉です。

横浜市青葉区寺家町。「寺家ふるさと村」の入り口から里山を望むと、山の斜面に色とりどりの旗が風に棚引く平屋が見えます。田んぼの間の道を行き、野花の咲く山の斜面の坂道を、奥に見える可愛らしいお庭とお店の佇まいに誘われるように登っていくと、アンティーク雑貨&ガーデンカフェのお店、GK Santaがあります。

急な坂道をためらわず車で登れば、お店の裏に駐車場も完備されている。4月には桜の花びらを敷き詰めた坂道になる

GK Santa1996年に雑貨屋さんとしてオープンしました。

店主の大曽根薫さんは、寺家町に嫁いできた当時は、夜はふくろうの鳴く声が聞こえてくる環境に、驚きと若干の戸惑いを感じたそうです。そんな薫さん、元々「山ガール」だったこともあり、今ではすっかり寺家ふるさと村の魅力にはまり、この豊かな自然を多くの人に味わってもらいたいと思っています。

木陰のガーデン席、海辺を思わせる白壁にアンティークの雑貨や貝殻の装飾に囲まれ、どこか遠くへ旅している気分になれる場所

店内のショーケースを除けば、まるで蚤の市に来たようなワクワク感

自然も好きですが、元々、大の雑貨好きだった薫さんは街で雑貨屋巡りをすることが至福の一時でした。子どもができて、育児の喜びを味わいながらも、子連れではなかなか行かれない街や雑貨屋さんへの思いが募っていきました。

そして薫さんは「ここ寺家町に、大好きなアンティークの雑貨屋さんを開こう!そうすれば、好きなものに囲まれた時間の中で自分も過ごすことができる」となんとも前向きな一大決心をしました。

そのとき、長男が1歳、長女になる赤ちゃんがお腹にいたそうです。

「いつかいつかと思っていたら始まらない! と思いました。育児との両立は大変なものでしたが、いつだってきっと大変なことはありますよね。今やろう! そう決意したあの日があって、ここまでやって来られました」と薫さんは話してくれました。

お店を照らす様々な灯りも居心地の良さを作っている

外国のアンティークカップから薫さんが使いやすさを実感している作家さんたちの器まで、長く使えるものをコンセプトにした品揃え

薫さんは子育てを経験する中で、特に「子どもを連れたお母さんが周りに気を使わずにのんびりと過ごせる場所」を作りたいという思いが膨らんでいったそうです。

「子ども連れのお母さんにこそ、ここでゆっくりリフレッシュする時間を過ごして欲しいと思っています。ですから、GK Santaは『お子様連れ大歓迎!』というスタンスです」と話す薫さんの笑顔は一段と明るくなります。

「子どもたちにもワクワクする一時を過ごしてほしい」と、お店の一角、子どもの目の高さの場所に、懐かしい雰囲気のお菓子や紙風船などが並ぶ駄菓子屋スペースがあります。GK Santaに来た子どもたちは、この小さな「お店」に目を輝かせます。

子どもに大人気のハンモック、定員オーバーにはご注意ですが……。「ここは幸い山の中、ご近所さんを気にせず、子どもたちにものびのび過ごしてもらって大丈夫ですよ」と薫さん

アンティークの雑貨屋さんとして開店して10年経った頃、お店を訪ねてくるお客さんから「こんな素敵な場所でゆっくりお茶ができたらいいなあ」という声を度々もらうようになったそうです。

もともと紅茶が大好きだった薫さん、「ここにカフェを開いて、訪ねてくれる人がゆっくり過ごせる場所を作ろう!」とまたまた一大決心をします。自宅の一部でやっていた雑貨屋さんにカフェスペースを増築しました。

「なんでも始めるととことんやってしまう性分で。お店に出すからには最高に美味しいお茶をお客様に味わってもらいたいです」と現在は紅茶マイスターの資格を持つ薫さん。丁寧に入れられたアフタヌーンティーやスパイスの効いたマサラティーは、寺家ふるさと村の景色と相まって、芯からほっとする味わいです。

ドリンクのメニューは他にも、ワインに自家製のシェイク、アフォガード、カフェオレボウルにたっぷりと入ったカフェオレなど豊富、写真付きのメニュー表を眺めるとワクワクしてしまいます。

秋のある日、「ランチ&アフタヌーンセット」(平日限定の予約セット)を友人と。この日の〈季節のデザート〉はイチヂクのタルトとかぼちゃのプリンでした

葉っぱ模様のカレーポットは薫さんが使いやすい形をデザインして、長野県で活動している陶芸家、相原秀夫氏に依頼して作ったもの。店頭で買うこともできる(写真提供:GK Santa)

食事のメニューは薫さんが何年もかけて納得の味を追求した「マサラカレー」や「和牛のカレー」、大曽根家の家庭の味から生まれた「パパパスタ」などがあります。

スコーンには「アルミフリーのベーキングパウダー」を、カレーに欠かせないにんにくは「土の栄養分をたっぷりと吸収したものなので土作りから気を使われている国産のもの」(薫さん)など、どのメニューにも「自分の子どもにも安心して食べされられる」という基準で選ばれたこだわりの食材が使われています。

ある秋晴れの昼下がり。GK Santaで採れた「禅寺丸柿」とこんがりやのパンが並ぶ店先

「今年はまだ鶯の鳴き声を聞いていませんね、そろそろ鳴き始める頃ですが……

「今日は裏庭であけびが採れたんです。よかったらお子さんと味見してみてくださいね」

「庭の朴木(ほおのき)が落葉し始めると、葉が落ちた時びっくりするくらい大きな音がして、面白いですよ」

お料理や飲み物を出しながら、さり気なく寺家の四季を感じさせてくれる薫さんの一言。

お店のシンボルツリーのもみの木。夜通りかかると緑色の可愛らしい灯りが点滅していることも

4月の2週目頃には庭に桜吹雪が舞い散り、格別美しい光景が見られるそうです。

この日は庭の壁に新しいオブジェを発見!店内、庭、いたるところに薫さんのDIYの腕が光る

いつ訪れても、誰と訪れても、時には一人でも、寺家の懐に優しく包まれたGK Santaでは、肩の力を抜いてリラックスできる一時を過ごせます。

お外が気持ちよくなるこれからの季節、ぜひ寺家ふるさと村を散策して、GK Santaでのんびり季節の風に吹かれてみてはいかがでしょうか?

ジブリの映画『紅の豚』に出てくるあのスパゲティーをいつかメニューにするのが今の夢の一つです!」と話してくれた薫さん。細腕一つで憧れを形にしていく寺家のパイオニア母さんから目が離せません

Information

アンティーク雑貨&ガーデンカフェ・GK Santa

住所:横浜市青葉区寺家町680(駐車場有り)

TEL:045-961-9271

営業時間 お昼から4

定休日:月曜と第1・3金曜日と第3土・日。(第3土・日に関しては予約状況で営業あり)

Santa’sガーデン

ファミリー層向きのアウトドアガーデン。バーベキューもできます。

季節によっても変わるので、SNSをご確認ください。

https://www.instagram.com/gk_santa/

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この記事を書いた人
南部聡子ライター
富士山麓、朝霧高原で生まれ、横浜市青葉区で育つ。劇場と古典文学に憧れ、役者と高校教師の二足の草鞋を経て、高校生の感性に痺れ教師に。地域に根ざして暮らす楽しさ、四季折々の寺家のふるさと村の風景を子どもと歩く時間に魅了されている。森ノオト屈指の書き手で、精力的に取材を展開。
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