素朴な空間でアフタヌーンティーはいかが? 青葉台の隠れ家「喫茶ノバナ」
東急田園都市線青葉台駅から歩いて15分ほど、青葉区桜台にあるビンテージマンション・桜台ビレジの裏に、まるで隠れ家のように佇む「喫茶ノバナ」。ご自宅の一部を開放したそのお店は、看板娘ならぬ看板猫のいる、まるでおばあちゃんのお家に来たようなあたたかさを感じます。店主の岡島美花さんにお話を伺ってきました。

私が喫茶ノバナの存在を知ったのは2017年11月にお店がオープンした頃、子育てサークル「たんぽぽクラブ」の活動中に手にした一枚のチラシでした。サークルの卒業生の方がご自宅の一部を開放してお店にされていると聞いて、「おうちでカフェをオープンするなんて素敵!行ってみたい!」と思ったと同時に、当時私はまだ働いていなかったので、おうちで働くということにも興味を持ちました。

 

初めてお店を訪れたのは1月の寒い日でした。お店に向かう道中、バス通りを1本中に入った裏通りにようやく看板を見つけ、階段を登った先には、どんな空間があるんだろうとワクワクしたのを覚えています。

 

店内に入ると、優しい笑顔で迎えてくれたのは、店主の岡島美花さんと、ふわふわした猫のダイちゃんです。私の実家にも猫がいて、ずっと猫と一緒に生活をしてきたので、猫が側にいるのは普通のこと。ダイちゃんを抱っこしてそんな昔の自分の生活も思い出し、懐かしい気持ちになりました。岡島さんの人柄が滲み出るその素朴であたたかな喫茶ノバナの雰囲気に惹かれて、ほっとしたい時、岡島さんと飼い猫のダイちゃんに会いに何度かお店を訪れるようになり、その度にほっこりした気持ちになりました。

 

喫茶ノバナは岡島さんのご自宅の1階をお店にし、洋室のテーブル席に2名、座敷のテーブル席に8名座ることができ、座敷はお茶席にもできる造りです。紅茶、日本茶、中国茶が楽しめる喫茶であり、時間帯に関係なく、お店の看板メニューの「アフタヌーンティーセット」や「すじ肉スパイシーカレーセット」、「スモークサーモンサンド」などの食事メニューと、焼き立てのスイーツやケーキを常時5種類ほど用意しています。お茶がポットで出てくるので、気楽にのんびりと友達との会話も楽しめますし、1人でゆったりと過ごすこともできます。

 

岡島さんが喫茶ノバナを開店するまでのお話を伺いました。開店日の11月22日は、「いいにゃーにゃーの日)です。子どもの頃から動物が大好きだった岡島さんは、2008年にずっと一緒に暮らしていた相棒猫「むうちゃん」を亡くします。そのショックは大きく、一時期は体調を崩したそうです。岡島さんを心配する家族のアドバイスもあり、横浜市青葉区荏田町にある「譲渡型猫カフェ ブラン」さんから新しい猫「ダイちゃん」を引き取り、今は夫と小学生のお子さん、ダイちゃんと3人と1匹暮らしです。ダイちゃんを引き取ってからはすっかり体調も回復したそうです。

窓際に佇む岡島家の猫「ダイちゃん」。ダイちゃん目当てで来るお客さんも多い。ダイちゃんはお店の営業時間中は眠くなることも多く、2階の自宅でお昼寝してしまうことも。いたりいなかったりするダイちゃんだけど、みんなのアイドル

店名の「ノバナ」の由来を尋ねると「野に咲く花のような、素朴なお花が好きで。自分の名前も美花で花がついているので」と答えてくれました。店内はテーブル席と畳敷きの席に分かれていて、テーブルの上にはお庭で大事に育てられた茶花が一輪挿しに綺麗にさされています。

畳敷きの客席は、赤ちゃん連れにも人気。時には赤ちゃんだらけになってしまう日もあるんだとか。ベビーカーも入り口に置くことができ、子連れママも安心

「素朴なものが好き」というこだわりは、テーブル席横の本棚にも見てとれます。本棚には岡島さんの好きな絵画の本、書物のほかに、昔懐かしいブリキ製や小型のアルミ製のおもちゃがたくさん。本棚を眺めているだけで懐かしく、楽しい気持ちになります。

 

出身は滋賀県近江八幡市という岡島さん。子ども時代は両親が共働きで、おばあちゃんと一緒に過ごす時間が長かったそうです。

「新しいものより、古いものに惹かれるんです。昔、田舎のおばあちゃんの家で過ごした時間が長くて。おばあちゃんはお茶の師範でした。私がお茶好きになったのもおばあちゃんの影響が大きいです」と当時を振り返って楽しそうに話していました。

本棚に並ぶ玩具。常連のお客さんは、本棚の本を読んだりして、ゆったりと過ごすことも多い

滋賀県の高校を卒業、大学では理系科目を学んでいた「リケジョ」な一面も持つ岡島さん。卒業後は大阪府に本社を置く大手文具メーカーで商品開発の仕事に携わり、仕事を通じて自分のアイデアが商品になることには達成感を感じていたそうです。

「自分の企画した商品がお客様の元に届くことはとても嬉しかったのですが、ユーザーの声がリアルに聞けないのが辛かったんです……」。

それから会社を辞めて大好きだった紅茶専門店で接客の仕事に転身したという岡島さん。紅茶を学んだら日本茶、中国茶にも興味が出てきて、茶道の免状を取り、夫の転勤で2008年に青葉区に引っ越ししてからは、都内で中国茶の販売の仕事をしていたそうです。元々喫茶店が大好きでお茶の知識を身につけてからは、「自宅でお茶のお店をしたい」という思いが強くなっていったそうです。

厨房に立つ岡島さん。テキパキと手際がいいが、ほんわかした優しい女性

「自宅でお店を開くことへのこだわりは?」との問いには「やっぱり家族の近くにいたいという思いが強いですね。あと、お客さんには友達のおうちに遊びに来た感覚でゆったりとくつろいで欲しいです」と柔らかな口調で答えてくれました。取材に伺った日も小学生のお子さんが元気よく「ただいま!」と帰ってきて、お客さんが「おかえりなさい」と答えるというやりとりがあり、私まで笑顔になる場面がありました。お客さんがまるで家族のように自然体でいられる、居心地がいいお店です。

喫茶「ノバナ」看板メニューのアフタヌーンティー。初めて訪れるお客さんからは「すごーい」という歓声が沸き起こるそう。女性が大好きなスイーツたちと温かい紅茶がポットで出てきます

スイーツもたくさんあるけど、メニューにお子様セットもあるのが、子連れママにも嬉しいところ。おにぎりセットかキッズサンドセットかを選べます

最近では、お店を訪れるお客さんが「アクセサリー作りが趣味なので、ワークショップをしたい」という話からノバナを会場に数名でワークショップを開いたり、お店を拠点に新しいコミュニティがどんどん生まれているそうです。「もう少し年を重ねたら、茶道が好きな主人と2人でお茶の教室もしてみたい」と語る岡島さん。ノバナが今後どのように発展していくのか、私もとても楽しみです。

Information

喫茶ノバナ

住所:神奈川県横浜市青葉区桜台24-15

TEL:045-985-9377

URL: https://kissanobana77.amebaownd.com/

営業日:月、火、木、金

11:00~16:00(ラストオーダー 15:00)

※臨時休業する場合があるので、来店前にHPで確認または電話でお問い合わせを。人数が多い場合も同様

※駐車場、駐輪場はないので、徒歩か公共交通利用。ベビーカーは玄関先や中に置くことができます。

岡本佳代
この記事を書いた人
岡本佳代ライター
大分市出身。元金融系の会社員。現在は子育て支援の仕事に携わる。20代の頃は、地球環境保全のメッセージを発信する音楽イベントを企画していた。人と人、人と面白いモノを繋げるのが好きで森ノオトライターに。好奇心旺盛でフットワークが軽い。自身の小さな頃とよく似た、活発な男児の母。
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー

森のなかま募集中!

メディアを寄付で支える
読者コミュニティ
「森のなかま」になりませんか?

もっと詳しく