安心安全な食を通じて、こどもたちに“本当の舌”をつくる!
昨年10月からあざみ野で開催されている「あざーすあざみ野マルシェ」。その初回開催から毎月出店し、米粉のシフォンケーキを販売している「さくら工房」さん。旬の素材を使用し、種類豊富なシフォンケーキがずら〜り並ぶ、マルシェの人気店です。
今回は5年前にあざみ野でさくら工房を創業された、櫻井友子さんをご紹介します。
(写真/さくら工房)

「青葉区はあこがれの土地だったのよ」と話す櫻井さんが、あざみ野に暮らし始めたのは13年前のこと。そして5年前に、同じくあざみ野に「さくら工房」を会社として立ち上げました。昨年12月には、会社兼工房を市が尾に移転し、現在7名の女性スタッフを抱える女社長の櫻井さんです。

 

わたしにはラテンの血が入っていると思うの、と話すほど元気で明るい櫻井さん

 

櫻井さんが会社を立ち上げる以前は、20年以上にわたり、個人事業主として“グッドフードハンター”と自らを名乗り、企業で調理器具のプレゼンテーションを行っていました。その間に結婚・出産を経験し、現在25歳のご長男と22歳のご長女がいらっしゃるお母さんでもあります。

お子さんが幼少の時から社会に出て働き続ける生活のなかで、ご自身に課したのが「子どもの食事は必ず自分の手でつくる」ことでした。実際にはかなり高いハードルであったそうですが、子どもに寂しい思いをさせてしまっている負い目を、“食事”でカバーしてきたと言います。そして今でも、食事は手づくりを続けています。

櫻井さんが子育てをしながら働き、強く感じたことは、「女性は子育てをしながらも社会に出て、どんどんキャリアを積んでほしい!」ということでした。

そして女性の社会進出のお手伝いと、子どもの未来のために何かできないか……と考えるようになり、「食」に特化した事業を始めます。

 

さくら工房オリジナルの素材・製法にこだわった米粉のシフォンケーキ(写真:さくら工房提供)

 

櫻井さんは、「安心安全な食を通じて、こどもたちに“本当の舌”をつくること」をテーマに定めました。

そのために、子どもたちに「楽しんで食べてもらえるものは何か」「豊かな食卓を提供できるものとは何か」を考えました。

櫻井さんが考える“豊かな食卓”とは、<コミュニケーション>、<音>、<色>、<会話>、<笑い>が揃っている食卓です。

そして、「楽しんで食べる」+「豊かな食卓」を表現する手法として、「お菓子」を選びました。

 

都会のオアシス、アークヒルズのヒルズマルシェの様子(写真:さくら工房提供)

 

では、どんなお菓子をつくろうか……

いろいろ調べているうちに、あることが分かったのです。

どの家庭にもたいてい、シフォンケーキの型があるのに、実際にシフォンケーキをつくっている家庭はわずかだったのです。

「子どもにつくってあげたいからシフォンケーキの型を買ったけれど、上手に焼けないからつくらなくなったってことでしょ。じゃあ、私たちがつくりましょう!と」(櫻井さん)

シフォンケーキは食べ物の味がストレートに出るお菓子。それだけ素材選びが重要です。

日本人にはお米を食べてもらいたい。だから、米粉を使うことにしました。油は最小限におさえて、砂糖も合わせる素材や要望に応じて、てんさい糖を使用しています。さらに農家さんから直接仕入れた旬の野菜や果物、野草、穀物を使いました。

さらにオーブンを使わずに、じっくりと、ふわふわのシフォンケーキを焼き上げる独自の製法も開発しました。

さくら工房ではこれまで、60種類ものシフォンケーキを商品化しています。

シフォンケーキに旬の素材を使うことで、こどもに旬を知ってもらえます。素材にこだわることで、自然の味をわかってもらえる「本当の舌づくり」ができます。

さくら工房のシフォンケーキには櫻井さんのさまざまなメッセージが込められているのです。

 

ヒルズマルシェのさくら工房さんのコーナー(写真:さくら工房提供)

 

さくら工房は、「本当の舌づくり」のプレゼンテーションの場として、東京・赤坂のアークヒルズの「ヒルズマルシェ」に毎月出店しています。

「ヒルズマルシェ」は、森ビルが周辺住民のために始めた事業で、都会のオアシスとして人気のマルシェです。小池も先日遊びに行きましたが、天窓からやわらかい陽の差す、おしゃれで、気持ちの良いマルシェでした。

森ノオトの地元のマルシェである「あざーすあざみ野マルシェ」にも、さくら工房は毎回出店しています。

 

る日のあざーすあざみ野マルシェで笑顔の櫻井さん

 

市ヶ尾町に会社兼工房を移してから、新しい事業として、企業給食を始めた櫻井さん。週3回、1日150食、メインディッシュと4品の副菜を提供しています。

この企業給食の面白いところが、「ご飯は自分たちで用意してね!」というところ。そのため、提供する企業の各営業所に炊飯器を用意してもらいました。

 

栄養満点!のさくら工房のある日の企業給食(写真:さくら工房提供)

 

これには櫻井さんの想いがあります。

ご飯を炊き、器に盛るひと手間があるだけで、“お弁当が食事になる”と考えるからです。そんな粋なアドバンテージを与える櫻井さんの企業給食は、「おいしい → おなかや気持ちが満たされる → 健康状態が上がる → 良い仕事につながる」という相乗効果がある、といいます。

子どもの舌づくり、働く人のよりよい食環境づくりを実践する櫻井さんは、現在青葉区でおばんざい屋(京都でいう「おかず」のこと)さんの開業を目差して準備中だそうです。

働くお母さんや子どもたちのために、おばんざい(食事)を提供したい櫻井さんは、

「おひたしに、おかかを振るだけでもよいから、最後のひと手間はお母さんにやって欲しいの!」

と笑顔で語ってくれました。

おばんざい屋さんのオープンがいまから楽しみです!

 

 

市ヶ尾町の会社兼工房の前で櫻井さん(左)とスタッフの笹口さん。笹口さんは櫻井さんが個人事業主として活動しているときからの関係。

 

【hitomi’s point】 

憧れの青葉区、あざみ野で会社を立ち上げたものの、これまで青葉区での活動が少なかったという櫻井さん。昨年12月に市ヶ尾町に会社兼工房を移転されてから、青葉区でいろいろなご縁が生まれています。企業給食もそうですし、おばんざい屋開業、そして森ノオトもそうでしょう(ですよね!?櫻井さん!)。世のため、人のために、生涯現役でいたいと、常に“気”を上げる努力を惜しまない櫻井さんが、今度地元青葉区でどんな活動をされるのか、目が離せません!

櫻井さん、お忙しいところ取材にご協力いたきありがとうございました。

Information

さくら工房のHP

http://www.sakura-factory.jp

小池 一美
この記事を書いた人
小池一美ライター
横浜市青葉区出身。森ノオトのリポーター、走る!ロコキッチン「コマデリ」、焼き菓子販売「トミーヤミー」の3本柱で地元と関わりながら暮らしている。AGRUの小川穣さんとのユニット「labo2(ラボラボ)」では、食の素材と地域を楽しむ活動を展開中。
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