ハチミツやさんへようこそ!これぞ本物、「まじめな蜂蜜」
リポーターの山田です。ふと訪れたマルシェで、都筑区に拠点を置く(株)日本食品代表の横山さんと出会いました。その名の通り、まじめに採られた「まじめな蜂蜜」というハチミツを販売している会社です。森ノオトエリアにこういう会社があることが本当に嬉しくて、おっかけのように取材してきました。(Text:山田恵里佳)

それは偶然の出会いでした。

4月のとある金曜日、仕事で訪れた二俣川駅(旭区)では、構内でマルシェが開かれていました。

無農薬野菜に天然酵母パン、魅力的な店が並ぶ中で、私の目が釘付けになってしまったのはハチミツ屋さん。実は私、ハチミツには目がないのです! 花に吸い寄せられるミツバチのように、そのお店に吸い寄せられていった私。店頭でハチミツの試食を勧めて下さったのが、(株)日本食品代表の横山繁さんでした。

 

以前は商社駐在員として、世界86カ国を飛び回っていたという横山さん。今はミツバチの花を求めて、日本全国を駆け回っています

 

「ほら、おなじハチミツでも花の種類によって香りが違うでしょう」

様々な花のハチミツを順々に試食させてもらいましたが、ほんとにその通り! それぞれの花の香りがハチミツに凝縮されていて、口に含むとまるで目の前に花畑が広がるようなのです。花によってこんなに味と香りが違うとは! ハチミツ大好きの私でしたが、これははじめての経験でした。特に香りの高い桜には惚れ惚れしました。

「この桜の蜜は大人が楽しめる香りなんです。お子さんにはリンゴが好まれますよ。大人と子どもの味覚の違いが面白いのです。熊野水木のハチミツは4年に一度しか採れないのですよ。北は北海道から南は沖縄まで、日本全国の花を追って蜂とともに移動しているんです」

横山さんの蜂蜜談義はとても面白く、ついつい聴き入ってしまった私。そして何より、その味の虜になってしまったのです。また買いたい! と思った時にどこで買えるのか聞いてみると、

「実店舗はないのです。ホームページで買えますよ。本社は都筑区なのですがね……」

都筑区?? よくよく聞いてみると、なんとうちの近所でした!

これはご縁! もっとハチミツのお話を聞きたい。

……という訳で本社までお邪魔して、あらためてお話をうかがってきたのです。

 

魅惑のハチミツ! 「お肉にもサラダにも合いますよ。ハチミツはお料理でもいろいろな使い方が楽しめます。これからはジンジャーエールなんかもいいですね」と横山さん。やってみたい!

 

私はただただハチミツ好きなだけ、どこかで「体にいい」とも思っているのですが、その理由を実はよくわかっていませんでした。

「ハチミツは“天然の抗菌剤”と言われているのですよ。ハチミツの糖度は78-80度がベストと言われています。甘いなあ、と感じられる果物で13-14度ですから、口にすればその違いは歴然ですよね。ハチミツの糖度では細菌が生きていけないので、本物のハチミツならば1000年でも2000年でも腐らないと言われています。ただ、市場に出回っているハチミツは人工的に糖分が加えられたり、加熱処理されて酵素が死んでしまったりしているので、どのハチミツでも腐らない、という訳ではないのですが」

ミツバチは胃に花の蜜を貯めて酵素を出し、その酵素で糖分を分解させて複糖から単糖にするのだそうです。その酵素がハチミツに残っているかいないかが大きな違いなのですね。細菌の生きていけない糖度であり、その上酵素が含まれるハチミツは口内炎、やけど、擦り傷にいいと、昔から言われてきました。

「“まじめな蜂蜜”は、採蜜したら一斗缶に入れ、そのまま冷凍保存しています。一切加熱処理をせずに瓶詰めしているのですよ。だから酵素が生きたまま残っているのです」

ふと、以前から気になっていた「最近ミツバチがいなくなっている」ことについて横山さんにお聞きしました。本当にいなくなっているのですか?

「はい、本当なんです」

 

ニホンミツバチの巣。マタギは猪肉を腐らせないために昔からハチミツを使ってきた。マタギから譲ってもらっているというニホンミツバチのハチミツも売っていた

 

「蜂にはニホンミツバチとセイヨウミツバチがいて、養蜂家は4−5kmも飛べるセイヨウミツバチを飼っています。セイヨウミツバチは人間との付き合いも長く、実は家畜扱いされているんです。セイヨウミツバチは自分たちのエネルギーとして蜜を、育児のための花粉を集めるのと同時に、人間のために農作物の受粉をするという大事な仕事を担っています。そんな訳で養蜂家と農家はgive and takeの関係なのです。私たちは有機・無農薬栽培をしている農家さんと提携しています。というのも、ミツバチを見れば、農薬を使っているかどうか、すぐにわかるからなのです」

昔は一般的に、殺虫剤として有機リン系の農薬が使われていて、それが果実の外側に付着して白っぽく残るため見分けがつきやすかったと言われています。でも10数年前から安全な農薬という謳い文句で、有機リン系の農薬からネオニコチノイド系に取って代わられるようになりました。ネオニコチノイド系農薬は神経機能を阻害するという有害性が近年指摘されるようになり、ミツバチへの影響も大きいと社会問題になっています。「ミツバチが減っている!」という噂には、こうした背景があるようです。

横山さんは、太陽食品という自然食品を販売している会社の社長さんと出会い、そこから有機・無農薬栽培農家さんとのネットワークが広がっていったそうです。太陽食品本社は我が家の近所で、私もよく買い物をします。そのご縁で日本食品の事務所がセンター南になったのです。

今、横山さんがずっとやってみたかったという、「採蜜体験」ワークショップの準備が進められています。

巣から味わうハチミツの味は格別なのですって! 以前、大人を養蜂場へ連れて行った時、はじめはミツバチを怖がっていたのに、巣からいただくハチミツの美味しさに心奪われて、結局ガードを取り払ってなめ続けていたほどだったとか(笑)。

人間が悪さをしなければ、ハチは攻撃してこないのです。

「ヨーロッパでは幼稚園児が先生と一緒に養蜂場までハチミツを買いに行く授業があります。そこでは、ミツバチの一生をオーナーが説明しているんです。店の裏にいくと、巣箱があってハチミツを搾るところまで見学できる。おもしろいな、と思っていました。ぜひ、ここ横浜でも、ミツバチを見てハチミツを味わって、本物の自然体験を子どもたちにさせたいのです」

横山さんが開催する採蜜体験のワークショップ、息子とぜひ参加してみたい!と思いました。

 

我が家で購入した2種類のハチミツ。やっぱり息子はリンゴ好き。イラストを見て、自分でリンゴを選んでくる。桜の方は「はい、かーちゃんの」と母へお届け。こういう味覚体験も実は貴重な自然体験の一部だと感じた

 

ついつい盛り上がってしまった蜂蜜談義、いかがでしたでしょうか。まだまだ書ききれないほどですが、ひょんなことから地元でつながったご縁、ハチミツ好きの私にとってはかけがえのないものになりました。そして森ノオトエリアに、また誠実で素敵な会社があることを嬉しく思いました。横山さん、ありがとうございました!!

Information

国産100%・純蜂蜜「まじめな蜂蜜」

http://www.majimena-hachimitsu.com

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