隠れた秋の味覚!? どんぐりを使って親子でクッキング!
冬の訪れを感じる今日この頃。我が家でも里山や公園に出かけては、色のきれいな落ち葉や、可愛い木の実などを集めて楽しんでいます。みんなで夢中になって集めるのは、どんぐり! 工作の材料にしたり、リースの飾りに使ったり……。色々な使い方ができて、見た目も可愛らしいどんぐりですが、今回はそのどんぐりを使って、親子で作れる美味しいおやつのつくり方を紹介します!

(text&photo:ながたに睦子)

 

 

私たち家族の、秋の里山歩きの楽しみの一つは、どんぐり集め。山を歩くと、クヌギ、マテバシイ、コナラ……など、この季節は、様々などんぐりを見つけることができますね。大きな木が私たちを見下ろすように立っていて、大木の子どもたちのようなどんぐりがとっても愛らしく、どんぐりを見つけるとつい、夢中になって集めてしまいます。

 

さて、この可愛らしいどんぐりですが、食べられることをご存じですか? 実は私とどんぐりクッキングの歴史(?)は古く、小学生の頃に遡ります。学校から借りて来た本に、「縄文人はどんぐりをクッキーにして食べていた」と書かれていたのを読み、拾って来たどんぐりを割って、石ですりつぶして、小麦粉を混ぜて、つなぎにはちみつを入れ、適当に丸めてフライパンで焼いて食べたという、なんともワイルドな思い出があります。しかし、そのときのどんぐりクッキーの味はというと……。そこは、小学生の思いつきクッキング。美味しいとは言いがたい味だったと記憶しています。

 

どんぐりは灰汁(アク)が多く、水にさらしてアク抜きをしないと苦くてとても食べられないものが多いのですが、なかにはアクが少なく生でも食べられるものもあるのです。今回クッキングに使うどんぐりは「スダジイ」。クヌギやコナラ、シラカシなど他のどんぐりに比べてほとんどアクがなく、拾ったそばから皮を剥いてポリポリ食べられるのです。今回は、その「スダジイ」を使って作るクッキーを紹介します。

 

ところで、どんぐりの帽子って、なんだかとっても可愛いですよね。クヌギ、コナラ、シラカシ……、みんな特徴的な帽子をかぶっていて、思わず顔を描きたくなります。スダジイは帽子部分に特徴があるので、他のどんぐりとはすぐに区別ができるのです。

 

こちらがスダジイ。「殻斗(かくと)」と呼ばれる、どんぐりの帽子部分が全体を覆っていて、熟すと割れるのが特徴

 

かわいいどんぐりの帽子たち。イラストにするとこんな感じ?

 

さて、どんぐりクッキーの材料調達のため、ある晴れた休日、家族でどんぐり拾いに出掛けました。この日出かけたのは町田市小野路町の里山ですが、青葉区周辺では寺家ふるさと村でも拾えたり、田奈小学校の裏山にある椎木地蔵尊(横浜市青葉区田奈町37-5)には、樹齢500年を超えるスダジイの古木があるそうです。調べてみたところ、横浜市にはスダジイの木が53本もあるそうなので、みなさんがいつも行く公園や里山などにもスダジイの木が生えているかもしれませんね。ぜひ家族で探してみてください。

 

この日一日で収穫したスダジイ。家族で競争するように拾い、かごいっぱいに採れた。冬眠前のリスが集めたみたい?

 

かごいっぱいのスダジイ、まずは水につけて軽く洗います。中には水に浮かんでくるものがありますが、そちらは虫がくっていたり、中味がスカスカだったりするので、この時点でとり除いておきます。次に水気をきって軽く拭いたスダジイを、お天気の良い日に天日干しします。すると、1-3日くらいで表面にひびが入ってくるので、そこに爪を入れパチンと割ると簡単に殻を剥くことができるのです。

 

ひびの入ったスダジイたち。パチン、パチンと割るのもなんだかやみつきになってくる

 

けっこうな数があるので剥くのもなかなか大変。美味しいクッキーができるのを想像してひたすらムキムキ

 

皮をむいたスダジイ。きれいなベージュ色で見かけはアーモンドのよう

 

皮が剥けたら、次はそれを粉にします。フードプロセッサーで砕いたり、ミルなどで挽くと、あっという間に粉になります。少々時間がかかりますが、摺り鉢でじっくり擦るのも、滑らかになっておすすめです。

 

粉にするとこんな感じ。これを小麦粉に混ぜてクッキーを作ります

 

さて、クッキーに使うどんぐり粉の準備ができたので、いよいよ作り方の紹介です。

 

【スダジイクッキー(約20個分)】

小麦粉       50g

どんぐり粉     20g

砂糖        20g

塩         ひとつまみ

ベーキングパウダー 小さじ1

なたね油      30g

水         大さじ1(調整用)

 

<つくりかた>

(1) 小麦粉、どんぐり粉、砂糖、塩、ベーキングパウダーをボウルに入れ、菜箸や泡立て器などでぐるぐる混ぜる。

 

(2) (1)になたね油を入れて混ぜ、生地をひとまとめにする。水分が足りなくてボロボロしてしまったら、水を足して調整する。

 

(3) 生地を5mmくらいに伸ばして好きな型で型抜きし、180度に余熱したオーブンで15-20分くらい焼いたら出来あがり。

 

プロセスはこれだけです。実際につくってみるとわかりますが、とーっても簡単なのです。卵や乳製品も使わないので、アレルギーのお子さまにもおすすめです。

 

どんぐりクッキーの出来上がり! どんぐりのポリポリとした食感が残っていて、香ばしくてとってもおいしい

 

どんぐりがお菓子の材料になるとわかったら、秋のどんぐり拾いも楽しみが広がりますね。この季節、まだまだどんぐり拾いは出来ると思います。家族でスダジイを見つけて、ぜひお子さんと一緒にどんぐりクッキーを作ってみてくださいね。

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