センター北にプレイパーク現る! こどもみらいフェスティバルに遊びに行って来ました。
2014年6月21日(土)、22日(日)、センター北駅前広場とプレミアヨコハマホールを会場に、子どもが主役のイベント、「こどもみらいフェスティバル」が開催されました。以前に取材をした「りんごの木子どもクラブ」の柴田愛子先生の講演会や、親子で楽しめるワークショップもたくさんあると聞いて、家族で遊びに行ってきました。

(text&photo:ながたに睦子)

 

センター北駅前の広場に着くと、そこに現れたのはこんな光景! 子どもたちは自由に遊び、大人はそれを優しく見守り、明るい声や笑顔であふれていた

 

センター北駅前の広場は、普段は何もない芝生広場だそうですが、この日は普段の姿とは一変! アウトドアブランドのテントが立ち並び、その中では楽しそうなワークショップが繰り広げられ、竹で組み上げた砦に子どもたちが我先にと登って遊んでいたり、紙芝居屋さんが自転車でやってきていたり、子どもたちによる駄菓子屋さんがあったり……。いったい、どこからこんなに子どもたちが集まって来たのだろう? というくらいたくさんの笑顔がここかしこで見られました。

大人気だった竹の砦。小さい子も大きい子も、男の子も女の子も、みんなで競い合うように登っていた。傍らで見守る大人たちは、子ども時代を思い出すような懐かしい目で見つめていた

子どもたちによる駄菓子屋。昔はこんな駄菓子屋さんが近所にあって、放課後、おこづかいを握りしめて行ったなんていう経験をした大人も多いはず

 

芝生広場のすぐ後ろにある「プレミアヨコハマ」というファッションビル内でも催しがおこなわれているとのことで、そちらにも足を伸ばしてみました。そこでは、バルーンアート、木の実や布、段ボールを使った工作、アウトドアブランド「CHUMS」によるお絵描きTシャツ、子育て世代にはおなじみ、クレヨンハウスの雑誌『クーヨン』による絵本選びなど…… 大人も子どもも楽しめる、数々の魅力的なワークショップが展開していました。

どんぐり、木の枝、段ボールの破片、毛糸……子どもたちの手にかかれば、次々と素敵なオブジェに変身!

 

こちらは端切れを使ったフラッグ・ガーラント作り。女の子はたくさんの端切れに目をキラキラさせていた

 

二日目にはこのホールで柴田愛子先生の講演会がありました。そこで愛子先生が冒頭に話していたのは、センター北の駅に、こんなに子どもたちが集まってきたということに、まずびっくり! とのこと。そして、子どもがこんなにたくさん集まっているのに、それを叱る大人の声が全く聞こえなかったとのこと。私も本当にその通りだと思いました。おそらく家族で買い物に来たのであろう、少しおしゃれをした家族連れも沢山いましたが、子どもたちは吸い寄せられるように、竹の砦に登ったり、けん玉やシャボン玉で遊んだりしていました。そんな子どもたちを見つめる大人の目は温かく、遊びを中断、制止することはありませんでした。

 

また、二日目のお天気はあいにくの雨模様でした。さすがに雨が降る中で遊ぶ子はいないだろうなあ……と思って、広場にいってみると、なんと、子どもたちはレインコートに長靴姿で、水たまりをじゃぶじゃぶさせながら遊んでいました。子どもには、雨なんて関係ないんだろうなあと、まさに子どもの遊ぶ本能を見た気がしました。

小雨の降る中でのシャボン玉ワークショップ。石けん液でびしょびしょになりながらも、色々な道具を使って、子どもたちはとても自由にしゃぼん玉を作り出していた

 

このフェスティバル、子どもが主役なのはもちろんのことですが、運営しているのは大人たち。当日も100人を超えるボランティアスタッフが集まったと聞いて驚きました。会場には、このイベントを企画した、都筑区のプレイパーク、保育園、幼稚園のスタッフ、地元の方々など、たくさんの大人たちの笑顔があり、子どもが自由に力いっぱい遊べる環境を、大人たちが協力して作り出していることに、素直に感動しました。

竹で作る風車のために使うパーツを、もくもくと作り続けていた地元の方。丁寧な作業に頭が下がる思い

布で作った紙芝居の「なにぬの屋」には、大人も子どもも引き寄せられるように集まり、いつのまにか大きな人だかりに!

 

会場で会った、実行委員会の1人でりんごの木の保育者でもある青山誠さんからはこんなお話が聞けました。

 

「今の子どもたちは、昔みたいに道路や空き地で自由に遊べなくなっているんですよね。そしてキレイに整備された公園などには、子どもが立ち入り禁止の場所があったり、木のぼりをして怒られてしまったりするんです。開発された街は大人が優先、大人に都合良いように整えられた場所が多い。そうではなく、たとえ街中でも、子どもが自由に遊べる場所を提供してあげたい。それは大人の義務でもあると思うんです。そんな思いから、このイベントの実行委員会が出来たんです」

「りんごの木こどもクラブ」の保育者である青山誠さん。少年のようにキラキラした目で、子どもたちの遊ぶ環境の大切さについて語ってくれた

 

こどもみらいフェスティバルの発起人である石飛智紹さんからも、お話を聞くことができました。

 

「このイベントを思いついたきっかけは、子どもの育ちに関する危機感からだったんです。例えば、駅前にレストランがある、その隣には早期教育の看板、そしてまたレストラン、またその隣には早期教育……そんな光景になんだか違和感を覚えたんです。都筑区はまだ新しい地域で、子育て世代は多いけれど、同時にいろいろな情報が混在している街でもある。そんな中で、こんな子どもの遊ばせ方、大人の関わり方もあるという一つの提案をしたかったんです。最初は区役所のスペースや、もっと自然のある公園で開催しようという話もあった。でも、役所を訪れる人や、いつも公園に遊びに来る人たちだけに向けたイベントではなくて、様々な世代の人が行き交う駅前でやりたかったんです。そして、生き生きと遊ぶ子どもたちの姿を、たくさんの大人たちに見せたかった」

イベント発起人の石飛智紹さん。3人のお子さんと一緒にパチリ。石飛さんは野外フェスティバルの先駆け、「フジロック・フェスティバル」の運営も手がけている。今回のイベントも、フジロックKIDSLANDのスタッフが大いに力を貸してくれているそう

 

石飛さんの願い通りに、今日は駅前が子どもたちの笑い声と大人たちの笑顔にあふれていますね、と言う私に、石飛さんからは「このイベントはもちろん今日で終わりではないんですよ」とチラシが渡されました。そこには『こどもみらいフェスは続くよどこまでも…』との文字。こどもみらいフェスティバルをきっかけに、子育て、子育ちをみんなで考え、子どもの自ら育つ力を、大人達で支えていこうというイベントが次々と企画されているそうです。

 

二日間の「こどもみらいフェスティバル」でしたが、今後もどのような魅力的なイベントが開催されるか目が離せません。そしてまた、イベントという形でなくとも、この日のように子どもたちが力いっぱい遊べる場所が少しずつ増えていき、この日見た光景が、当たり前のように見られる未来を作ることは、私たち大人が子どもにしてあげられる大切なことの一つではないかと、この日私は、強く思いました。

Information

今後の「こどもみらいフェスティバル」実行委員会によるイベント情報などはHPでご確認ください。

https://www.facebook.com/KodomoMiraiFestival

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