梨だけじゃない! 横浜のブランド果実、浜ぶどう!! 北八朔町「わたなべの浜ぶどう」
もはや言わずと知れた横浜ブランド農産物「浜なし」。市場に出回らないので“幻の果実”として年々ブランド力を上げています。そして、今注目なのが同じく横浜ブランド農産物に認定されている「浜ぶどう」! 浜ぶどうを栽培している若き女性農家さんが緑区北八朔町にいる!ということで、収穫を目前に控えた「わたなべの浜ぶどう」さんを取材してきました。

横浜の果物といえば「浜なし」ですが、すっかり市民の果実として定着し、多くの方が直売所に並ぶのを楽しみにしています。

でも……ちょっと待って! 横浜市がブランド農産物として認定している果物は梨だけではないのです。さあ、メモのご用意!!

「梨・梅・柿・ぶどう」の4品目が横浜ブランド農産物の果物なのですよ。

その中でも、近年じわり、じわりと存在感を増しているのが「浜ぶどう」。

リポーター小池が、浜ぶどうの代名詞といえる藤稔(ふじみのり)を初めて食べたのは去年のことです。とにかく粒が大きくて、まずは見てビックリ! 口に入れると、甘くて豊潤な味わいに感動したことは、いまでも家族で語り草になっているほどです。

その粒の大きさはなんと!500円玉ほどもある(写真提供:渡邊多恵子さん)

この浜ぶどうを緑区北八朔町で栽培しているのが「わたなべの浜ぶどう」の渡邊多恵子さん。代々この地で農家を営む一家の長女として生まれた多恵子さんは、子どもの頃から農家を継ぐことを意識していたそうです。

現在34歳の多恵子さんは大学卒業後、もうひとつの家業である不動産業の手伝いをしながら、宅地建物取引士の資格や着付けの師範をとりました。そして30歳の時、いよいよ畑の手伝いを始めます。

「わたなべの浜ぶどう」では浜なしも栽培しています。両親と妹の4人で協力しながら、浜なし30アール、浜ぶどう50アールを栽培しています。

北八朔町の田園風景のなかにある渡邊さんのぶどう畑と梨畑

栽培している品種も多彩です。浜なしは2枚看板の豊水・幸水を8割と、あきづき・秋水の4種。浜ぶどうは、藤稔をメインに、ピオーネ・ゴルビー・すいほうなど9品種も栽培しています。

まるで宝石のような多恵子さんの浜ぶどう

父親の幸男さんは「梨だけでは作業が集中してしまうし、天候によるリスクを分散させるためにも、ぶどうの栽培を始めたんです」と話してくれました。

ぶどうの苗木は2007年に植樹をしたのが始まりで、今では栽培面積が浜なしを超えていることから、「わたなべの浜ぶどう」では浜ぶどうにとても力を入れていることが分ります。

そして、多恵子さんは今年から浜ぶどうの代表品種「藤稔」の栽培を任されています。期待のぶどうを娘に託す、幸男さんの多恵子さんに対する親心を感じました。

父親の幸男さんと、多恵子さん。幸男さん担当の梨の木の下で。袋かけはせずに糖度の高い梨を栽培している

取材に訪れたのは藤稔の収穫の1カ月ほど前、7月の中旬でした。

新短梢(たんしょう)栽培をしている15本の木の主枝には、藤稔の房が整然と実っていました。

枝を力強く左右に伸ばす藤稔の木。新短梢栽培は花穂整形・摘粒・収穫などの作業がしやすい

袋かけされた中のぶどうの様子をみせていただくと、ずっしりとした重量感のある大きな粒がピチピチ! していました。多恵子さんが初めて任されて育てた藤稔は、順調に収穫を待っているようです。

枝を力強く左右に伸ばす藤稔の木。新短梢栽培は花穂整形・摘粒・収穫などの作業がしやすい

1房25粒-30粒に摘粒された房は、残りひと月で水分を蓄えてさらに大きくなる。濃紫に色づくのもこれから

「あとひと月で、水分をたくわえてもっと大きくなるんですよ」と多恵子さん。すでに十分大きな実をつけていると思っていたら、ここからさらに大きくなるなんて、生命力ってすごい!

そして、まるでダイヤの原石のように、藤稔の実は、水分をたくわえながら輝く濃紫色へ変化していくのです。その鍵となるのが昼夜の温度差だそうです横浜では25℃を下回らない熱中夜も多いため、水をまいて温度を下げて調整しています。

そしていよいよ8月中旬から約1カ月間、多恵子さんの育てた完熟の浜ぶどうが自宅直売所に並びます!

「当園のぶどうは、さわやかな香りと新鮮な歯ざわりが自慢です!」と多恵子さんが自信を持って言うとおり、毎年このぶどうをたのしみにしているお客さんがたくさんいます。

今年は、みずみずしい浜ぶどうを、浜なしとともに試してみてはいかがでしょうか。

渡辺さんの浜ぶとうは自宅直売所のほか、JA直売所にも卸しています。

そして森のマルシェネットワークでおなじみの鴨居駅マルシェに多恵子さん本人が店頭に立って浜ぶどうを販売予定です! お楽しみに!

hitomi’s point

多恵子さんは浜ぶどうの栽培販売の先に六次産業も視野に入れ、直売所にレストランを並列したいと考えています。すでに食品衛生管理者の資格も取っていて、20代の頃には飲食店で働いていたというから、準備は万全!

若い女性農家さんが、横浜のブランド果物を担うなんてカッコ良すぎます。

収穫前の貴重な時間をいただきまして、幸男さんと多恵子さん、ありがとうございました!

Information

「わたなべの浜ぶどう」直売所

OPEN 8月中旬-約1ヵ月間(月曜定休)

時間 9:30-売切終了

住所 横浜市緑区北八朔町181

TEL 045-931-4473(9:00-17:00)

*その他情報は「わたなべの浜ぶどう」フェイスブックをご覧ください。

 

https://www.facebook.com/watanabenohamabudou

 

小池 一美
この記事を書いた人
小池一美ライター
横浜市青葉区出身。森ノオトのリポーター、走る!ロコキッチン「コマデリ」、焼き菓子販売「トミーヤミー」の3本柱で地元と関わりながら暮らしている。AGRUの小川穣さんとのユニット「labo2(ラボラボ)」では、食の素材と地域を楽しむ活動を展開中。
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