2016summer! 森ノオトのリポーターの夏休み
気がつけばもう9月。夜には鈴虫の声が聞こえ、秋の足音を感じますね。夏の終わりに、森ノオトのリポーターたちの夏休みの思い出をいくつかご紹介します。沖縄、福岡、飛島、五箇山、小豆島、相模川……各地の美しい写真とともにお楽しみください。( text:佐藤夕蘭)

 

夏休みは子どもを連れての帰省が定番! 森ノオトエリア在住のリポーターたちも、出身は様々。まずは、それぞれのふるさとのエピソードからご紹介します。

 

<沖縄の自然の中で家族と過ごす 〜宇都宮南海子さん〜>

 

トップバッターは今年からリポーターになった「なみちゃん」こと、宇都宮南海子さん。名前の通り、南の海、沖縄県出身です。第二子をお腹に抱えての帰省でのんびり過ごしながら、故郷の自然とたわむれるご主人と息子さんの姿に感動したそうです。

 

 

宇都宮家の夏休みは、私の地元の沖縄県東村に帰省してきました。那覇空港から車で2時間ほど北上した、「やんばる」と呼ばれるエリアにある「東村」が私の故郷です。

 

妊娠7カ月になりグッと膨らんできたお腹を抱えた私は、実家の空気に甘えながらのんびり。主人は、釣り名人である私の父から伝授してもらい毎朝釣りへ。家の目の前の海で毎朝3、4匹釣り上げ、朝ごはんに刺身を食べる、という贅沢な自給自足生活を堪能していました。息子は毎朝起きるやいなや「川に行きたい!」と叫び、じいじとばあばを引き連れて近所のあちこちの川へ。4歳にしてシュノーケルを習得して、川でグッピーやエビ捕りに興じていました。

 

海も山も川も、すべて私が幼い頃よく遊んでいた場所。いわゆる観光地には興味のない息子と主人が「東村さいこー!」と言って、私が育った自然の中で生き生き楽しんでいる姿を見て、グッときた私でした。「また沖縄で暮らす日が来るだろうなぁ」と予感する帰省にもなったのでした。

<福岡で幸せを実感する 〜牧志保さん〜>

 

同じく今年からリポーターになった「しほちゃん」こと牧志保さんは、福岡の実家でゆったりと過ごす中で、大切なことに気がついたそうです。私もとても共感してしまいました。

 

 

今年の夏は8月に入ると同時に私の生まれ故郷である福岡へ帰省しました。
九州は連日猛暑日。昼間の外出は避け、出かけるのはもっぱら夕方以降です。夕食を済ませ夕日を見ながらの海水浴、一番星を見つけながら公園を散歩。あふれる緑に癒され、美味しい魚介類に幸せを実感する毎日。
特別なことは何もない日々でしたが心からリラックスできました。

 

そして今回、私は実家での何気ない生活に、少しずつ肩の力が抜けていくのを感じました。

 

実家の冷蔵庫には甘く美味しそうなものがたくさん。普段の私は甘いものは止めておこうと、お菓子を買うのを我慢しています。
夜は皆でテレビを囲み楽しくオリンピック観戦。横浜の我が家にはテレビはありません。
お風呂で髪を洗いながら、いい香りのシャンプーにふーっと肩の力が抜けていくのを感じました。普段使っているシャンプーはあまり泡立たない、香りのないシャンプーです。

 

シンプルに健康的な生活を送っていると満足していたはずの私ですが、遊びの要素がない生活に少しだけ疲れを感じていたようです。
そんな小さなことに気付かされた休暇でした。

 

横浜に戻り、これからは改めて生活を楽しむことを始めようと思います。
些細なことですが、まずは久しぶりに好きな音楽をダウンロードしようと思います。

<五箇山の田園風景を堪能 〜梶田亜由美さん〜>

 

今年からリポーターかつ、事務局の敏腕スタッフとして活躍中の「あゆみちゃん」こと梶田亜由美さんは、富山県の出身。かの有名な「五箇山」が実家から近いそうです。羨ましい!!

 

 

梶田家の夏休みは、息子と私のふるさと、富山へ里帰り。
実家から、富山県南砺市の合掌造り集落・五箇山まで車で約30分。姉一家と7人で、小さな世界遺産の集落を数年ぶりに訪ねました。菅沼集落は、富山と岐阜の3つの合掌造り集落の中で一番小さく、のどかな田園風景が広がっています。

 

「合掌造り」というのは、湿気の多い重たい豪雪にも耐えられるような藁葺きの屋根の形をしていて、手を合掌しているように見えることから、そう呼ばれています。

 

澄み渡る青空に藁葺きの屋根、井戸水のきらめき、田んぼの緑、生い繁るキバナコスモス……自然が織りなす色の美しさに、すーっと心が澄み渡るような思いでした。家々の軒先には季節の花々が育てられ、区画の小さな田んぼには丁寧に植えられたお米。ここに暮らす方たちの営みが、美しい集落を守っているんだと感じました。

 

私が感動している間、遊び疲れた2歳の息子はおじさんの抱っこで眠ったまま。もう少し子どもが大きくなったら、夏休みにみんなで立山登山をするのが私の夢です。

<山形県唯一の離島「飛島」を知る 〜北原まどか編集長〜>

 

森ノオト編集長、「まどかさん」こと北原まどかさんは、山形県出身。毎年帰郷しつつも実家で過ごすのは僅かで、取材を名目に県内あちこちを旅するのがメインなのだとか! さすが編集長!
今年は、「飛島」という離島に行ったそうです。

 

 

キタハラ家の夏休みは、毎年、山形の実家へ帰っています。山形市の中心部(山形県は人の横顔のような形をしていて、山形市は頬骨くらいの位置にあります)にある実家で過ごす時間は少なく、毎年テーマを決めて、県内各地を取材旅行しています。

 

今年は、日本海側でかつて北前船の貿易で栄えた酒田港からフェリーで1時間半のところにある、県内唯一の離島「飛島」へ行ってきました。
飛島は周囲10.2km、人口220人の小さな島です。この3年で20-30代の若者7名がUIターンして移り住み、島のカフェ「しまかへ」の運営や島内ツアー、特産品の開発と販売などを手がけ、島の活性化に一役買っています。

 

実はわたしの大学時代の友人が酒田市にある大学で農業環境学を教えていて、研究のフィールドとして飛島の離島振興に関わっています。友人から15年来、飛島との関わりを聞いていたので、いつか訪れたいと思っていました。

 

離島に流れ着く漂着ゴミをクリーンアップするボランティアや、新潟県の粟島等との離島交流、島ターン(離島に長期滞在し島の暮らしを学ぶ)等の新しい取り組みが進んでいます。

 

飛島にはコンビニもスーパーも病院も信号もなく、夜は星がとてもきれい。
海からの魚介類と畑の作物でほぼ自給自足的な生活をしています。平均年齢は70歳、高齢化著しい島で、UIターンの若者の活躍は、外来者のわたしたちが島を応援する大きな動機になりえます。

 

小学校2年生の長女にとって、島に小学生が1人しかいないことが衝撃的だったようで、長女は我が身に置き換えながら島での暮らしを一生懸命想像していました。

 

たった24時間の滞在でしたが、家族でいろいろなことを感じ、考え、歩き、語った、貴重な島時間でした。

<地元神奈川の水の恵みを味わう 〜南部聡子さん〜>

 

今年からリポーターになった「さとちゃん」こと南部聡子さんは関東出身。地元への愛が深いさとちゃんは、数々ある夏の思い出の中から、相模川での素敵な一日のエピソードをよせてくれました。

 

 

とりわけ暑い日、魚が大好きな4歳の娘と、魚釣り大好きな5歳の息子と相模川ふれあい科学館へ。体験型の学習展示が多く、子どもたちはハンドルを回すと魚の生涯が点滅する仕掛けや、相模川にいる魚のスタンプでハンカチ作りなどに夢中でした。川面を眺めているだけでは知り得なかった美しい水源、豊かな川の生き物たちを改めて知り私も感動しました。

 

相模川ふれあい科学館を後にして、おにぎりや飲み物を買い足し、相模川自然の村公園へ。
さっそく網を揚々と担いで、公園内のせせらぎをじゃぶじゃぶと一周してきた息子、「この水は自然の中につながってないから魚がいないよ!」

 

木陰のせせらぎに後ろ髪引かれつつ、公園から出て、草いきれの中を歩き、かんかんに乾いたごろごろっとした石を踏み、午後の光りが溢れかえる相模川へたどり着きました。根気強く川面を見つめる息子の背中を見ながら、ふと川向こうの丹沢山地に目をやれば、山の上の空の色はことさら青が濃く感じられました。

 

息子が魚影を3匹目撃し、川エビをすくい、ようやく満足気に顔をこちらに向けたので、時計を見ると夕方5時。汗を流すべく、橋本の天然温泉湯らの里へ寄りました。露天風呂の薄くやや茶色の源泉をすくっては「透明になるね」という娘と、暮れゆく夏空を見上げました。地元神奈川の水の恵みをたっぷり味わえた1日でした。

<香川県小豆島へ 子ども3人+母一人の旅 〜ながたに睦子さん〜>

 

最後のエピソードは、昨年冬に3人目の赤ちゃんが生まれた、「むっちゃん」こと、ながたに睦子さん。なんと、一人で子ども3人連れて、小豆島まで行ったそうです。母は強し! その目的は……?

 

 

ながたに家の夏休み。大阪に住んでいる友人母子と一緒に、小豆島に旅してきました。友人のお母さんが育った場所とのことで、以前から友人に「のんびりするには良い所だよ」と言われていて、いつか訪れたいと思っていたのですが、念願かないました。

 

が、なんとこの旅、0歳、2歳、8歳の女児3人を、私一人で連れて旅するという、いささか無謀な旅……。朝は、新幹線の駅まで夫に送ってもらったものの、夫と離れ、いざ母+子ども3人になると急に心細くなり、無事に大阪まで着けるか……とドキドキしながら新幹線にのっていました。

 

そして無事、大阪で友人親子と再会できました。
翌日、神戸港からフェリーにのり、小豆島へ。フェリーは朝6時発だったため、なんと午前3時半起き。熟睡している子どもたちを起こし、着替えさえ、車に乗せ、なんとかフェリーに乗ったときにはすでにどっと疲れが……。それでも、私も子どもたちも、フェリーは初めての経験なので、物珍しくてうろうろ探索。私たちが乗ったジャンボフェリーは、昭和の香り漂うインテリアで、なんだかちょっとタイムスリップした感じです。女性専用ルームや、キッズルーム、ゆったり座れる座席や、ごろんと寝っ転がれる和室、軽食が食べられる売店などもあり、長女は自由に読めるマンガの棚に夢中でした。船のデッキで浴びる風は気持ちよく、朝日を浴びた明石海峡大橋も見え、3時間の乗船時間はあっという間に過ぎました。

 

小豆島についてからは、瀬戸内海の美しい海で遊び、ホテルのプールで遊び、島の名産を使ったおしゃれなジェラート屋さんに寄り(醤油ジェラートが絶品)、醤(ひしお)の郷という小豆島名産の醤油の蔵を訪ね、オリーブ園を横目に通り過ぎ……1泊2日の短い滞在でしたが、いろいろと満喫できました。

 

正直いって、子ども3人を連れての旅行は、大変なところもたくさんありましたが、友人に助けられ、そして小3のお姉ちゃんもだいぶ頼りになり、行く前に想像していたほど、しっちゃかめっちゃかの旅行にはなりませんでした。大人としてはまだまだ見たいところもたくさんあったけれど、それはまたの機会のお楽しみ。

 

そして何より、私は久しぶりに遠方にいる友人に会え、おしゃべりを沢山してリフレッシュ。母2人に子供5人というなかなか不思議なメンバーでの旅は、普段の家族旅行とはまた違って、とても思い出に残る旅になりました。長女は自由研究にこの旅日記を書いていて、撮った写真を一緒に見ながら思い出話をするのも、また良い時間でした。そして友人とは、「いつか、女二人でまた小豆島を旅しよう!」と、そんな約束も交わしたのでした。

<関東平野の広い空の下で考えたこと 〜岩田夕蘭〜>

 

リポーターのみんなの夏休み、いかがでしたでしょうか。
最後に私の地味なお話を。

 

今年の夏は夫が多忙につき海も山もなく、一泊二日で3人の子どもたちと茨城の実家に帰省したのみでした。
筑波山のふもと近く、田んぼが一面に広がり関東平野を感じる田舎に引っ越してきたのは、私が8歳の頃。地元の小学校に通っていた時にはそれなりに友達はいたものの、私立の中高に通っていた6年間は地元の人達とのつながりは、ほぼ皆無。家に帰れば、友達と会うこともなく、ひたすら広い空をよく眺めていたものでした。
そんなわけで、故郷の風景に愛着はあるものの、未だに実家界隈の地域のことをよく知りません。

 

でも今住んでいる地域では、好きなお店、地元のお野菜、魅力あふれる人たち……を少しずつ知って、心の中に「地元愛」が着々と育ってきているのを感じています。
今では、家の近くに好きな場所があり、好きな人たちがいる、そのことに改めて気がついて、少し嬉しくなった今年の夏でした。

 

コキアといえば、私の出身の茨城にある「国営ひたち海浜公園」が名所! 秋には真っ赤に紅葉して、それはそれは見事な景色になります。が、これは我が家の庭に群生したコキア。今年の春に3本植えたら、庭中に増えたそうで、すごい生命力!!なんだか勇気づけられました!

 

特に旅行のなかった今年の夏、私はリポーターのみんなのエピソードや写真にともて癒されました!
それぞれの夏のとっても素敵な風景が、読者の皆様にも伝わっていたら嬉しいです。

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