ヒュッゲな時間のおともにどうぞ。 パン屋さん「HYGGELIG」(ヒュッグリー)
東急田園都市線市が尾駅前の喧騒から少し離れた地に、昨秋オープンしたパン屋さんがあります。一見、パン屋さんには見えない店構えですが、ドアを開けると目に飛び込んでくるのは種類豊富なパン。芳ばしい香りに包まれながら店主にお話を伺ってきました。

東急田園都市線市が尾駅・西口から坂を下ること3分。夏から秋になる季節のころ、息子と二人、お散歩の途中でコインランドリーのお隣に見つけたのは、小さなパン屋さん「HYGGELIG」(ヒュッグリー)でした。

 

パン屋さん激減区と言われる青葉区ですが、市が尾駅周辺には、駅ビルの中に大手のパン屋さんが入っているくらいで少なく、国道246号線を超えた先にあったパン屋さんもいつの間にか閉店。個人経営のパン屋さんが、再び市が尾駅界隈に開店したのは、私にとって嬉しい発見でした。

 

でも、3歳の息子とパン屋さんに入るのはドキドキします。食いしん坊の我が息子、言い聞かせても目の前に並ぶ美味しそうなパンについつい手が出そうになる。手で触らないようトングを持たせてみれば、今度は自分でパンを掴みたくて仕方がない……。でもそんな息子の様子もお店の方たちはあたたかく見守ってくださいました。

 

目印は看板のらくだ。オーナーシェフの滝沢さんがらくだに似ているのだとか?!近所の子どもたちからは「らくだのパン屋さん」と親しまれている

滝沢佑介さんと香織さん。香織さんはサンドイッチ作りと販売の担当

 

今回、お話しを伺ったのはオーナーシェフの滝沢佑介(たきざわ ゆうすけ)さん。滝沢さんは1歳と5歳のお子さんのお父さんとあって、お店に子連れで来られるのも大歓迎だそう。

 

誰にでも喜んでもらえるお店にしたいという想いから、店名をHYGGELIG(ヒュッグリー)はと名付けたそう。HYGGELIGはデンマーク語で、「居心地のいい」という意味で、日本でも時々耳にするようになった「ヒュッゲ」の形容詞形です。偶然、滝沢さんの奥様の香織(かおり)さんがラジオで聞き、その響きが気に入り、意味を調べたところ、お店の名前にピッタリだと思ったのだとか。お店の名前が表す通り、子連れでも居心地がよく、入りやすいお店です。

 

店内飾られているらくだの切り絵。背中にパンを乗せている姿が愛らしい

 

パンの原材料にも気を使い、小さな子どもでも安心して食べられるように選んでいるのだとか。マーガリン、ショートニングは一切使わず、油脂はバターのみ、ベーキングパウダーはアルミフリーのもの、砂糖は上白糖やグラニュー糖ではなく、きび砂糖を使用しています。

 

お惣菜パンやサンドイッチの具材も全てお店で手作りしていて、使われる原材料もできるだけ、近隣のJAで地場の野菜を仕入れしています。誰でも安心して食べられるよう原材料にはきめ細やかに配慮し、一から手作りするのは、小さなパン屋さんではなかなかできることではありません。そして何より、私が息子にパンを食べさせる時の懸念だったトランス脂肪酸や精製度が高い砂糖が使われていないと知り、安心しました。

 

もう一つこのお店で驚くのは、お店の規模に対して商品の種類が多いこと。数を聞けば、なんと60種類のパンを毎日焼いているのだそう。パンを焼くのは滝沢さんお一人なので、思わず「大変じゃないですか?」と聞いてしまったほど。滝沢さんは苦笑いしながら「大変と感じることもありますが、たくさん種類がある方が、選ぶ方は楽しいでしょう?」と答えます。私自身もお店に来るたび、新しいパンと出会い、今日は何を買おうとワクワクしながら、商品を選んでいます。

 

滝沢さんの一番のオススメはバケット。レーズンから起こした自家製の酵母を使用

人気の惣菜パンは、お昼時に合わせて焼きあがる。あっという間に売り切れる日があるほど人気

 

HYGGELIGは小さな小さなパン屋です。オーナーシェフがたった一人で、厳選された材料を使い、コツコツとパンを焼く。それでも毎日、約60種類のパンと3〜4種類サンドイッチが店頭に並び、あたたかくお客様をお迎えしています。長くこの地で続いて欲しい、そう応援したくなるパン屋さんです。

Information

「HYGGELIG」(ヒュッグリー)

住所:横浜市青葉区市ヶ尾町1155-2

東急田園都市線市が尾駅 西口から徒歩3分

電話:045-500-9275

営業時間:8:30〜19:00(売り切れ次第閉店)

定休日:日曜日・祝日

Instagram:@hyg_b

 

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この記事を書いた人
藤本エリライター
外食産業と広告制作会社でマーケティングを担当した後、有機的な食や暮らしに関わりたいと、ドキュメンタリーの世界へ。惚れ込む作品に出会い、自身で配給したくなり「たんぽぽフィルムズ」を設立。2021年に長野県東御市に移住し、映像の世界観を自身でも実践すべく奮闘中。
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