アート&クラフトの寺家を訪ねる旅Vol.3 陶芸家・明石拓馬さん
初めての一人取材にかなり緊張して向かった先は……アート&クラフトの里・寺家ふるさと村の陶芸家・明石拓馬さん! 明石さんといえば、白磁・青白磁の作品を創作される陶芸家さん。その現代的な雰囲気と繊細で緊張感のある線が印象的な作品から、きっと、とてもストイックで繊細な方なのでは……と勝手に想像していました。でも、実際にお会いした印象は…驚くぐらい、とっても自然体な方! 茶道が趣味で陶芸に興味津々な植木屋の夫と、やんちゃな2歳の息子も取材に同行したにも関わらず、明石さんは笑顔で工房に迎え入れてくれました。

工房の戸を開けると、ライトに映えて輝く明石さんの白磁・青白磁の作品たちがお出迎え

 

明石さんの工房は、「アート&クラフトの寺家を訪ねる旅の工房のすぐお隣! 「寺家ふるさと村入口」の交差点からJIKE STUDIOへ向かう角を曲がってすぐ右手の、道から少し奥まったところにあります。

 

愛知県立芸術大学で陶芸を学ばれた明石さんは、卒業後、2年間のデザイン事務所での勤務を経て、2004年に寺家に工房を構えました。ちょうど物件を探していた際、大学の後輩であった澤岡さんから、「工房の隣が空いているのでどうですか」と、誘いを受けたことがきっかけだったそう。

 

気さくに取材に応じて下さる明石さん

 

「寺家にこだわって工房を構えた訳ではないけれど、結果としてここでよかったです」と明石さん。というのも、この自然豊かな寺家の環境から作品のヒントを得ることも多いからだとか。

 

「自然の音、風、時間の流れなど、自然のものをヒントに創作しています。有機的な形を自分のフィルターを通してみると、直線が多かったりするんです」

 

自然のものが明石さんの手にかかると、こんな形になるんだ! と驚きでした。なんだかマジックのようです! でも、自然のものと明石さんの作品……確かに共通しているのは、「有機的な美しさ」を感じるところです。

 

白磁・青白磁の作品を作り続けるのも、きっと何か明石さんの深いこだわりがあるのでは?!と、ここぞとばかりの質問をと思い尋ねた新人レポーターですが……「こだわっているのではなく、好きなことを続けてきたらそうなったんです」と、気合を入れたこちらが拍子抜けするほどあっさりと話す明石さん。

 

陶芸を始めたきっかけも、美術が好きだったため美大を受験し、合格した愛知県立芸術大学では工芸科は陶芸だけだったから……だそう(笑)。

 

ちょうど展示会の合間ということで、「作業中のものはこれしかないですね~」と見せてくれた作品。とっても大きい器。これからまだまだ削っていくそう

 

明石さんにとっては、

陶芸をはじめたことも、

白磁・青白磁の作品を創作し続けることも、

寺家に工房を構えたことも、

無理がなく、常に自然体で、流れに身を任せてきた……そんな印象を受けます。

 

無理がないということ、なんだかとっても大事な気がしました。だって、自然界には、無理があるものは存在しない……。

 

でも、そんな明石さんも昔は無理をしていた時期もあったそう。

「昔、自分で絵付けをしていました。絵付けをするために、植物を詳しく観察して、描かなければいけなくて……。でも、面白くなかった。自分にとって、植物は描くものではなく観るものだと気づいて、無理して絵付けをすることを止めました」

絵付けが必要な時は、昨年、結婚されパートナーであり、陶芸家でもある黒部駒子さんが担当されることもあるそうです。

 

ギャラリースペースには明石さんの作品と、奥様の駒子さんの作品が棚に並んでいます。絵付けがされているのが、駒子さんの作品

 

 

 

終始、気さくに自然体でお話してくださった明石さん。そんな明石さんが力強くおっしゃっていたのが「工芸(KOUGEI)を世界へ伝えたい!)という想いでした。

 

「“工芸”という言葉を英語に訳すと“クラフト”になってしまうけれど、日本でいう“工芸”と“クラフト”は全く違うものだと思うんです! だから、“工芸”=“クラフト”ではなく、“工芸”=“KOUGEI”としてそのまま世界へ伝えていきたいんです!」と力強く話す明石さん。

 

確かに“クラフト”というと、素人でも楽しむことのできる手作り品といったようなイメージもあります。でも、“工芸”とは職人さんの緻密な技のもとに作られる品物。

日本の工芸とは、地域に根ざし、四季に合わせて素材やモチーフを選ぶ、日本特有の文化だということも教えていただきました。

 

「いつか、海外でKOUGEI展をやってみたい!」という明石さんです。

 

 

工房に入ってすぐのギャラリースペースの前の白い敷石と白砂利。そこで遊ぶ2歳の息子(明石さん、す、すみません!)。奥の工房では、植木屋の夫が熱心に明石さんに質問中

 

寺家から世界へ!!

明石拓馬さん、今後も楽しみな陶芸家さんです。

ぜひ、展示会等で明石さんの作品に触れ、その線や形の美しさ・自然を感じ、工芸(KOUGEI)というものにもふれてみてください。私たちが身近に感じ見ている自然とはまた違う、新しい世界が見えるかもしれません!

 

 

Information

■明石拓馬さんのホームページ

http://takuma-akashi.com

持田 三貴子
この記事を書いた人
持田三貴子ライター卒業生
樹木医で造園業3代目の夫とともに、都市生活に森のような循環を生み出すべく、Earth Worksという夫婦ユニットとして活動中。結婚を機にナチュラルなライフスタイルにどっぷり浸かり、いつの間にか3児の母に。横浜市都筑区で夢の民家暮らしをスタート、「竹隣庵」と名付け住み開きを目指している。
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