兄と弟の絵本棚『ヨセフのだいじなコート』
もうすぐクリスマスです!みなさんのお宅では、ツリーがキラキラと輝いているでしょうか。ツリーやお部屋には、手づくりの飾りがついているかもしれませんね。我が家でもお兄ちゃんがつくってきたリースが光っています。森ノオトでも、12月はさまざまなクリスマスの手仕事が紹介され、この季節の楽しさを感じました。
今月の絵本は、大事なコートが古くなると、ジャケットにして、マフラーにして、ネクタイにして……。ひとつのものを長く長く使う『ヨセフのだいじなコート』です。ヨセフの最後のリメイクには、びっくりしてしまうかも!?
手仕事が好きな人も、好きだけどなかなか時間が取れない人も、見ているだけで楽しいこの絵本を読んでみませんか。

「か・わ・い・い~~!!!」

はじめてこの絵本に出会った時に、布・雑誌や新聞の切り抜き・ボタンなどに埋め尽くされているページを見て、私はもうそれだけでノックアウトされました。

* *

“この絵本は、水彩絵の具、グワッシュ、色鉛筆、インク、そしてコラージュでできています。”

絵本はこの文からはじまり、物語が始まる前からワクワクしてしまいます。

* *

ヨセフはコートをもっていました。

でも、あちこちすりきれてつぎをあてていました。

そこでヨセフは、コートをジャケットにつくりかえ……

そんな流れで進むこの絵本。

つぎを当てているコートの「つぎ」部分が、はじめからおしゃれ!

そして、ヨセフがリメイクするコートは、切りぬかれ、しかけで次のページに進んでいきます。しかけの進み方も気がいいていて、センスがいい。

ママの中には、布やリメイクはやっぱり、だーいすき!な方も多いと思います。かくいう私もその一人。手仕事も楽しめるこの季節、何度でも見てしまう絵本です。

我が家では、夏と冬では絵本をちょっぴり入れ替え、クリスマスの絵本と一緒に、ヨセフは久しぶりに本棚に登場。冬は、仕掛け絵本が増える季節でもあります。

もしかしたら、まだ2歳の弟くんは興味が持てないかな? と思っていたある日のこと。

2歳2カ月の弟くんは、この絵本をペラペラとめくり始めました。

そして、ヨセフと暮らすねこちゃんを探し始めました。

絵本のページの中に、いろいろなものがギュッと詰め込まれていて、見ているだけで楽しくなります。

ねこちゃんを探した後の弟くんは、大好きなおつきさまも探していました。

「おつきさまイルヨ?」と楽しそうに追いかけながら。

最近では、これまで読んできた絵本のフレーズを時々口に出すこともある弟くん。

絵本のことばが、自分のことばにもなっていくということに気がついて、改めてドキッとしたりしています。

ヨセフのように、大事に物を使う文化がヨーロッパにはあります。

母から子へひとつのものを長く受け継いだり、リメイクして使い続けたり。手入れをしたり、譲り受けたことを誇りにしたり、そんな文化をずっと素敵だなと思っていました。

ひとつのものをだいじに使うこと。「捨てる」文化にいる今の日本の私たちは難しいところもあります。

もちろんもうすぐやってくるクリスマス。子どもたちは新しいプレゼントも楽しみにしています。

「モノ」に囲まれた社会に暮らす子どもたちだからこそ、新しいプレゼントと一緒に、気に入ったものをだいじに使うこと・長く使えるものを選ぶことも伝えてみませんか?

私も数年前、自分が見つけてすぐ、友人にこの絵本をプレゼントしたのですが……。あまりにキュートな中身に、友人もあっという間に虜になりました!!

そうそう、この絵本は、アメリカで最も権威のある児童書の賞、コールデコット賞(2000年度)を受賞しています。そして、後にアメリカで原作に出会った友人から、英語版もプレゼントされて、我が家にはいま2冊のヨセフの本があります!

現地でこの絵本に出会った友人はほんとうにびっくりしたらしく、私もまさか手元に現地から英語版が来るとは思いもよらず、びっくり仰天!!そんな思い出も詰まっています。

東海林 更央莉
この記事を書いた人
東海林更央莉ライター卒業生
山形出身で、元日本語教師、3児の母。森ノオトでは2011年より兄弟の成長と重ねた絵本の連載を続け、妹が増えた今は女子らしい視点が加わり多くの母親の心をつかんでいる。家族の趣味は旅行、食べ歩き、自然のなかで過ごすこと。編集長の中学校時代の同級生でもある。
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