
2009年、5月の下旬、一般の方、親子を対象にした「米を作ろう!稲作体験」の「田植え」を迎えた。2月下旬から行ってきた田んぼの準備の仕上げとして、前日に「代かき」をした。
水の溜まった田んぼをトンボでかき混ぜていると、まだ、少し土の塊が残っていて引っかかってくる。つぶして、踏んで、ならして。苗を植える時に気になる凹凸を、できる限りなくしていく。土をかき混ぜる時にする、ザァー、ザァーっという音とともに、小波が立つ。それがゆっくりとおさまっていくと、土も平坦に均されている。
田植えの当日は、ちょっとうす曇り。作業をするには、気温も高くなくちょうどいい。2、3人ずつの集団で、ポツリポツリと参加者が集まってくる。顔なじみの方、初めての方など、総勢80人ぐらいの参加になった。受付は、NPO会員のみなさんが手伝ってくれている。
田植えの前に、苗の植え方を説明した。苗は1、2本で、植える深さとともにコツを伝える。この深さは、とても気になるものだ。浅いとすぐに抜けてしまいそうで、深すぎると水面から苗が少ししか顔を出さない。土の表面も、トンボでならしたとはいえ、多少残っている凸凹が影響し気になって仕方がない。植える深さのコツがつかめないと、植えるのに時間がかかってしまう。横一列に張られたひもの目印にそって、みんなで植えていくので、時間が気になるというのもある。
1、2本の苗をヒョイっとつまんで、グイグイと埋め込み、土をソッと寄せる。この一連の作業に、知らず知らずのうちに集中し、徐々に慣れてくる。気が付くと、スピードも上がり、植えられたスペースも広がっていく。その頃には、余裕が出てくる。
それぞれ、自分に向かってかけ声をしたり、隣の人に話しかけたり、子どものフォローをしたり、という光景が目につくようになる。途中、厳しい顔になっていた人たちの表情も、柔らかい笑顔になっている。
わずか1時間半程度の「田植え」だが、この時間の中に、多くの人の変化があるようだ。程度の違いはあるものの晴れやかな顔で帰っていく人たちを見るのは、とてもうれしく思う。
(写真/北原健祐)

余裕が出てくると交流がはじまる
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いーじー田中(田中英司・たなかえいじ) |
| NPO法人農に学ぶ環境教育ネットワーク事務局長。2004年、田植えの援農に初参加。2008年、NPOの活動本格化とともにNPO正会員として農作業に参加、事務局としても汗を流す。本業は広告・プロモーションの企画・制作・実施のプロデュース業務。本業の経験を生かし、「自分を表現してみたい人、応援プロジェクト」始動・活動中。 | |
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