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松山ちかこwritten by

リポーターの松山ちかこです。私がお産でお世話になった、青葉区にある助産院バースあおばの助産師である上野典子さんが、時々「お産カフェ」なるものを開催していると聞きつけ、取材に行ってきました。会場は、青葉台にあるパン屋さん「ベーカリーカフェ COPPET」です。

 

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バースあおばの助産師 上野典子さんによる「お産カフェ」に行ってきました。

病院勤務を5年経験した後、助産院バースあおばへ来て6年目になる「のんちゃん」こと、上野典子さん

病院勤務を5年経験した後、助産院バースあおばへ来て6年目になる「のんちゃん」こと、上野典子さん

 

産まれも育ちも茨城県。「茨城大好き!」という、現在33歳の上野典子さんは、いつ会ってもとびっきりの笑顔が魅力的な助産師さんです。私が今6歳の長女を出産したすぐ後くらいからバースあおばに研修で通うようになり、会うといつも「ちかちゃん!」とニコニコ声をかけてくれます。それは私に限ったことではなく、上野さんは他のお母さんたちとも名前で呼び合う気さくな関係を築いていて、お母さんたちからは「のんちゃん」と呼ばれることもあります。

 

お姉さんと弟さんのいる、三人兄妹の真ん中として育つ。お母さまからはお産の時の話をよく聞いていたのだとか

お姉さんと弟さんのいる、三人兄妹の真ん中として育つ。お母さまからはお産の時の話をよく聞いていたのだとか

 

社交的でハキハキとした性格の上野さんが、助産師という仕事を選んだのは、弟さんが1090gの未熟児で産まれ、NICU(新生児集中治療室)に一緒に母乳を運びに行った時の記憶や、そこでの看護師さんとの出会いがあったからだと言います。

 

まだ暖かく、過ごしやすい気候が続いていた10月30日、この日開かれた「お産カフェ」は、青葉台にあるベーカリーカフェ・コペのイートインスペースでおこなわれました。参加者は10名に小さなお子さんたちで、まだ妊娠のタイミングではない方もいれば、妊婦さん、助産師、産後ドゥーラ、タオライアーという楽器の奏者、マクロビオティック料理教室を開いている方、バースあおばで出産した方、バースあおばで出産を希望していた方、などなど……さまざまな顔ぶれが集まりました。

 

そもそも、この「お産カフェ」とは一体何をするの……?

 

参加者の自己紹介にもたっぷりと時間を使います

参加者の自己紹介にもたっぷりと時間を使います

 

上野さんのお産カフェでは、助産院や自宅出産でのお産の話、妊娠中のこと、産後のこと、女性の体のこと、母乳育児のことなど、お産や赤ちゃんにまつわる話を伝えているお茶会です。そこには、お産をする時の場所として、病院だけではなく、助産院や自宅分娩も選択肢の一つになれば、という願いも込められています。

 

助産師として働く中で、さまざまな経験を踏み、学んできたことを一人でも多くの人たちに伝えたい。病院と助産院、自宅出産でお産を扱ってきた中で経験したこと、赤ちゃんの生命力について、妊娠中の体づくりの大切さについてなど、どの話題も聞く人を惹き付けます。

 

「妊婦さんに限らずそうだけど、体にいいものを入れるよりもまず出すこと。だから呼吸の“吐く”ことも大切で、お産の時に、丹田と呼ばれるおへそから9cm下の場所を意識しながら呼吸をすると、安産につながる」「お産の時に赤ちゃんの心音が下がった時にも、酸素マスクをする前にゆっくりとした深い呼吸をサポートしてあげながら息を吐ききってもらうと、心音がパアッと戻ってくる」という、“呼吸”の話の流れから、次のようなエピソードも。

 

「富士山登山で呼吸が苦しくなった時に、何かいい呼吸法はないかと思い、ラマーズ法の“ヒッヒッフーウ”を試してみたら頭がクリアになった。これは理にかなっていると実感した」というエピソードが続きました。上野さんの実体験に基づく話は、時折ユーモアが混ざりながらも、一つひとつに説得力が感じられます。

 

もともとエネルギッシュな上野さんの想いは、その熱さとは裏腹に、癒しと希望に満ちた空間をつくり出していました。

というのも、上野さんは自分の話を伝えることよりも、参加者の人たちからの言葉と気持ちを引き出すことも大切と考えていて、それが場の良い雰囲気をつくっていたようです。(これも「出す」ということを促す、きっと助産師さんの得意とすることなのですね。)

 

この日の参加者からは「次も産みたいと思った」、「3人は絶対に産みたい」、「上野さんの話していたような、赤ちゃんが自分の意志(産まれたいという意志)でスイッチを入れるタイミングを見守るようなお産がしたいと思った」、「次の妊娠が今から楽しみ」など、お産に対してポジティブな意見を多く聞けました。この少子高齢化の時代にこうした声が次々に出てくるなんて……。

 

小さな赤ちゃんたちもみんな穏やかに、一緒に話を聞いていた

小さな赤ちゃんたちもみんな穏やかに、一緒に話を聞いていた

 

そもそも、お産カフェの始まりは、上野さんがお母さんたちが開くサークルに招かれ、お産の話をしたことだったそうです。その時に、「ああ、こういうことがやりたかったんだ」と思った上野さん。それからご縁がつながり、現在は青葉区にあるおいしいものをいただけるお店を中心に開催をしています。

 

「女性ってやっぱり、おいしいものを食べながらおしゃべりするのが大好きでしょ? それにお産カフェを開くことで、開催場所のお店のことも知ってもらえる機会になるかなと思って」と、上野さんは地域のつながりをつくっていくことにも力を注いでいます。

 

また、青葉区内には助産院が3カ所あります。これは他の地域に比べて数が多いと言われています。自然分娩を望んでも近くに叶う所がないという人たちも多いなか、身近に助産院があるとのはとても恵まれていると言えるのです。

 

さまざまなお産の方法があるということを、知っていて“選択しない”ことと、知らなくて“選択できなかった”のでは、大きな違いがあると思います。

 

上野さんも「(お産や助産院について)もっと早く知っていたらよかった」と言われることもあるそうです。それでは遅いのだと感じ、本当はこうしたお産の話を高校生のような若い世代に話をしたいと思いつつも、現在は妊娠が身近な女性を中心に話をしているということです。

 

お産カフェの間にタオライアーの演奏も。そのやさしい音色にみんなが癒された

お産カフェの間にタオライアーの演奏も。そのやさしい音色にみんなが癒された

 

お産カフェの最後に、バースあおばでお産をした方の写真を紹介しながら、その方々がどんなお産をしたのかを上野さんは話してくれました。どういう経緯で助産院に来ることになったのか、妊娠中をどのように過ごしていたのか、陣痛中にはご主人とどんな会話をして、最後はどういうお産だったのか……

 

ここでも参加者全員が上野さんの語りに聞き入り、まるで一緒にお産に立ち会っているかのような感覚になったり、自分の時のお産を思い出したりした方もいたりして、最後はほとんどの方の目から自然と涙があふれていました。

感動と、なんともいえない満ち足りた幸福感を覚えたのは、きっと私だけではないはずです。

 

Beautiful smile! Beautiful family!

Beautiful smile! Beautiful family!

 

お産カフェが終わってから、上野さんにひとつ質問をしてみました。

 

「なんでお産の話ってみんなこんなに感動するのだろう?」

 

すると上野さんは答えてくれました。

 

「産むか産まないかはそれぞれの選択だけど、誰もがみんな子宮から産まれてきたからなんじゃないかな。みんなお産を経験しているからだと、私は思う」と。

 

たしかに私たちは、みな母親の子宮を通じて今、ここに存在しています。記憶にはないけれど、確かにそこにいたわけです。もしかしたら遺伝子レベルでその時の記憶がどこかに眠っているのかも、しれませんね……? 上野さんの答えに妙に納得してしまいました。

 

妊娠中、育児中の女性だけでなく、これから妊娠を考えている方、これからご結婚する方、なんとなく興味を持った方など、どなたでもご参加いただけるという上野さんのお産カフェについての情報は、下記のInformationをご覧ください。同じ助産師さんにも話を聞いてもらいたいそうですよ。

 

産院以外で助産師の話を聞いたり、気軽に相談できるような機会にぜひ参加してみてくださいね。奥深いお産の話は、他ではなかなか聞けませんよ。それに何より、のんちゃんの笑顔とパワーに元気をもらえておすすめです!

 

「お産で世界を明るくします!」という上野さん。ご自身のモットーは「わわくする方へ進め!」なのだとか

「お産で世界を明るくします!」という上野さん。ご自身のモットーは「わくわくする方へ進め!」なのだとか

インフォメーション

バースあおばの助産師 上野典子さんによる「お産カフェ」に行ってきました。

助産院バースあおば 助産師 上野典子さんのブログ

「わくわく のんちゃんのお産カフェ☆」

http://ameblo.jp/nory-72-vickey/

Facebook

https://www.facebook.com/noriko.ueno.507

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お産カフェの最新情報についてはブログまたはFacebookをご覧ください。

ライター紹介

松山ちかこ

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福岡県出身。学生時代にドイツ・スウェーデンを訪れたことから本格的に環境問題へ興味を持つ。卒業後は地方の環境学習施設でボランティアコーディネーターを務める。ナチュラルでここち良い暮らしと育児を目指す。2009年、2012年生まれの姉妹はシュタイナー教育の幼稚園と小学校に通っている。

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