もうすぐ黄葉!「生きた化石」といわれる植物イチョウの木
田んぼの稲刈りも終わり、朝晩の気温も下がり、日に日に秋が深まるのを感じる季節になってきました。この季節、街を歩いているとひときわ独特な匂いを放つ実が落ちていますよね! それは、イチョウになる銀杏(ぎんなん)♪ 調理をするととっても美味しい銀杏ですが、全てのイチョウになるわけではないのです。今回は独特の個性を持つ樹木、イチョウについてご紹介します!

藤が丘駅前のイチョウ並木。少し色づきはじめているが、本格的な黄葉はこれから! 黄葉の見頃は11月中旬?12月初め頃

 

イチョウは、幹がまっすぐ伸び、生育も良いので、日本では街路樹や公園によく植えられています。明治神宮外苑のイチョウの並木は知らない人がいないほど、黄葉時はとても美しい風景として有名ですよね。他にも全国各地に美しい風景のイチョウ並木が数多くあります。

森ノオトエリアでも、青葉台駅周辺や、来月森ノオトのマルシェdeウォーク「あおばを食べる収穫祭」が開催される藤が丘駅前周辺もイチョウ並木があります。

私たちにとって、とても馴染み深く身近なイチョウですが、実は「生きた化石」といわれる起源を持つ植物なのです!

イチョウの起源は、恐竜のいた時代よりももっとずっと前で、約2億年前には世界的にたくさんの種類が分布していたと考えられています。しかし、その後の様々な気候変動を経て、現在確認できる原種は、中国で野生に生育する1種類のみ。それが古くに(鎌倉時代からそれ以前ともいわれ、諸説ある)日本に伝来し、日本各地に広まっていったそう。

イチョウは、日本の野山には生育していませんが、古くから日本人に愛され、人の手によってこれだけたくさん植えられてきた樹木なのです。

また、イチョウは葉っぱがとても特徴的!

形は扇形をしていますが、真ん中に裂け目があるものや裂け目のないもの、裂け目があっても浅いものや深いもの、裂け目が2か所あるもの……など、ひとつひとつの葉っぱの形が違い、多様なのもイチョウの面白いところです。

子どもたちにとっては、イチョウの葉っぱ拾いだけでもたくさんの発見があって、楽しいのではないかと思います!

樹木を大きく2つに分類すると針葉樹(葉の形が針状の樹木。マツやスギなど)と広葉樹(葉の形が広く平たい樹木。サクラやケヤキなど)に分けることができます。イチョウの葉っぱは広く平たい形をしていますが、広葉樹ではなく、針葉樹でもありません! なぜなら、植物の進化の過程で、針葉樹や広葉樹がうまれる以前から存在しているからです。

 

扇形のイチョウの葉っぱ。東京都のマークがイチョウの形なのは有名ですが、神奈川県の木や横浜市の木として定められているのもイチョウなのです!

 

イチョウの実である銀杏がイチョウ並木の下に落ちていることは、街中でよく見かける光景だと思いますが、銀杏の落ちている木と落ちていない木があるのに不思議に思ったことはありませんか?

というのも、イチョウは雌雄異株(しゆういかぶ)の植物で、雄花をつけるオスの木と雌花をつけるメスの木があり、メスの木にのみ銀杏がなるのです。

雌雄異株の樹木はよくありますが、イチョウはその起源が古いために、受精形態がめずらしく、なんと花粉の中に精子を持っており、精子が泳いで受精し種子(銀杏)ができるのだそう!

 

イチョウ並木の下で見つけた銀杏。果実の中の固い殻に包まれた種子が食用になる♪ 素手でさわるとかぶれることもあるので、要注意! また、食べ過ぎも中毒症状を起こす恐れがある

 

銀杏の実は熟すと独特な匂いがするので、街路樹にはオスの木が好まれて植えられますが、たまにメスの木が混じっています。

私も子どもの頃は、イチョウ並木の下の銀杏の匂いを不快に感じ、息を止めてダッシュで通り過ぎていましたが(笑)、大人になって、銀杏の美味しさを知り、イチョウの起源を知った現在は、その途方もない時間の流れの中で命を繋いできたイチョウと人との関わりの歴史に想いを馳せ、その黄葉や樹形の美しさに足を止めてしまいます。

イチョウの黄葉を迎えるこれからの季節、ぜひぜひ街中のイチョウに注目して楽しんでみてください♪

持田 三貴子
この記事を書いた人
持田三貴子ライター
樹木医で造園業3代目の夫とともに、都市生活に森のような循環を生み出すべく、Earth Worksという夫婦ユニットとして活動中。結婚を機にナチュラルなライフスタイルにどっぷり浸かり、いつの間にか3児の母に。横浜市都筑区で夢の民家暮らしをスタート、「竹隣庵」と名付け住み開きを目指している。
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