ナス名人・高瀬嘉秀さんに聞く!”美ナス”の秘けつ
ナスの季節がやってきました! はまふぅどコンシェルジュのわたくし、ナスが大好物。横浜にナス作りの名人がいると聞きつけ、港北区新羽町の高瀬嘉秀さんを訪ねました。ナス栽培のこだわりやおいしいナスをいただくヒントをご紹介します。

ナスが実をつけ始めた5月下旬、横浜市港北区新羽町の高瀬嘉秀(よしひで)さん(44)の畑を訪れました。ナスを栽培して約20年。横浜市内の品評会で、毎年優秀賞を受賞している“ナス名人”です。出荷先のスーパーでは、皮も実も柔らかと評判です。「高瀬さんのナスはまだ出ないの?」と心待ちにするお客さんもいるそうです。

 

取材には、横浜市のベテラン農政職員の方が同行しましたが、高瀬さんのナス畑を見て「こんなにきれいな畑は見たことがない」とポツリ。整然とした光景に、私も驚きました。

控えめな人柄ながら「やるからには徹底的にやりたい」と話す高瀬さんのナス畑(写真:末永えりか)

 

地面には、びっしりと敷き詰められた「わら」。うねには、高さ2メートルほどに組まれたトンネル。敷きわらは、乾燥を防ぐほか、雨が降って泥が実にはねないようにしたり、雑草を抑えたりする役割があります。ビニールシートでの代用が一般的ですが、わらは収穫期が終わればそのままトラクターで土中にすき込んでしまうそう。「片付けが楽だからね」と高瀬さん。環境への負荷も少ないのです。

5月下旬のナス畑。1,000平米弱の畑でナスを育てる

夏場、ほぼ一人で畑を管理しているため、この畑づくりは作業の効率を考えた結果と高瀬さんは言います。ナスは2メートルほどの高さに育っていきます。この方法だと、雨や風で倒れたとしても、通路側に広がらずに、誘引しやすいのだそうです。また、ナスが地面からV字型に広がるようにネットを張り、中側に育つ実にも光が行き届くようにとの配慮がなされています。もともとはキュウリを育てていた畑で、その形状をナス栽培に生かしています。

 

「ナスは夏野菜の中でも面倒をよくみる野菜」と高瀬さん。試行錯誤しながら、自分なりの栽培法を生み出してきた(写真:末永えりか)

 

ハリ、ツヤのあるおいしいナスを育てるためには、水分管理が肝心と言います。高瀬さんは「ナスはほぼ水分でできているので、乾燥に弱いんです。気候の影響を受けやすく、雨が少ないと曇った感じのナスになってしまう。そうなると商品価値がなくなってしまいますから」と話します。

 

今年の関東地方の梅雨明けは6月29日と、これまでになく早く、期間も短い梅雨シーズンでした。ナスにとっては厳しい気象条件のため、水やりにはとても気を使っているそうです。

 

とげなし千両二号、筑陽、タイ品種のマクアプロの3品種を育て、最盛期には毎日4、50キロを収穫する(写真:末永えりか)

 

ナスは、収穫期が他の夏野菜に比べてずっと長いのが特徴です。高瀬さんの畑では、6月から霜が降りる前の11月ごろまで本格出荷のシーズンが続きます。そのため、期間を通じてナスがしっかりと育つように肥料を管理することも重要だそうです。

 

ナスは収穫後、時間が経つにつれて水分が抜けていってしまいます。高瀬さんは、みずみずしいナスを食卓に届けようと、毎朝4時半ごろから収穫作業に入り、できるだけその日のうちに出荷しています。市場出荷のほか、半分以上は近隣のスーパーに納めており、鮮度の高いナスを味わえるのが横浜野菜としての魅力だと語ります。

 

都筑区のスーパーで購入した高瀬さんのナス。地元の生産者の野菜をスーパーでも買えるのはありがたい

 

取材後、7月に入りスーパーに並ぶ高瀬さんのナスを買って、いただきました。切り口が真っ白で、見た目にも、しっかりと水分をもったみずみずしさがあります。生を口にしてもえぐみがなく、軽く炒めていただくと、ほどよいハリと柔らかさで、旬の作物ならではおいしさを感じました。

 

おいしいナスは、どうやって見分けたらいいのでしょう。

「見た目のツヤとハリが鮮度のポイントです。収穫後はできるだけ早く食べて、保存の際には乾燥を避けて、日の当たらない場所で湿らせた新聞をかけておくといいですよ」と高瀬さん。

鮮度が味の決め手となるナスこそ、地場野菜の底力が見えるかもしれません。生産者が手塩にかけたみずみずしいナスを、ぜひ味わってみてください。

 

Information

<高瀬さんのナスが買えるお店>

文化堂 仲町台店

住所:横浜市都筑区仲町台1-29-22

営業時間:10:00〜23:00(日曜のみ9:00〜23:00)

梶田 亜由美
この記事を書いた人
梶田亜由美ライター/スタッフ
地元・富山の新聞記者、ウェブやがん啓発関係の仕事を経て、出産後にライティングの仕事を再開。2016年から森ノオトの事務局スタッフとして編集部とファクトリーを担当。布小物とメディアを融合させた新しいものづくりに挑戦中。読書好きで、親子でくつろげるまちの古本屋さんを開くのが夢。
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