花が散っても楽しめる?!サクラにまつわるお話
4月に入り、春の暖かな陽気にサクラが満開を迎えたと思ったら、またたく間に葉桜になってしまいましたね。みなさんはお花見を楽しめたでしょうか?
「あーあ、お花見のタイミングを逃してしまったよー」と嘆くあなたに朗報です!!実は、今ちょうど花が見頃を迎えているサクラもあります。
春といえば、日本人誰しもがイメージするサクラですが、今回は知っているようで知らないサクラのお話を紹介したいと思います♪

さて、冒頭からサクラ、サクラと言っていますが、実は植物学的に「サクラ」という名前の樹木はありません!

「サクラ」とは、バラ科サクラ属中のサクラ亜属というグループに分類される樹木の総称。私たち日本人の多くがサクラ(桜)としてイメージするのは、全国で最も広く栽培されているサクラの代表的な品種「ソメイヨシノ」です。

 

街路樹、公園、学校などによく植えられているソメイヨシノ。葉が出る前に淡紅色の花を枝いっぱいにつけるのが特徴で、一斉に咲き誇り、短い期間で散ってゆく様子が儚くも美しい

 

街中の至る所に植えられているソメイヨシノ。実は野生での原産地は無く、人為的に交配し作られた栽培品種であり、種では増えません。現在、街で見かけるソメイヨシノはなんとすべてクローンなのです!

クローンというと得体の知れないもののようでちょっと怖いイメージがありますが、ソメイヨシノは主に接ぎ木など(接ぎ木とは、例えばソメイヨシノの枝の一部を切り取る等して、その枝を別の植物の上に接いで栽培し、植物を増やしていく栽培方法)で育てられてきたものであるため、遺伝的には元の切り取った木と同じ性質のものとなり、そこから「クローン」ということができます。

毎年3月後半によくメディア等で伝えられる「桜前線」とは、このソメイヨシノの開花予想日を線で結び、前線として表したものです。このように、前線として開花を予測できるのは、ソメイヨシノがクローンであるからこそ!

個体差が少ないため、同じように一斉に咲き誇る景色がみられるのです。

そんなソメイヨシノばかりが有名な印象のサクラですが、サクラは野生種・栽培品種を合わせると300品種以上に及ぶといわれています。そのうち、野生種として、日本の野山に自生しているのは9種類です。

ソメイヨシノが登場した江戸時代より以前にはお花見の対象であったとされるヤマザクラや、葉っぱを塩漬けに加工し桜餅を包むために使われるオオシマザクラなどが野生種にあたります。

事実上、日本の国花でもあるサクラですが(法定の定めはありません)、実はそのサクラは古来より日本人が親しんできたヤマザクラだとされているのです。

 

自宅近くの緑道で見つけたオオシマザクラ(だと思われる)。オオシマザクラは花が白く大型で香りがあるのが特徴。花と同時に緑-茶色の若葉が開くため、全体の色味の印象がソメイヨシノとは違う

 

サクラは野生種、栽培品種、また野生種と栽培品種の交雑種なども多く存在するため、一つひとつの品種の見分けは本当に難しく、正直なところ、私はよく分かりません(笑)。

しかしながら、色んなサクラの品種がある、という視点で街を歩いてみると、見慣れたソメイヨシノとは花や葉っぱの色が少し違うサクラも身近にあることに気づくことができると思います。

また、今の時期(4月中旬-5月上旬頃)に花が見頃を迎えているサクラもあります。それは、ヤエザクラ(八重桜)!

ヤエザクラも誰もが耳にしたことのある名前だと思いますが、実は、「ヤエザクラ」も花が八重咲きのサクラの総称のことで、ヤエザクラという名前の品種はありません。

 

ヤエザクラとしてよく見かける栽培品種のカンザン。赤みを帯びた葉っぱと濃いピンク色の花が特徴。他によく見かける品種として、花の色が淡いピンク色のフゲンソウという種類がある

 

ソメイヨシノもいいですが、私はヤエザクラも大好きです!

濃いピンクの花びらがボンボンのようにたくさんついていて、とっても女子好みな雰囲気がかわいくてたまらないのです。

また、花びらが多いため、散りゆく姿も本当に綺麗で、ヤエザクラ並木のある場所では道路がピンクの花びらの絨毯になっているのも、この時期ならでは景色です。

 

青葉区みすずが丘にあるヤエザクラ(カンザン)並木。ちょうど満開を迎えている

 

サクラといっても、ソメイヨシノだけではなく、様々な種類があり、その栽培品種の多さは、日本人が昔からサクラを愛でてきた歴史そのものなのではないかと思います。

今も昔も日本人が大好きなサクラ。誰もが住んでいる地域の中で、お気に入りのサクラスポットがあるのではないかと思います。ぜひこれからは、ソメイヨシノだけでなく、ヤエザクラや色んな種類のサクラのお気に入りスポットも増やしてくださいね♪

持田 三貴子
この記事を書いた人
持田三貴子ライター
樹木医で造園業3代目の夫とともに、都市生活に森のような循環を生み出すべく、Earth Worksという夫婦ユニットとして活動中。結婚を機にナチュラルなライフスタイルにどっぷり浸かり、いつの間にか3児の母に。横浜市都筑区で夢の民家暮らしをスタート、「竹隣庵」と名付け住み開きを目指している。
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