両手から広がる「つくる」の魅力発信基地!クラフトカフェ「CON LE MANI(コンレマーニ)」
【森ノオトインターンシップ修了レポート:上野日向子(編集:宇都宮南海子)】青葉区奈良町の奈良北商店街。昔ながらの商店街の一角に、異彩を放つクラフトカフェ「CON LE MANI(コンレマーニ)」があります。店頭には野菜、全面ガラス窓から見える店内には、服にバッグにアクセサリーに洗剤?!「なんのお店?」と思わず扉を開きたくなるコンレマーニの魅力に迫ります。

横浜市青葉区奈良町の奈良北商店会は、横浜高速鉄道こどもの国駅からバスで10分ほど、町田市と川崎市麻生区に隣接した地域にあります。アーケードに懐かしさを感じる商店街の一角に、2016年11月に「CON LE MANI(コンレマーニ)」がオープンしました。本屋さんと、とんかつ屋さんに挟まれたコンレマーニの木製の大きな扉を開けると、店主の矢幅英美さんと宏至さん夫妻、そして7ヶ月の凪くんが出迎えてくれました。

 

「お茶お出ししますね」と、小さなカウンターキッチンに並んでいるたくさんの種類のイギリス紅茶「Brew Tea」の中から、英美さんがアールグレイを入れてくれました。初めての取材でとても緊張していた私ですが、店内のあたたかな照明や美味しい紅茶をいただいて、すっかりリラックスしていました。

店内の奥はご夫婦それぞれの制作の場で、時にワークショップスペースとして使っている。設計士である英美さんのお兄さんが設計を手がけた店内は、カフェスペースとキッチン、アトリエが部屋を分けることなく、ワンフロアでつながりながら機能している。英美さんのつくった日常着も販売されている

「CON LE MANI(コンレマーニ)って、イタリア語で“両手で”という意味なんです。手仕事の良さの発信だったり、手をかけてつくられたものの魅力を伝えていく場にしたいという思いを店名にしました」とシャキシャキと丁寧に話す英美さん。

 

店内に入って中央と窓際のテーブル、背の高いカウンターを見ると、飲食店であるとわかりますが、ぐるっと店内を見渡すと、彫金や天然石のアクセサリー、バッグ、帽子が並んでいるかと思えば、洗剤や石鹸、ハーバリウム、ハチミツ、ミックスナッツなど、衣食住の手仕事にまつわるさまざまな商品が、センス良くディスプレイされています。店内後方では、ミシンを時間貸ししていたり、裁縫・陶芸から、リフレやコスメのワークショップも開催しています。

写真中央のボトル洗剤は、森ノオトでも取材したナチュラル洗剤「LIVRER」。知人からのつてでつながったクリエイターたちの商品をセレクトしている。「ものづくりと向き合って、それで生計を立てているクリエイターさんの商品を置くようにしています。ものづくりの価値を正しく発信していきたい」(英美さん)

川崎市中原区の食材量り売り専門店「バルクフーズ」のミックスナッツは、コンレマーニオリジナルで厳選ミックスされたもの。イギリス紅茶Brew Teaのポップなパッケージは店内のあちこちに飾られている。二人が惚れ込んだ商品たちが並んでいる

 

実は、英美さんは「Sorrisino(ソリズィーノ)」という名前で衣装デザイナー、宏至さんは「Kojito(コジト)」の名で彫金師として、それぞれ活躍しているデザイナーご夫妻なのです。お二人ともにデザインから制作まで一貫しておこなっています。

彫金師の宏至さんの作品。幼いころからものづくりがとにかく好きだった宏至さん。イタリアやニューヨークでの海外経験での刺激も作品に生かされている

そんなお二人が、どうしてカフェを?と尋ねると、
「幼少の頃、私が住んでいた栃木県芳賀町はコンビニやスーパーも近くにない田舎で、高校も遠かったんです。その頃から“家から歩いて行けるお店”とか“帰りにちょっと寄れるカフェ”のような“地域に根ざしたお店”に強い憧れがあったんです」と英美さんは話します。

 

結婚後は、宏至さんの地元でもある青葉区で暮らしながら、オーダーメイドで衣装をデザイン・制作し、息抜きに料理をする日々。そんな中、自宅から徒歩10分ほどの場所に、今の物件の情報を聞き、ずっと夫婦で趣味だった料理を提供できる場と、工房を兼ね備えた場を始める決心をしたと語ります。

 

店内ワークショップスペースで開催された、整体師集団「SPICE」の皆さんによる、季節に合わせた身体のメンテナンス講座の様子。お子さん連れの参加者も

「コンレマーニ = 両手で」と言っても、いろいろな意味がありますよね。お二人が制作した衣装やアクセサリーはもちろん、お店で提供している料理も「手をかけて」つくられていることを感じます。

 

 

メニューは定番のガパオライスなどに加えて、お客さんのリクエストやその日の仕入れや季節に合ったメニューを創作でつくることが多いそうです。私がお店に伺った時にも、鶏肉と野菜をピーナッツバター、アーモンドバター、スイートチリソースで炒めた創作アジアンプレートをとても美味しくいただきました。

 

地元農家のはやし農園さんの野菜は店内での料理に使われているだけでなく、軒先販売もされています。新鮮な地元の素材を使いながら、お二人のエッセンスが加わった料理には、家庭的な温かさと独創性も感じます。

 

矢幅宏至さんと英美さん夫妻、そして7カ月の凪くん。まだ学生の私には、家庭も仕事も一緒にできる夫婦に憧れます

お二人は、小学1年生と3歳と7カ月の3人のお子さんの子育てをされているお父さんとお母さんでもあります。お店をオープンした後に生まれた凪くんは、産後1カ月からお店に一緒に立っているというので驚きました。

 

「子連れで営業していることで、遠慮されるお客様もいるし、それでも来てくれるお客様もいます。私は“子どもがいる”、というのは自然なことだと思っているので、それを受け入れてくれる地域になっていったらいいなと思っています」とあくまで自然体な英美さん。

 

私が伺った際にも、お店に来たお客さんが、凪くんをまるでお孫さんのように抱っこしてあやしているシーンに出会いました。「コンレマーニ(両手で)」という言葉には、「両手で包み込むような温かさ」もあり、それをこのお店が表現しているように感じます。

 

「お店をオープンしたことで、子育ての仕方もこれまでの仕事もやり方が変わってきました。自分たちの生活を成り立たせることと、クリエイターの思いを知ってもらうこと、あとはどんな風に地域に貢献できるのか、そのバランスを考えながら、ずっと試行錯誤しながらやっているところです」。そう話す英美さんは、何足もの草鞋を履いている大変さを感じさせない、大らかであたたかな笑顔が印象的です。

 

現在学生である私は、就職活動を控え将来や仕事に対して不安を持っています。この取材を通して、英美さんと宏至さんのように、好きなことを仕事にしながら、家族が生活しやすい環境づくり、自分の仕事の思いが伝わる方法を常に模索している姿勢に憧れます。そしてお店を通して、地域や、お店に訪れる人のことを思って運営されているところに、尊敬の気持ちを持ちました。
私自身も、これから仕事をし、家庭を持つときが来ると思いますが、英美さんの仕事や家族への愛情と情熱はいつまでも私の心に残っていくだろうと思います。

 

つくることー。

その裏側にある作り手の思いも体感できる、クラフトカフェ「コンレマーニ」。青葉区の奈良北商店街から発信される手仕事の魅力を感じに、ぜひ足を運んでみてくださいね。

Information

CON LE MANI(コンレマーニ)

住所:横浜市青葉区奈良町1670-221(奈良北商店街内)
電話:045-530-5647

営業時間:9:00〜17:00

定休日:木曜・日曜(不定休)

FBページ:https://www.facebook.com/cafe.conlemani/
Instagram:@café.conlemani

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