「くしやきはまさか」って何?一石五鳥を叶える飲食店・Mom’sダイニング
あざみ野駅から徒歩5分。米粉のシフォンケーキでおなじみのさくら工房・櫻井友子さんのプロデュースした「Mom’sダイニング」が昨年10月にオープンしました。地域とつながりながら、補い食「くしやきはまさか」をベースに、美味しくて栄養たっぷりの母の味でママの元気をサポートするダイニングです。

東急田園都市線・横浜市営地下鉄線「あざみ野駅」東口を出てたまプラーザ方面へと続く、木漏れ日あふれる並木道を歩くこと5分。Mom’sダイニングはあります。
 
店頭には、手書きのメニューが貼られた看板が。お肉またはお魚と旬のお野菜をふんだんに使ったバランスのよいプレートは、忙しさを理由につい手軽なメニューばかりを選んでしまう私にとって、日頃不足しがちな栄養素もきちんととれそうな、うれしい内容です。期待を胸に、ゆっくりと扉をあけて中に入ると、落ち着いたカフェ空間が広がっていました。

あざみ野駅からのんびりとたまプラーザへ続く坂道を歩いているとMのマークが見えてきます。お馴染米粉のシフォンケーキの旗も


 

一汁三菜のイラストがかわいい手書きメニューが店頭でお出迎え。食材となる野菜は、都筑区、港北区、青葉区の市民ファーマーさん達から仕入れ、何が届くかは個々のファーマーさんにお任せしているため、「今日は、ツルムラサキがあるけれど、明日は、明日葉よ」という風に、その時々で野菜が変わる。そうやって入ってきた旬の野菜に合わせて献立を考えているので、メニューは必然的に手書きなのだそう


 
Mom’sダイニングを手掛けたのは、森ノオトでもおなじみの米粉のシフォンケーキを手掛けるさくら工房の代表、櫻井友子さん。あざみ野にMom’sダイニングをオープンするまでの道のりを伺いました。
 
櫻井さんは、今でいう読者モデルとして、調理器具や調味料、調理方法などを、消費者の目線からメーカーに提案したり、開発のお手伝いをする仕事をしていました。メーカーから依頼されてタイアップすることも。しかし、メーカーとのコラボを通して、いいものもあるのだけれど、おすすめして本当に大丈夫?と疑問がわいてくることもあったのだそうです。
 
そこで、櫻井さんは、開発やメニュー企画を一緒にしていたスタッフ達と、「本当に子どもたちに食べさせたいものを自分たちが見つけ出し、作ろう!」と、ハムづくりを始め、それを友達に分けてあげると、評判に。さらに、ベーコンや最初からスライスしてあるニンニクなど、自分たちの願望を形にしていくと、たくさん需要があることがわかったのだそう。
「母としての目線で、こんなものがあったらいいって作っているものが、実は、みんなが欲しいものなのだ」
と、会社として、さくら工房を立ち上げました。
 
そんな、さくら工房では、月に一、二度あるマルシェイベントと卸売を中心に販売を行っていましたが、さらに、もっとたくさんのお客様に会いたいという想いから、市が尾の工房の上に、直売所の「おかんダイニング」を構えることに。「おかんダイニング」で、忙しいママ達をサポートする商品を開発します。
「く(くだもの)し(種子類)や(野菜)き(キノコ類)は(発酵食品)ま(豆類)さ(魚)か(海藻類)」
このフレーズにのっとった簡単で美味しい「補い食」の分野に進出すると、今度は、お客様から「どうやって調理したらいいの?」「調理を見せて欲しい」という声が聞こえ始めてきます。
 
レストランがあったらいいなとは思いながらも、「自分たちじゃなかなか難しいよね」と話していたそんな折、「お昼をやる方がいなくって、さくらさん、できませんか?」というお話をいただいて、念願のレストランオープンにつながったのです。
 
「願っていた、料理ができて、皆さんとお話ができて、私が以前、中目黒の時もやっていた一汁三菜という、魚と肉がしっかり食べられるバランスのいい食事をご提供できる場所がふっとわいて出てきたという感じなんです」と、櫻井さん。

櫻井さんのお母様は栄養士だったそうで、いつもバランスのとれた美味しい手料理を作ってくれたそう。そんなお母様から受け継いだものを子どもに受け継ぎたいと、母としての目線を大切にしてきた櫻井さん。お話ししていると、優しさとともに、しなやかな強さが伝わってくる

Mom’sダイニングでは、おかんダイニングで扱うプラスフードと地元の農家さんの美味しい食材を使った、「くしやきはまさか」の全てをとることができる一汁三菜プレートをはじめ、栄養バランスのとれたランチプレートを提供しています。メニューは、家庭の食卓を豊かにしたいという想いから、家でも作れるような食材で一汁三菜を構成し、お家に帰って家族に作ってあげたいと思う時に再現できることを重要視しているそう。さらにお料理は、お惣菜として「量り売り」でお持ち帰りすることも可能です。
 
気に入ったメニューの作り方を気軽に聞くことができたり、おかんダイニングの「プラスフード」も購入することができるので、忙しくって今日はご飯を作るのをパスしたい、でもファーストフードやレトルトは、ちょっと……という時や、Mom’sダイニングで食べたこの味、家でも再現できないかな? おかんダイニング「プラスフード」、興味はあるけれど、どんな風に使ったらいいの?等、忙しいけれど、家族の食事は大切にしたいと思っているママ達の強い味方です。
 
また、お料理だけでなく、子育て中のママ達の心も体も元気に! と、おしゃべりしながら、日々の子育ての不安や悩みを解消できる、ランチ付き子育てサロンや、これから働きたいと思っている女性に向けて、自分らしい働き方を考えるセミナーを開催する等、様々な角度からのサポートも充実しています。
 
櫻井さんは、人「と」人、 人「と」物、など、「と」の部分が好きで、その「と」の部分に、自分自身がなれればいいなと、思っているそう。
 
「愛とか、幸せを運べたらすごく嬉しいし、幸せや愛は人によって違うとは思うけれど、その愛と幸せを最も運びたいと思っているのが「母」という存在だと思う」と、櫻井さん。「おかん」として、関わる人に、愛と幸せを運べたらいいなと、活動してきました。
 
Mom’sダイニングを拠点に、「と」の部分でたくさんの人たちが地域でつながって欲しい、そして、つながることによって、お仕事が生まれたり、悩みから救出できたりとか、新たなる自分の付加価値に気づいて自分のやるべきことが見つかったり、人「と」人の結びによって様々なことに気づいていく、気づきの場や、きっかけになれれば嬉しいと、櫻井さんはおっしゃいます。

取材にうかがった日の一汁三菜プレートはこちら。一枚のプレートに、たくさんの栄養が入っているだけでなく、食材が確かで安心して食べることができる。子どもも私も満足なお値段も手ごろなプレート。我が家の小学生の息子も大好きで、中でも、右上の八目ひじきは自宅にお持ち帰りした程。作り方も教えていただき、我が家の定番にしたい!と思いました。ベースとなる乾物は、Mom’sダイニングで購入できる


 

子夏をつかったシフォンケーキ。キャラメルコーヒーソースがかかった、甘さ控えめカスタードも美味しい。しっとり美味しい米粉のシフォンケーキは、櫻井さんと共にさくら工房立ち上げから活動してきたスタッフの笹口さんが担当。旬の果物や野菜を使ったシフォンケーキは、笹口さんが地元農家さんに足しげく通ってコミュニケーションをとっているからこそできる横浜の旬の美味しさ


 

おかんダイニングの補い食もMom’sダイニングで購入できる。お店の献立にもふんだんに使われている


 

もちろん米粉のシフォンケーキも購入できる。とても柔らかくしっとりとしていて私も子どもも大好きでどれを買おうかいつも迷う。ホールのシフォンケーキは、お値段の割にボリュームがあり、みんなで食べる手土産としても喜ばれそう

櫻井さんのお話しを伺っていると、みんなにとって「いい」という「元気のスパイラル」を感じます。
 
櫻井さんは、子育てしながらお仕事をしていく中で、かつて櫻井さんのお母さんがそうだったように、櫻井さんも、絶対に自分の手作りご飯で子ども達を育てると決めたそう。実際やってみると、とても大変だったけれども、そのために工夫してきたことが今の仕事にもつながっているといいます。
 
「子育てしながら働く忙しい時間の中で、工夫して時間を作っていくことと、お仕事として研究していることが、相互に作用して、子どもにとっても、親にとっても、他の人にとっても、よい結果をもたらしながら、一石五鳥につながっていった」と、櫻井さん。
 
私は自分が働くことで、母として子どもに十分なケアができていないのではないか不安に思ってしまうところがあるのですが、そんな私に櫻井さんは、こんなアドバイスをくれました。
 
「子どもを預けた時に、子どもを犠牲者にするのか、英雄にするのかは、ママ次第。『ごめんね』と言えば犠牲者だし、『待っててくれて、ありがとう』なら、子どもは英雄なのよ」
櫻井さんはこう続けます。
「それに、働くことは悪いことではなく、むしろ、働くことで、経験値が増え、精神力も鍛えられるので『ママにもこういうことあったよ、その時、ママは、こう考えてみた、こういう風に乗り越えたよ』と、子どもに伝えられるようになる」
 
子どもを想い、人を想い、みんなにとっていい《一石五鳥》を叶えてきた櫻井さんのお話を伺っていると、工夫や努力は必要だし、大変ではあるけれど、パワフルに働き、つながり、創造しながら進む姿は、まさに全てを包み込む「母」の強さそのもの。
 
私も、子ども達には、元気に育って欲しい、そして充実した人生を送って欲しいと願う母の一人。一人の女性として、母として、お仕事をしながら家庭を持ち、子育てすることをプラスに変えるたくさんのヒントをいただいた気がします。今、できる工夫をしながら、私自身も、みんなが「いい」を実現していくことができたらいいなと思いました。
 
そんな私にとって、Mom’sダイニングは、美味しくて栄養バランスのいいお料理だけでなく、毎日の食事に関する工夫やアドバイスはもちろんのこと、活き活きと子育てするヒントまでいただける場所。忙しい母を、女性を、応援してくれる、頼もしい地域の「おかん」がいる、温かいダイニングレストラン。美味しく食べて、元気をチャージしたいと思う時、出かけたいと思う場所になりました。

テラスからの日差しが明るく店内を照らす


 

平日は子連れのママ達で賑わう店内。週末は、年配のご夫婦や男性のお客様も

Information

Mom’s ダイニング (マムズダイニング)

住所:青葉区新石川2−15−12グリーンシティビル1F

電話番号:045−568−8513

定休日:毎週日曜日、祝日

営業時間:1100-1600L.O:ランチ1400/デザート1500

http://www.sakura-factory.jp/

おくむら さちこ
この記事を書いた人
おくむらさちこライター
横浜市青葉区で生まれ育ち子育て中。映画が好き過ぎて、アメリカまで勉強に行ってしまったこともある行動派。女性の生き方、働き方に関心を持ち、同時に地域ぐるみで子育て環境をよくしていくために「こどもみらいフェス」の実行委員としても活動中。森ノオトではwebまわりのサポートも担当。
カテゴリー