ここから地域をつなぐ 武蔵新城のコミュニティカフェ「メサ・グランデ」
おいしいランチをいただきながら、街の情報も集まり、講座もできる……場自体がコミュニティの機能を持つ、そんな場所が求められ、昨今増えてきている気がします。武蔵新城に拠点を構えた、メサ・グランデもそのひとつ。川崎産の野菜と食と人がつながるコミュニティカフェ、どんな場所なのか、のぞいてきました!

武蔵新城駅から徒歩2分のところにあるコミュニティカフェ「メサ・グランデ」。店頭では地元・橘地区の野菜を販売している

 

JR南武線武蔵溝ノ口駅から川崎方面に一駅、武蔵新城駅前に、メサ・グランデがオープンして1年半がたちました。

武蔵新城は昔ながらの商店街が残り飲食店も多く、幅広い年齢層が街に溶け込んでいます。その武蔵新城に、メサ・グランデがやって来たのは、2012年4月。

オープン当初は、ランチを中心にしたカフェ・レストランで、店頭での地元・橘エリアの野菜の販売がメイン、という印象でした。

(高津区や宮前区の一部は「橘樹(たちばな)郡」と呼ばれる歴史ある地域で、奈良時代まで歴史を遡り、史跡も多くあります)

その後、森ノオトでもご紹介した、ハーブ講座をはじめとした大小様々な講座、自分でお店を構えたい人が腕をふるえる「ワンデイシェフ」、10月よりスタートしているコミニティカフェ開設講座、今後はカフェスタイルで楽しめるフランス語レッスンがはじまるかもしれない! ……など、アイデアあふれるユニークな場所としても注目を集めています。

店舗入り口左手奥のカウンターには、これからお店で開催されるイベントや、地域の活動団体から集まってきた情報など、メサ・グランデを中心に広がる輪が運んできた、知る人ぞ知るコアな情報でいっぱい!

 

SEED BOXは、在来作物の映画を自主上映したばかりの森ノオトにとって、まさに旬のコーナーでした!

 

最近では、在来種のシェアボックスという、まさにいま旬の素敵なコーナーまでできあがっていました。メサ・グランデは地元に密着して、イベントや拠点としてのニーズを的確にとらえ、地域の新しい拠点として存在感を見せてくれています。お店の顔であるランチも、このとおり、ボリュームたっぷりです。

 

ボリュームたっぷりのランチプレートは、ごはん、お味噌汁と旬の野菜がたっぷりのメニューで850円。デザートつきで1200円

 

メニューには、仕入れ先の農家さんのお名前もつけられており、地元の人たちとしっかりした連携がとれていること、野菜とお料理の作り手の温かさなど伝わってきます。

地元の農家さんの野菜が、毎日、入れ替わり立ち替わり入ってきて、野菜が食卓に並ぶ、畑により近いカフェ。

旬の野菜ランチをいただき、おいしさを味わい、家庭でもこの野菜を食べたい! と、店頭で販売されている野菜にも手がのびます。スタッフのみなさんでメニューを考えているというランチを食べに訪れるのは、常連さんも多く、相席で一緒になった人と話が弾むことも。ただ、ランチを食べるだけではなく、ここに来れば誰かに会える! そんな新しい使われ方をしている気がしました。

そんなメサ・グランデの運営は、NPO法人ぐらす・かわさきが担っています。NPOのスタッフでもあった、佐藤ゆき恵さんがメサ・グランデの現店長に。ぐらす・かわさきの時代から、地域の農の活性化やコミュニティスペースの運営に携わって十年という月日が経過していました。

佐藤さんは当時から、農家さんの高齢化などもあり、草取りや収穫などの援農や、農地をめぐるお散歩ツアー、農地のある風景の写真コンテストなど、季節ごとのイベントなどの形で農家さんと関係を築いて来たそうです。

私も、いま暮らす高津区内で時折チラシなどを見かけていましたが、はじめて目にする区民にとっては、日常生活からはエリアが離れる畑はやや遠い存在でした。地元でたくさんの種類の野菜が収穫できる、ということも知らない人がとても多い気がします。自分がどんな形で地元の農家さんの手伝いができるのか、見えにくいところもあり、これまでは心の距離感があったかもしれません。
(ちなみに、今シーズン秋から冬まで、橘にて全4回で行われている援農イベントは、単発で子連れでもワンコインで参加でき、子育て世代でも気軽に農作業体験ができます。子どもに農業体験をさせてみたいと思う家庭は多いので、これから参加者が増えていきそうです)

 

店長の佐藤ゆき恵さん。森ノオト世代の社会感覚で、共通の話題も多く、話が盛り上がった

 

農は丸一年続くもの。季節ごとのイベントだけでは関係性を築くのにも限界があり、期間が空くと関わるチャンスも失われやすいこと。十年間の活動のなかで徐々に構想を温めてきた「農と食とをつなぐ拠点がほしい」という想いから生まれたのがメサ・グランデなのです。

もちろん、拠点を構えるには家賃を支払い続けたり、材料費などのコストがかかるリスクもあるけれど、まずはチャレンジをしてみようと立ち上げを決意したのは、やはり地域でのつながりを求める人々が増え、この拠点から市民活動を築いていきたい、というニーズが増えてきた……そんな時代の流れもあったようです。

十年という年月の中では、世の中のニーズも変わったり、ものごとを表現することばや手段も変わったりしています。インターネットやソーシャルメディアの普及で誰もが発信しやすくなったこと、東日本大震災で地域でのつながりが求められるようになったこと、一方で進み続ける少子高齢化……もはや行政だけでは解決しきれない様々な課題を、市民の力でどう解決するか? メサ・グランデのコミュニティカフェとしての機能は、街をよくするという視点からのソーシャルビジネスでもあるのではないかと感じ、似たような視点でメディアを運営している森ノオトとしても、とても刺激を受けるお話でした。

 

子どももお年寄りも、地元の主婦も垣根なく集いやすい店内。カフェメニューは地域に暮らす料理が得意なスタッフたちで考案している。大きなテーブルでの相席を推奨し、来店者同士が顔なじみになり新たな交流が生まれている

メサ・グランデもオープンしてまだ2年目で、これからいかに経営を成り立たせていくか、運営手腕が問われますが、自分の住んでいる川崎を少しでもよくしたい! という佐藤さんの思いや試みは、日々実りを見せている! と感じますし、同じ思いをもつ人がここでつながり、その輪は確実に広がっているのを感じます。

武蔵新城を拠点にしたことで、新城でも橘の野菜が手に入るようになりました。毎日のように野菜を買いに来る方もいます。

地域の拠点での出会いがあり、自分の街が暮らしやすくなる活動につながるというのは、最近の新しい流れだという気がしますが、これこそが人々が今とても求めているものではないでしょうか。現在開講中のコミニティカフェ開設講座もとても人気だとか。

これまでどちらかというと、受け身で暮らすことの多かった市民が、自分から街を活気づけて行こう! というのは、これからの新しい地域社会の在り方でしょうか(森ノオトでも、リポーターは街のプレーヤー、と編集長が常々言っています)。

メサ・グランデ発のランチと農のコラボレーション、街を活気づける講座。これからますますの発展が楽しみです!

Information

みんなのテーブル メサグランデ(武蔵新城)

http://mesa-grande.blogspot.jp/

神奈川県川崎市中原区新城5-2-13  プリマSK武蔵新城1階

TEL: 044-872-9795

■営業日:月-金曜日(土日はワンデイ・シェフのある日のみ営業)

■野菜販売 10:00-17:00ごろまで(なくなり次第終了)

■飲食店営業

モーニング:9:00-11:00

ランチ:11:30-14:00

喫茶:14:00-17:00

ディナー:18:00-21:30

東海林 更央莉
この記事を書いた人
東海林更央莉ライター卒業生
山形出身で、元日本語教師、3児の母。森ノオトでは2011年より兄弟の成長と重ねた絵本の連載を続け、妹が増えた今は女子らしい視点が加わり多くの母親の心をつかんでいる。家族の趣味は旅行、食べ歩き、自然のなかで過ごすこと。編集長の中学校時代の同級生でもある。
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