地味な作業も、子どもにとっては新鮮?!
農に学ぶ。では、活動の一環として近隣の小中学校、幼稚園、フリースクール向けに教育ファームを運営している。その一つ、田んぼ1枚のお米づくりを、近隣の小学校の1年生から4年生までの子と一緒にやっている。(寄稿:田中)

ある晴れた日。その日は、初めての田んぼでの作業。みんなで田植えをする前に田んぼの整備をする。全員が小さなピカピカのマイ地下足袋を履き、一人前に見える。子どもたちに作業をどうお願いするか、少し迷った。結局、作業を土ならし、笹の刈り取り、草むしり、などと細分化して、「こんなことするんだけど、どれやりますかー?」と一人ひとりに選ばせる方法にした。

田植えまでの準備は、予想以上にある。まずは、田んぼの回りの整備だ。田植えの準備が進むと、田んぼには必要な作業の時以外なかなか入れなくなる。だから、草や、かなり伸びた笹の刈り取り、水路にたまった草や枝を取り除くことは、重要な作業だ。それとともに、田んぼの周りから水が漏れないようにする「くろ切り・くろ塗り」(田んぼの土を畦に塗りつけて田んぼの水漏れを防ぐ)。その日の作業は、大きく分けて、その二つだった。3年生以上は、先生と一緒にくろ切りに挑戦。1・2年生は、水路の草や木の枝をかき集め、水の流れを良くする作業。一部の大人は、草や笹の刈り取りをした。

くろ切りは、田んぼの畦の内側周辺にスコップを入れて掘り起こし、土を畦部分に上げていく。子どもたちは大きなスコップを土の中に一生懸命入れようとするが、なかなか入らない。そのうち、二人がかりでスコップに乗っかって何とか入れて込んでいく。スコップは梃子の原理でぐいっと土を掘り起こしていく。子どもたちは結構真剣な表情。汗もかいているようだ。スコップと土と格闘する二人の姿を見て、「ふんばれー」と声をかけた。「はーい」と元気な声が返ってきた。

さて、私が担当していた1・2年生の諸君の様子。水路の草や木の枝をかき集めてすくい取るレイキ(熊手のような道具)の使い方を教えて、「やりたい人―」と声をかけると、ほぼ全員が「やりたいでーす」と大きな声でお返事。本数が限られているので、道具の使い手は交代制にして、その他の子はすくい取った草や木の枝を田んぼの脇に集めた。私は子どもたちに「よろしく」とお願いし、少しそこから離れた。

戻ってみると、自然と、子どもたちが作業を分業化していることに気づいた。「○○チャンは、草を集めて」「私は次に草を運ぼう」とか。1・2年生、なかなか考えるものだ。子どもたちは、やりたいこと、できることを、自分なりに見つけ、それを子ども同士で交代しながらやっている。私の「よろしくー」の言葉にも、子どもたちなりに役割を与えられたと感じたのか、個人差はあるが楽しそうに黙々と動いていた。

作業に夢中になっていくに連れ、子どもたちの服はどんどん汚れていく。でも、こんなに気持ちいっぱい、土や道具と格闘する機会は他にあるのだろうか。汚れた服を見たお母さん。どうか、泥の勲章でいっぱいになった子どもに、驚きながらの笑顔を贈ってやってほしいと思った。

 

小川でスコップやレイキを洗う。水の使い方も学んでいく

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