みかんぐみ・竹内昌義さんと語り合った!「最高のエコハウス」ってなんだろう?
「住まいの省エネ」や「住まいのエコ」を進めるにあたり、実際の暮らしではどんなことをしたらいいの? 6月19日に開催した第1回「エコDIY研究会」では、「最高のエコハウス」をつくる建築家・みかんぐみの竹内昌義さんをお招きして、いくつものヒントをいただきました。(text:遠藤聖子)

今年、日立財団環境NPO助成の採択を受け「エコDIYまちづくり」をテーマに活動する森ノオト。プロの技を教えていただきDIYで省エネライフの実験をおこなう「エコDIYラボ」と、有識者を招き学び、参加者同士で対話する「エコDIY研究会」を両輪に、重ねた活動のレポートをすることで「エコDIYまちづくり」の輪を広げようという取り組みをおこなっています。

先陣を切って開催したのが「エコDIYラボ」。第1弾は6月7日(日)、庭乃持田園(川崎市高津区)の持田智彦さんを講師に迎えてグリーンカーテンを作り、好評を博しました。そして次に満を持しておこなったのが「エコDIY研究会」の第1弾。「みかんぐみ・竹内昌義さんと語ろう! 最高のエコハウス」を6月19日(金)にアートフォーラムあざみ野で開催しました。

 

みかんぐみ・竹内さんの登壇とあって建築関係者だけでなく、学生さんやエコな暮らしに関心のある主婦たちの姿もたくさん見られた

 

まずは森ノオト理事長の北原まどかより「エコDIYまちづくり」の目指すものについての趣旨説明からスタートです。今後の低炭素社会づくりのキャスティングボードを握る女性からの発信の重要性や、2020年の常識になると予測される低炭素社会ネットワークづくりにおける市民部門の担い手になるべく、森ノオトが「エコDIYまちづくり」を企画したという熱いメッセージをお届けしました。

そして、いよいよ竹内昌義さんのお話です。東北芸術工科大学教授の竹内さんは「山形エコハウス」(建築学会賞受賞)をはじめ、エコ建築やリノベーションを得意とする日本を代表する建築家で、事務所のある横浜市内の建物のリユースや再開発プロジェクトなども手がけています。そんな竹内さんがエコについて本格的に取り組み始めたきっかけは東日本大震災。「あるきっかけで生活が一変するのかな」と感じるようになったと語ります。それはまるで「iPhone」や「プリウス」が登場した時のように、発売当初は既存のものとは概念が違いすぎて受け入れられまいと思われていたものが、今ではすっかり「あたりまえ」に。それは家づくりにおいても同様で、断熱に対する意識の低い日本でも、何かのきっかけで断熱を十分にほどこし、適切なエネルギーの使い方をすれば「最高のエコハウス」があたりまえになるのではないかと、EU、特にドイツの取り組みの事例を交えて分かりやすく解説してくださいました。

ここで誤解をしてはいけないのが、電気を使わないことが豊かになることを放棄すること、ではないこと。電気を全く使わない、というのは現代社会ではほぼ不可能なので、例えば熱源を要する給湯や暖房では太陽の熱などを効率的に利用し、電気でしか動かない家電では電気を利用する、という適切なエネルギーの使い方をすると、エコな暮らしにつながる第一歩になるのです。

そしてこの日、最も参加者一同が納得のうなり声をあげたのは、住まいにおけるエネルギーコストを見える化して「建物の燃費」という概念を顕在化させていくべき、という竹内さんの提案です。自動車の燃費はいまではあたりまえになっています。これはまさにエコな暮らしにおける「未来のあたりまえ」をつくるということ。「住宅のエネルギーコストが年間どれくらいなのか」という意識をもつことで、自分の暮らしと環境に対する関係が一気に密接になっていきます。

竹内さんのそんな思いが詰まった逗子の家、岩手県紫波町の家、小倉の家などの事例を見ながら「わたしたちのエコDIY」のイメージを膨らませました。

あっという間の講義を終え、5グループにわかれて対話のセッションに移りました。各グループのアイデアはいずれも楽しく、おもしろく、今すぐ簡単にできそうなことばかり。例えばグリーンカーテンを利用した遮光だけでなく、ダウンジャケットやセーターを使用した断熱や、窓に取り外し可能な内窓を設置して二重窓にする! など。そもそも家の中でどこが寒いのかをサーモグラフで測定することからはじめても良いのでは、というアイデアもでてきました。

日本人は「住めば都」で多少不便でもそれを良しとする考え方があるけれど、一度「快適性」を得るとそれが「あたりまえ」の世界になっていくもの、と竹内さん。温度変化にも敏感になっていくそうです。だからこそ私たちが今暮らしている住宅でより快適に暮らせるよう、断熱を施して適切にエネルギーを取り入れ、使用していくことが「最高のエコハウス」づくりの第一歩となるのです。

 

ワークショップでは印象に残ったキーワードを元にわたしたちのエコDIYについてグループ毎でセッション。森ノオウチで実践したいアイデアがたくさんうまれた

 

そして「最高のエコハウス」が「あたりまえ」になれば、環境に配慮することが特別なことではく、未来の住まいのあるべき姿になるのかもしれないと感じさせられました。

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