FMサルース高橋陽子のエコラボ通信Vol.7。
夏と言えば海! 夏休みの思い出の風景には、海辺のシーンも欠かせません。きれいな海を求めて南の島へ……というのにも憧れますが、身近な海がきれいであれば手軽に出かけられます。
神奈川県の海岸(横須賀市走水海岸から湯河原町湯河原海岸までの約150キロメートル)の美化のために活動している「公益財団法人かながわ海岸美化財団(以下 美化財団)」の方に、きれいな海のためにできることを教えていただきました。
(text:高橋陽子)

◎海のゴミは川上からやってくる!?

海岸のゴミがどこからやってくるのでしょうか。海水浴など遊びに来た人たちが置いて帰ってしまったものがほとんどでは? と思っていましたが、実は違ったのです。

海岸に残されたゴミは全体の約3割程度で、7割ほどのゴミは川から流れてきたものだそうです。そのため、大雨の後の海岸は川を流れてきたゴミでいっぱいになってしまうこともあるとか。

川は山から湧き出て、街を通って、海へ流れ込みます。山の中の流木や街に捨てられたゴミなどが海岸に集まってしまうのです。

青葉区は「丘のヨコハマ」と呼ばれるエリア。海は“遊びに行くところ”であって身近な環境とは思いにくいのですが、私たちの日々の過ごし方が海の美しさにつながっているとわかってびっくりしました。街の美化が川をゴミから守り、美しい海につながっているんですね。

区内を歩いていて、川を見かけることも多くあります。川面に浮かんでいるお菓子の袋や空き缶が海に流れていってしまうのですから、ポイ捨ては本当に無くさなければ……と思いました。

 

◎海のゴミの問題点

 

海岸に打ち寄せられるゴミが多いということは、海の中に多くのゴミが入ってしまっているということです。

そこで問題になるのが、動物への被害だそうです。海で暮らす動物たちの身体を傷つけてしまったり、えさと間違って食べてしまったり……。ヘアブラシや洗剤のキャップ、ライターなどが、海鳥の胃の中からたくさん出てきたケースもあるとのこと。

また、海岸で集めたものはリサイクルに回せなくなる場合もあるようです。ペットボトルなどはきちんと分別すれば資源化もできますが、塩分や砂が付いてしまうとそれもできなくなってしまうんですね。

 

◎「丘のヨコハマ」に住む私たちにできること

 

きれいな海と海岸を守り、楽しめる海、動物たちを傷つけない海を保つために、私たちにできること。それは街と川をきれいにすることです。そして街と海が川でつながっているという意識を持つことも大切だと思いました。

こうした海岸ゴミについて学べるテキスト『なぎさのごみ ハンドブック』が、今年6月にできました。この小冊子は、カラーイラストと手書きの文章で構成されていて、難しい漢字には読み仮名もふってあります。小学校4年生以上なら一人でも読めるくらい、易しい内容です。実際の海岸や動物たちの写真もたくさん掲載されていて、その実態を見ると大人でも考えさせられると思います。

このテキストは美化財団のHPから申し込むことで取り寄せられます。家族で海に行く前に、これを読んで行くと、海の見え方や街の見え方が変わってくるのでは?

今後、美化財団ではこのテキストを活用して、川上地域の学校に環境教育のため訪れる予定もあります。詳しくは美化財団のHP(http://www.bikazaidan.or.jp/nagisa20/index.html)もご覧ください。

気持ち良く裸足で歩ける海岸で、貝殻などの「宝物」を探す。

美しい思い出の海のために、日々の行動からできることがあるのだと、学びました。

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