恥ずかしがらずに、声ボラしよう! 盲導犬をサポートするために。
はじめの言葉は、「お手伝いしましょうか?」—— 一般社団法人盲導犬総合支援センター発行の「声かけパンフ」で、盲導犬ユーザーのお手伝いの方法をみんなで学びませんか。

20168月、東京都内の地下鉄ホームで、盲導犬を連れた視覚障がいのある男性が線路に転落して死亡した事故がありました。各メディアが報道していたのでこの事故について記憶に残っている方も少なくないと思います。

視覚障がい者が電車のホームから転落したり列車と接触したりした事故は多発しており、国土交通省は昨年の事故直後から、ハード・ソフト両面からの転落防止に係る総合的な安全対策の検討会を実施しています。

そんななか、2004年から市民レベルで視覚障がい者が暮らしやすい社会づくりができないかと活動を続けているのが、都筑区にある一般社団法人盲導犬総合支援センターです(以下、盲導犬総合支援センター)。

 

一般社団法人盲導犬総合支援センター理事の佐々木義明氏。2015年から森ノオトエリアでもある横浜市都筑区に移転している

 

 

同団体は、盲導犬の普及活動や支援事業を、ビジネスの手法を活用して取り組むソーシャルビジネス団体です。主に、チャリティーグッズ販売、交流イベントの開催、企業社会貢献事業との提携等を行っています。

 

昨年の事故は、盲導犬総合支援センターにとっても大きな転機となりました。

事故が起きた時に周りに人がいたという状況を知り、「なぜ線路に落ちそうな人を助けられなかったのか……」と感じたそうです。

 

しかし、手助けを躊躇してしまっている人が多い理由に、実は、お手伝いをしたい気持ちがあっても、視覚障がい者に出会った時に、次のように感じてしまう人が多いことがわかりました。

 

「なんて声をかけたらいいのかわからない」

「余計なお世話になるかもしれない」

「盲導犬を驚かせてしまうのではないか」

 

「お手伝いの方法がわからないということが、周りの人と視覚障がい者との間に空いてしまった距離の原因だったのです」と、盲導犬総合支援センター理事の佐々木義明さんは話します。

そこで、誰もが気軽に視覚障がい者に声をかけやすい、声をかけられやすい社会をつくろう! と、同センターが20171月に立ち上げたのが、一口1000円で誰でも気軽に支援ができる「盲導犬応援プロジェクト」です。

実はリポーター小池は、取材をする前からこのプロジェクトに賛同し、参加していました。

 

「盲導犬と一緒だから大丈夫だろう……」とは思わずに。盲導犬ユーザーはあなたからの「お手伝いしましょうか」の声のボランティア(声ボラ)を待っている

 

プロジェクトの目標はズバリ2つ!

  1. 盲導犬ユーザーに、お手伝いのお願いが伝わる「声かけ缶バッジ」を、盲導犬頭数(20163月現在)と同じ966個プレゼントすること
  2. 盲導犬ユーザーへの声かけの方法が学べる「声かけパンフ」を100万部配布すること

 

プロジェクトスタート直後から支援の輪は広がり、「声かけ缶バッチ」は2017314日現在194個の配布が実現しています。

実際に盲導犬ユーザーからは、缶バッジを着用してから声をかけてもらえる回数が増えたと、喜びの声が寄せられているそうです。

 

「盲導犬ユーザーは、盲導犬と一緒だから大丈夫だろう」と思われがちですが、実は「お手伝いしましょうか?」のひと言は、とてもありがたいことなのだそうです。

そんな盲導犬ユーザーへのお手伝い方法がわかる「声かけパンフ」も20175月に完成、配布が始まっています。

「声かけパンフ」は、出来上がり直後に森ノオウチに届けに来てくれ、さっそく森ノオトメンバーに配布しました。

 

地域性を今後深めたいと考えている、盲導犬総合支援センター法人営業部リーダー平井賀子さん(左)と佐々木氏。森ノオトの活動についても関心を寄せている

 

プロジェクトは目標達成に向けて着実に実践されています。

また、盲導犬総合支援センターではチャリティーグッズ販売も積極的に行っています。

 

市民による日本最大級の地球フェス「アースデイ」にも毎年出店するなど、グッズの販売も精力的に行っている(写真提供:盲導犬総合支援センター)

 

 

盲導犬がいる社会が自然になったり、声かけでうまれる笑顔のきっかけづくりなってほしいと生まれたオリジナルキャラクター「もうどう犬 エルくん」のグッズも販売されています。

「モノやキャラクターをきっかけに、盲導犬について知ってもらいたい。しかしモノが売れない時代だからこそ、もっとモノやコトに意味や価値をつけたいと考えています。盲導犬応援プロジェクトは、そのカタチづくりにもなっていると思います」(佐々木氏)

 

 

さらに、毎年11月には、障がい者も健常者も垣根なく参加できるイベント「チャリティー・スマイル・ラン」を開催しています。

イベントでは1チーム(25名)で競技場内のランニングコースを2時間で何週走れるかを競います。一方で参加者全員の走行距離で日本一周を目指すという、チーム戦ながらも参加者が一体となって興じられる内容です。今年は1112()に日産フィールド小机で開催予定です。

 

2016年の日産スタジアムで行われた様子。今年はライター・小池と森ノオト代表の北原まどかがチームを組んで参加予定。一緒に走ってくれる人募集!(写真提供:盲導犬総合支援センター)

 

参加費は補助犬育成支援・啓発活動に役立てられる。日本の盲導犬ユーザーは約1,000名に対し、盲導犬の利用を望んでいる視覚障がい者は約3,000名。世界的にみても日本は低水準だという(写真提供:盲導犬総合支援センター)

 

最後に、読者の方にぜひお伝えしておきたいことがあります。

実は、盲導犬ユーザーや、白杖(はくじょう)を持っている人は必ずしも全盲ではありません。視覚障がいの手帳を持っている人は全国に約30万人いますが、見え方はそれぞれに異なります。

うっすらとなら文字を読める方もいるのです。

 

実際に「白杖を持っているのにどうしてスマホをみているんだ!」と心無い声をかける方もいるそうです。視覚障がい者や盲導犬、障がい者とそうでない人が、自然に共生できる社会をつくるカギは、きちんとした情報を知ることです。

盲導犬応援プロジェクトの支援の輪が広がり、「声かけパンフ」が100万部、200万部と配布されて、声のボランティア(声ボラ)の輪もどんどん広がる未来がたのしみです。

 

はじめの言葉は……「お手伝いしましょうか?」ですよ!

Information

一般社団法人盲導犬総合支援センター

ホームページ https://goguidedogs.jp/

フェイスブック https://www.facebook.com/GoGuideDogs/

小池 一美
この記事を書いた人
小池一美ライター
横浜市青葉区出身。森ノオトのリポーター、走る!ロコキッチン「コマデリ」、焼き菓子販売「トミーヤミー」の3本柱で地元と関わりながら暮らしている。AGRUの小川穣さんとのユニット「labo2(ラボラボ)」では、食の素材と地域を楽しむ活動を展開中。
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