農と食をつなぐ熱血報告

地元Love探検隊

北原 まどかwritten by

こどもの国すぐ近くに、青葉区で代々続く農家があります。三澤家のお嫁さん・百合子さんは、工房「口福」を立ち上げ、ラズベリーや桑の実のジャムや、梅の甘露煮などの加工品や、規格外の浜なしを焼肉のたれにして販売しています。(写真:大西香織)

 

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10/6(木)調味料講座!青葉区のお母さん作・浜なしを使った焼肉のたれ 三澤百合子さんを訪ねて

こどもの国の牧場口駐車場からすぐ、住吉神社の社叢林(しゃそうりん)が広がるすみよし台・奈良町は、青葉区でも数少ない鎮守の杜が残る緑豊かなエリアです。その緑に連なるように、古くからの農家が点在するこどもの国エリア。なかでもひときわ古い農家が三澤家で、お宅にうかがった際に、築150年はゆうに越す古民家の堂々たる柱梁に目を奪われてしまいました。

 

「昔は2階でおかいこさん(養蚕)もやっていたのよ」

と、にこやかに現れたのが、三澤百合子さん。農家のお嫁さんとして、総面積約2町歩(約6000坪)もの田畑と果樹農園を切り盛りして、自宅に併設している工房「口福」では季節の果樹や作物をジャムなどに加工して販売する、スーパーお母さんです。

 

三澤百合子さん。代々続く農家の三澤家は、古民家や土蔵が立ち並び、昔ながらの暮らしを垣間見ることができる

三澤百合子さん。代々続く農家の三澤家は、古民家や土蔵が立ち並び、昔ながらの暮らしを垣間見ることができる

 

8月初旬から9月下旬までは、浜なしの出荷のピーク。幸水、豊水、新水の浜なし3品種に加え、特定のお客様の声に応えて明水や菊水、長十郎なしなどを栽培している三澤家。ブランドなしとして有名になった浜なしには、毎年お得意様が多くついていますが、どうしても流通にのりにくい、キズがついたり形が小さいなどの規格外のなしを生かすことができないかと、百合子さんが15年ほど前に考えついたのが「浜なしの焼肉のたれ」です。

 

「以前、りんごで焼肉のたれをつくるレシピを見て、それならば浜なしでもやれるんじゃないか、と思ったんです。試しにつくってみたら、周りの皆さんに大好評で。それから毎年、浜なしの出荷の合間に工房で焼肉のたれをつくって、JAの直売所などで販売しているんです」(百合子さん)

 

材料も極めてシンプルで、浜なし、玉ねぎ、にんにく、しょうがに調味料。いずれも、三澤家の畑で採れるものでつくられています。

 

百合子さんの工房でつくる「浜梨の焼肉のたれ」。とてもジューシーでフレッシュな味わいは、一度食べたらやみつきに

百合子さんの工房でつくる「浜梨の焼肉のたれ」。とてもジューシーでフレッシュな味わいは、一度食べたらやみつきに

 

百合子さんからいただいた浜なしの焼肉のたれで、料理をしてみました。とてもジューシーで甘みがあって、果肉感たっぷり。焼肉だけではもったいない! というのが正直な実感です。シャキシャキレタスとトマトのサラダにたっぷりかけたり、冷奴にかけるのも美味しかったです。

三澤さんを紹介してくださったナチュラーレ・ボーノのオーナー・植木真さんは、「三澤さんの焼肉のたれは、ガスパチョの隠し味として使っています。味わいが深まってとても美味しいですよ」と。

トマトの冷製スープに焼肉のたれ! なんとも斬新ですが、さわやかな酸味と甘みは確かに夏の料理に合いそうです。

 

三澤さんは「植木さんは月に2回ほど、お米や野菜を取りにくるのだけれども、芋がらや切り干し大根やらを素敵なイタリアン料理に変身させてくれて、本当に驚かされます」と、感心しきり。地元の農家さんとレストランの幸せな関係がじっくり育まれているのを感じるエピソードです。

 

母屋の土間でくつろいでいると、大きな柱梁に囲まれ、安心感に包まれる。土間の奥には百合子さんの工房「口福」がある

母屋の土間でくつろいでいると、大きな柱梁に囲まれ、安心感に包まれる。土間の奥には百合子さんの工房「口福」がある

 

百合子さんは、神奈川県の生活技術指導士としても、多忙な日々を送っています。こんにゃくやおまんじゅう、お豆腐づくりなどを、農家のお嫁さんや一般の方々に向けて教えているほか、地域の小学校や幼稚園の子どものために、農業体験の受け入れもおこなっています。

 

「近所の3つの小学校の生徒さんを、毎年4-5回受け入れています。育ったなしを収穫するだけでなく、受粉や摘果、最後に畑の片付けなども手伝ってもらうことで、作物ができるまでのプロセスを一年かけて感じてもらいます」(百合子さん)

 

年に4-5回、3校の小学生を受け入れるのは、日程調整から準備、後片付けまで、想像するだけでたいへんな仕事だと感じます。だけど、「青葉区でも奈良町や恩田エリアは、都市部でも農業が身近で、野菜や果物が育つのを目の当たりにできる、恵まれている環境だから」と、子どもたちのために労を惜しまない百合子さんの姿に、頭が下がるばかりです。

 

百合子さんの工房では、焼肉のたれだけでなく、桑の実やラズベリーのジャム、梅の甘露煮、ヤングコーンの瓶詰めなど、さまざまな加工品をつくっている。JAの直売所などで手に入れることができる

百合子さんの工房では、焼肉のたれだけでなく、桑の実やラズベリーのジャム、梅の甘露煮、ヤングコーンの瓶詰めなど、さまざまな加工品をつくっている。JAの直売所などで手に入れることができる

 

森ノオトでは10月に、百合子さんを講師に招いて、「浜なしの焼肉のたれ」の作り方を学ぶ「地産地消の調味料講座」を開催します。地域の農家さんの秘伝のたれづくりを学びながら、浜なしの味わいたっぷりの美味しいレシピを味わいませんか。

インフォメーション

10/6(木)調味料講座!青葉区のお母さん作・浜なしを使った焼肉のたれ 三澤百合子さんを訪ねて

平成28年度 消費生活協働促進事業(横浜市経済局)

横浜産の調味料で地産地消と食の安全を学ぶ講座

調味料のお話・エコクッキングのデモ・横浜の調味料を使ったランチつき

第1回 2016年8月23日(火)

塩糀(しおこうじ)

講師:川口恭さん

瀬谷区で文政年間からのれんを守り続ける瀬谷の川口糀店。どんな素材も美味しくなる塩糀の魔法の味わいにはどんな秘密が!? 農業も実践する9代目の川口恭さんの熱い語りにご注目!

第2回 2016年9月15日(木)

醤油(しょうゆ)

講師:筒井恭男さん

横浜に一軒だけの醤油屋さんが、神奈川区にあります。一度食べたら忘れられない味は、じっくり時間をかけてつくられます。マルハマ印の横浜醤油を、今日から食卓の定番に!

第3回 2016年10月6日(木)

浜なしの焼肉のたれ

講師:三澤百合子さん

横浜の名産・浜なしを贅沢に使った焼肉のたれ!青葉区の農家のお母さん直伝のたれを実演していただきます。

コーディネーター:大西香織(森ノオト料理部)

時間:10:00-12:30

料金:各回3,500円

定員:15名

会場:「古今」ショールーム(神奈川県横浜市青葉区青葉台2-32-5)

東急田園都市線「青葉台」駅より徒歩10分 ※公共交通機関をご利用ください

申し込み方法

参加希望回、氏名、生年月日、住所、電話番号、E-mailアドレス、参加の動機を記入のうえ、event@morinooto.jpまでお申し込みください。通しでのお申し込みも可能です。

主催:特定非営利活動法人森ノオト

〒227-0033 横浜市青葉区鴨志田町818-3

TEL 045-532-6941 / FAX 045-985-9945

共催:横浜市経済局

協力:ナチュラーレ・ボーノ、大ど根性ホルモン

ライター紹介

北原 まどか

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山形出身で月山から名前を受ける。2004年より青葉台暮らし。地域新聞記者・エコ住宅雑誌の編集部を経てフリーに。地球温暖化対策専門メディアの取材班、生協の広報、地域情報雑誌の編集など、暮らし・食・子育て・地球環境・エネルギーをテーマに執筆活動を行う。2009年に長女を出産後、地域で仕事をつくり、つなごう!と、『森ノオト』をスタート。3.11を機に足下からのエネルギーシフトを目指す市民団体「あざみ野ぶんぶんプロジェクト」を立ち上げ、活動は市民電力会社「たまプラーザ電力」へと続く。著書に『暮らし目線のエネルギーシフト』(コモンズ刊・2012年)がある。  ■オフィシャルサイト「http://tecology.strikingly.com

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