自然にも人にも優しく心地よい‘場’を創る職人! 佐藤光榎さん
【リポーター養成講座受講生修了レポート:山田 幸】庭という場を通じてエネルギーや廃棄物の問題に取り組む、多彩な職歴をお持ちの庭創りのプロ。独立して8年目、2016年1月には事業形態を法人化し、新たな一歩を歩み始めた株式会社プランティグ/jardinier Kirikui代表、佐藤光榎さんにお話しを伺いました。

いつも庭のことを考えているという佐藤光榎(さとうこうか)さん。5年前に我が家の庭づくりを佐藤さんにお願いしたことがきっかけで、お付き合いが始まりました。私達の理想の庭は、創り込まれていない、里山の風景のような庭。そんな希望の庭を見事に形にしてくれました。そして現在も木々や植物の成長に合わせた手入れを定期的にお願いし、経年経過を楽しみながら佐藤さんとともに創り続けています。

 

佐藤さんにお話しを伺うと、子どもの頃の体験や、大学を卒業してからの様々な経験を通して、今があるようです。

土に還る固化材を使い、花壇を積み上げる作業を黙々とこなす

土に還る固化材を使い、花壇を積み上げる作業を黙々とこなす

幼少の頃、お母さまに連れられよく遊びに出掛けていた自宅近くの新宿御苑。大きな木々、広い芝生、鯉のいる池、細かい砂利の敷かれた園路、そして少し遠くに見える高層ビル……。

 

誰もが、幼い頃によく見ていた景色にインスピレーションを感じることがありますが、佐藤さん曰く「新宿御苑は都会の中の半自然=庭であり、その風景を追い求めて今の仕事に辿り着いた、そんな見方もできるのかもしれません」

 

大学卒業後、文章を書くのが好きだったので、文章に関われる仕事に就こうと思ってみたものの、なぜか農家で働くことに。農家で数年働いた後、交通誘導、引っ越し屋、地域のミニコミ紙の営業・編集、塾講師、外構やエクステリアの会社など様々な分野の職種を経て、植木屋に弟子入りしました。そして、8年前に独立したのです。

 

「自分で体を動かしてわかったことがたくさんあった。そういった意味では最初に農家で働いたことは特に大きくて、そこから自然や環境問題に興味が湧いたんです」とのこと。

 

佐藤さんの庭創りの仕事を拝見していると、環境に優しい仕事ぶりに安心感を覚えます。例えば、我が家の庭では、このような配慮がおこなわれていました。

 

○素材を再利用…その場にある物を使うことで、輸送エネルギー、無駄なお金を使わない。又は不要になった造園資材を他の生かせる場所で利用。

 

○できるだけ自然に還る素材を使用…廃棄物の減少。Kirikuiではモルタルの代わりにレンガ積みの目地や雑草対策に、酸化マグネシウムを主成分とする土を固めた固化材、屋外でも長持ちし焼却しても有毒ガスを発生させない国産の杉材、熱伝導率が低く太陽の照り返しを少なくする瓦リサイクル砂利や土に還るウッドチップを施主様に提案。

 

○必要以上に頑丈に創らない…もし、取り壊すことになった時には、解体するエネルギーを抑える。

 

……など、素材に有害物質を含まないのはもちろんのこと、自然や人に対して様々な配慮がなされています。

酸化マグネシウムを使用した固化材。配合の割合は佐藤さん独自のブレンドだ

酸化マグネシウムを使用した固化材。配合の割合は佐藤さん独自のブレンドだ

 

外からの目線を遮るウッドフェンス。膝下ほどの高さのレンガのフェンスがよいアクセントとなり、家の中から窓の外を眺めるのが楽しみになりそうだ

外からの目線を遮るウッドフェンス。膝下ほどの高さのレンガのフェンスがよいアクセントとなり、家の中から窓の外を眺めるのが楽しみになりそうだ

 

 

「原発の問題にせよ、有害物質や自然破壊の問題にせよ、人間が引き起こすものである以上、根っこはひとつのはずです。省エネを心がけるとか、有機農業を応援するなど、具体的な行動はもちろん大事なことですが、環境問題を引き起こしている人間の思考パターンと、それによって作られる社会経済のシステムを知ることで、こういうややこしい問題に向き合う時のふるまい方を学べるのではないでしょうか」と、冷静でありながらも熱い思いを語る佐藤さん。

 

この様なことについて考えた佐藤さんなりの暫定的な答えを、庭創りあるいはKirikuiという事業全体を通じて表現して、賛同して下さる方たちとより良い方向へ進むための方法を考えていきたい、とも。

 

自分も仲間もお客さんもそこを通りがかった人も、庭と関わる全ての人が心地良い場所を創りたい、庭はひとつのメディア、という思いを持って今日も作業を続けるKirikui・佐藤さんのこれからの庭創りに注目です。

Infomation

株式会社 プランティグ/jardinier Kirikui 代表 佐藤 光榎

TEL:070-5366-4589

E-mail:hello@kirikui.com

HP:http://www.kirikui.com

山田 幸
この記事を書いた人
山田幸ライター
大学生から小学生まで、年の離れた三人兄妹を育てながら、今日もダジャレで子どもの心を鷲掴みする肝っ玉母さん。子どもの年代に合わせて親子の関わり方を変えていくさじ加減が楽しくて仕方がない。その包容力は森ノオト編集部メンバーの精神的支柱にもなっており、影のチアリーダーと呼ばれている。
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