広瀬美和子さんによる食養健康料理教室「シリアルビューティーサロン」
月に一度、藤が丘地区センターで行われている広瀬美和子さんのお料理教室に通っています。広瀬先生との出逢いは、マザーズ藤が丘店で開かれていた手当て法の講座に参加したことがきっかけでした。その様子をみなさんにもご紹介したいと、今回リポートさせていただきました。(text:松山ちかこ)

調理の前にレシピや食材の効能の説明から、食品表示の読み取り方、その料理の背景にある地域性や文化的なお話もしてくださる。「その料理ができあがるには理由がある。そこに根付いている歴史や文化を忘れて去ってしまうことは申し訳なく思う」と先生

 

広瀬先生は、食通で何でも手づくりされるお母さまと、自然食に大変興味をお持ちだったというお父さまからの影響を受けて、幼い頃から「食べることは体の資本」だということを自然と身につけてこられました。

 

4人兄妹のご長女ということもあって、お使いや食事の仕込みなどのお手伝いを幼い頃からされていて、お母さまの右腕として、一緒にご家族の食卓を支えてこられました。「試験だと言っても、教科書片手に手伝わされたのよ」と当時を思い出しながら先生は笑います。

 

そうした土台をお持ちだった広瀬先生も、ご結婚後、二人目のお子さんの出産後に胃潰瘍で下血をして倒れた経験がおありなのだとか。その頃にお友達と自主的な共同購入(豚1/4頭を10人くらいで購入して平等に配分する)を始め、メンバーの間で回していた回覧板の中に挟まっていた「あなたと健康」の冊子を手に取りました。これが、自然療法で名高い東城百合子先生との出逢いだったそうです。

 

「あなたと健康」という冊子は、玄米自然食によって自らの病気を克服し、台所にある食材などを使ってできる自然療法(手当て法)と食の大切さを広く伝えている東城百合子先生が発行されている月刊紙です。成城学園前にある「あなたと健康社」では料理教室や手当て法を学ぶことができます。遠方の方などのための電話相談や通信教育も行われています。東城先生の代表著作である「家庭でできる自然療法」をお持ちの森ノオト読者の方も多いのでは。

 

東城先生の冊子を読み、料理教室に通い始めた広瀬先生は、卒業後に「お手伝いをさせてください」と自ら申し出て、その後料理教室の助手として、更には料理教室の講師をしたり、電話相談を受けたりして活躍することになります。その間、あなたと健康社で教わったことに加え、陰陽学や整体を学んだり、漢方医の弟さんと情報を共有したり、様々な一流の先生方の料理教室へ足を運び、見識を深めたそうです。

 

その後広瀬先生はあなたと健康社で7年間ご活躍され、ご家族の介護などもあり体調不良となった後、あなたと健康社を辞めました。しかし、教室に通っていた生徒さんから「料理教室を開いてほしい」という要望があってから、様々な場所で再び活躍することになります。

 

そんな折、教室で使う食材を現在のマザーズ藤が丘店で購入したり、宅配(にんじんCLUB:現在マザーズでは取り扱っていません)を利用していたこともあって、それがご縁でマザーズの店内でも料理教室を開くことになりました。

 

2年ほど続いたマザーズでの教室も、会場が使用できなくなったことで終了することが決まったものの、生徒さんたちから「ぜひ続けてほしい」という声があがりました。そして現在、場所を藤が丘地区センターへと移して2010年6月から「シリアルビューティーサロン」という名前で教室を毎月開催しています。(シリアルというのは「雑穀」の意。雑穀エキスパート&アドバイザーの資格をもつ広瀬先生のレシピには雑穀が使われています)

 

料理教室で使う調味料は広瀬先生が選び抜かれた「本物」の調味料。電車で来られるため小分けの容器に移して持って来てくださる。

 

今回の料理教室のテーマは「春を待つひなまつり」。おひなさまも近いこともあって、ちらし寿司がメインの献立でした

 

花れんこんの切り方のデモンストレーション。取り除いた皮だって、捨てません!「これをかき揚げに入れても美味しいのよ」と先生

 

広瀬先生の教室では、まず、食材をムダなく使います。それも、徹底的に。「え?そこも食べられるんですか?」という驚きのセリフは毎度生徒さんたちからあがります。きちんと選んだ、こだわりのあるいい食材は決して安くはありません。それに、ただもったいないから、という理由だけではなく、「ここにはこういう栄養や効能があって、こうした症状の時に効くのよ」と、食材を使い切るのはちゃんとした理由があるのです。

 

サラダの調味料をお皿に残すことなくキレイに使い切る広瀬先生。「いつも娘達にはやりすぎだって言われちゃうのよ」と苦笑い

 

それから、手をかけるポイントもあれば、手を抜いていいポイントも教えてくださいます。先生はプロではなく、あっくまでも家庭の主婦の立場でやれることや大切にしたいことを伝えてくださるので、普段の台所で非常に実践がしやすいのです。

 

フライパンの中を素手で触る広瀬先生に「わ〜熱そう!」と生徒さん。フライパンの卵をひっくり返す時は一端火を止める。これも慌てないためのコツ

 

錦糸卵の作り方のポイント。「食べやすい長さは卵を三等分くらいにした長さ」と先生。卵の下に敷いてあるのは、いつも教室で活躍する牛乳パック

 

私、松山作の菜の花の茎の炒め物。先生から教わった「余熱を利用」を体得し、合格点をいただきました!デザートの八朔に、小さな器の中にはれんこんを煮た時に出た汁(れんこんエキス)。みんなで一口ずついただきました。ムダな物は無い!

 

ちらし寿司、大根ときんかんのサラダ、エリンギとふのりのお吸い物が全部そろって、みんなで「いただきます」。教室でのご飯はいつも分付き米を使用しています

 

「プロではないのだから、シンプルなレシピでいい。でもたまにはちょっと工夫して家族を喜ばせることも大事」という先生のレシピには、特別な調味料もなければ、大掛かりなものもありません。ただ、本物の食材を使うだけ。そして普段の家庭料理の基本を丁寧に、つくりやすく教えてくださいます。

 

日本人として当たり前の和食を大事にしている先生のレシピは、子どもから大人まで大好評。それもそのはず、「力のある」、「命をつなげる」ことを大切にしている広瀬先生からのメッセージが一品一品に込められているからです。カラダが喜ぶ、心に染みる、そんな家庭料理のレパートリーが教室に通うごとに増えていきます。

 

いつも背筋のピシャっとした広瀬美和子先生。「以前自分が元気じゃなかったから、自分の中にある気づきがある。それを伝えていきたい。私の元気はサプリからなんてできていません!」とおっしゃいます。

 

「これから挑戦してみたいこと」を先生にたずねてみました。すると「お父さんや子どもたちを巻き込みたい」と答えてくださいました。一品、二品であっても、バリエーションが可能な料理をお父さんや子どもたちが習得すれば、お母さんがちょっと具合の悪い時に「今日は私(お父さん)がつくるよ。お母さんは休んでいて」と代わってあげられる。「食卓をつくるのはお母さんの役割、という時代は変わってきていると思う」と、広瀬先生。お父さんが日常を埋める役割もあるはずだとおっしゃいます。

 

そんな風に家族の誰もが台所に立ち、お互いを思いながら、つくる喜び、食べる喜びを分かち合う、そんな家庭になれたらどんなに幸せなことでしょう。まずは私も広瀬先生から受け取ったメッセージを、娘へと、つないでいきたいと思います。それが「生きる」ことの始まりだと思うから。

Information

次回のシリアルビューティーサロン

日時 3/24(土)10:00〜13:00

場所 藤が丘地区センター調理室

会費 2,500円

持物 エプロン、タオル、三角巾、筆記用具

お申し込み、お問い合わせ先 045-811-7578(広瀬先生)

  • 調理室への子連れはおんぶでのみ可能。
  • 基本的には毎月第4土曜日の開催ですが、会場の予約状況による変動する場合もあり。

 

広瀬美和子先生による「手づくり塩麹教室」

日時 3/6(火)13:00〜15:00

開催場所 マザーズマクロビオス塾(マザーズ藤が丘店隣)

内容 手づくり塩麹(小さい食事が付きます)

講師 広瀬美和子先生(日本雑穀協会)

参加費 3,500円(材料費込み)

  • お友達と一緒で体験のみの場合 お一人500円
  • 塩麹を仕込む量を増やしたい方は材料費を上記以外にご予約いただければご用意します。
  • 材料手配の都合上、キャンセルの場合は全額ご負担いただきますので予めご了承ください。

持物 エプロン、台布巾、三角巾、塩麹を持ち帰る容器、筆記用具

定員 先着20セット

締め切り 2/29(木)

 

 

問い合わせ マクロビオス塾事務局(武内)045-971-5784

 

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