野菜のエネルギーをいただく。藤が丘のヴィーガンカフェ「ドイス バナネイラ」 
マクロビオティックやベジタリアン食に興味はあるものの、忙しい日常生活でなかなか取り入れられなかった私。現在は、子育て中の母として、無農薬野菜や食品添加物が含まれていない食品を手に取る機会が増えましたが、全ての食材に気を配って添加物フリーの食事を摂っているわけではなく、食材を購入する時に以前よりは、少し意識するようになった程度です。若い頃はチャレンジしてみたいことが多く、食生活を徹底することができませんでした。そんな自分自身の若い頃を思い出しながら、東急田園都市線藤が丘駅にある憧れのヴィーガンカフェ「ドイス バナネイラ」の扉を開き、店主の加藤美緒さんにお話しを伺ってきました。

東急田園都市線「藤が丘駅」より、もえぎ野方面へと通じるけやき通りを10分ほど歩くと、オシャレなかわいいカブ(バイク)が目印のお店があります。店先のガラス窓にはお店からの「もっと野菜を食べよう!」というメッセージがびっしりと書かれ、道行く人もつい足を止めてしまうインパクトがあります。

 

扉を開けると、エスニックな雰囲気の店の中で、真っ先にシェフの調理する真剣な横顔に目が惹きつけられました。そこがヴィーガンカフェ「ドイスバナネイラ」です。

外壁の緑と赤、おしゃれなカブに、異国情緒を感じるお店の外観。大きめのガラス窓から外を見ると、青葉区一の大きな池がある「もえぎ野公園」の緑あふれる景色が見えます

 

「2 bananeira.」(ドイスバナネイラ)。はて、どこの国の言葉だろう? 知人から聞いて面白い店名だと思い、ホームページを検索してみると、店主の加藤美緒さんの多趣味な面、器用だけど率直で真面目な人柄が画面から滲み出ています。

 

実際にお会いし、お話を伺うと、そんな私の直感が当たっていた!と思うような多趣味な店主の美緒さん。

「ドイスバナネイラ」の店名の由来は2つあります。ポルトガル語で「バナネイラ」は、「バナナの木」という意味。「ドイスバナネイラ」は、美緒さんの趣味のブラジル発祥の格闘技「カポエイラ」の技の一つ、逆立ちという意味もあります。柔術なので、2人で格闘する競技なのですが、この技は、競技者の2人が逆立ちして相手と間合いを楽しむ、戦わない技だそう。「逆立ちしてもできない」という言葉があるのなら、逆立ちしてでもこの完全菜食料理店というニッチなお店を続けようじゃないかという彼女の強い信念からつけられた店名です。そんなお話を聞きながら、一つのことを極めていく人、ストイックに信念を持って物事に取り組む人の強さみたいなものを感じました。そして、私は美緒さんのお話をもっと聞いてみたいと思ったのです。

入り口からは見えませんが、奥のソファ席はゆったりとするのにおススメ。私がランチ時に訪れた際は、ふらっとご飯を食べにきたサラリーマン風の男性や、学生さんなどで賑わっていました

店内は入ってすぐの窓際にソファ席がひとつ、テーブル席が3つ、店の一番奥の部分に大きめのソファ席があり、17〜18名ほどのお客さんが着席できます。

 

メニューはランチとディナーの時間帯で分かれており、1ドリンク付きのランチは常時5種類ほど用意されています。野菜をたっぷりいただくことができる「バナネイランチ」や、ベジタリアンの方から男性にも人気の食べ応えがある大豆ミートの唐揚げ「ベジザンギ」がどんとのったヘルシーだけどジャンキーな「玄米ジャンバラヤ」などのメニューが人気です。子連れに嬉しいキッズメニューもあり、幅広い層のお客さんが気軽に訪れることができます。

美緒さんおススメの、野菜がたくさん食べられる「バナネイランチ」。実際に食べてみると、1皿の中で何種類もの味付けがあったり、調理方法が工夫されていて、素材そのものが活かされています

そんなドイス バナネイラは、2017年3月13日にオープンしました。大学卒業後、オーガニック商品の総合商社に長年勤め、オーガニックスーパーや、自然食品店にオーガニックコスメを販売するため、営業職として働いていたという美緒さん。この頃にマクロビオティックや菜食の大切さを自然食品店の人たちから教わっていったそう。仕事を通じて、化粧品よりなにより大事なのは「食」ではないのかと思い始め、なるべく身体にいいものを食べるように菜食中心に食生活を整えていったそうです。食を変えたことで自分の身体の調子が変わっていくことを体感した経験もあり、結婚・出産を経て、営業から広報の仕事に転身しました。自社の150種類もの商品の特徴を勉強しながら、カタログやパッケージデザインを担当しました。その経験を活かして、現在はお店のロゴやチラシなどのデザインも美緒さんが担当しているそうです。

 

そして会社員時代に神奈川県の北西部・丹沢の麓でもある秦野市の野菜と出会い、この野菜のエネルギーをもっとダイレクトにたくさんの人に伝えたいという思いから退職し、飲食店で働くことを決意しました。

 

その後はさまざまな方との縁で、2013年、青葉区あざみ野にオープンしたベジカフェ「Sun’s Market Cafe」で実際に料理を作り、お客さんに振る舞うことになった美緒さん。Sun’smarket cafeは残念ながら閉店することになりましたが、その後もあざみ野でバーの昼間を利用して営業していたベジクエル、現在緑区中山にある「菌カフェ 753」での仕事を経て、「独立の追い風が立ってきた」といいます。

店内にある絵本棚。美緒さんのお子さんが小さい頃に読んでいた絵本だそう。子連れも訪れやすい雰囲気

 

振り返ると、これまでのお店での縁が不思議と、今のドイス バナネイラにつながっているのだそう。Sun’s Market Caféでお客さんとしてお店に来ていた一本下駄の男性。その男性が自然農を習っていたのが、秦野市と青葉区寺家町で自然農を営む二宮倫行さんという方でした。完全無農薬、無化学肥料栽培の農業を営む二宮さんは、都筑区にも自宅があり、今では自宅に帰る際に秦野市で育てた野菜を週に1回、バナネイラに届けてくれるそうです。また、現在はバナネイラのお客さんを中心とした「イヤシロチ66」というグループで、二宮さんから自然栽培を教わっているそうです。

 

また、ドイス バナネイラの厨房に立つ中西弘章さんは元イタリアンのシェフだった方で、べジクエル時代、美緒さんの「犬友達」として出会います。このような人との縁があり、バナネイラというお店を独立してオープンすることになったのです。

 

独立するまでの美緒さんの仕事に対する姿勢や人との輪は、ずっとドイス バナネイラというお店を開店するまでのエネルギーとして蓄えられていたのだなと私は思いました。そして独立し、お店のオーナーとなった美緒さんの「完全菜食カフェという珍しいお店をオープンしようと思ったのは、自分がやるしかないと思ったから」という言葉の端々から、ドイスバナネイラにたどり着くまでの運命的なものを感じました。彼女の人柄に惹かれて人が集まってくるようなお店ですが、店内の雰囲気は、異国風の色使いでおしゃれなカフェ。つい長居してしまうようなゆるい空気が漂う空間でもあります。ヴィーガンと言っても、ストイックすぎないこの空気感が、訪れるお客さんを癒すのだろうなと感じます。美緒さんや中西さんの、ここで野菜を食べてエネルギーチャージしてほしい、食事を楽しんでいってほしいという思いが伝わるお店だなと思いました。

お店おすすめのスイーツ、グルテンフリーのミルクレープ。小麦アレルギーの人も食べられる、酸味もある独特な味のスイーツ

 

お店に入るとすぐに見える、焼き菓子たち。美緒さんの従妹である女性パティシエが、店舗2階の調理室で丁寧に作っている。ナッツが入っているものが多く、栄養満点

 

夜の営業時間は、「バルバナ(野菜バル・バナネイラ)」となり、ベジ餃子や玄米クラフトピザなどのアラカルトメニューが展開されています。ワインも美緒さんが以前勤めていたオーガニック商社より購入している、亜硫酸塩フリーのビオワインがずらりと揃っています。

 

普段、菜食主義ではないけれど身体にいいものを食べてみたいという人こそ、野菜そのもののエネルギ-をいただける「ドイスバナネイラ」でエネルギーチャージして欲しいと思います。

お話を伺った店主、加藤美緒さんとシェフの中西弘章さん

Information

2bananeira(ドイス バナネイラ)

住所:神奈川県横浜市青葉区柿の木台3-20

TEL:045-482-7871

URL: http://2bananeira.com/

営業日:月曜日〜土曜日:11:00〜22:00(ラストオーダー:21:00)
木曜日:ランチタイム(11:00〜15:30)
定休日:日曜日(イベント出店する場合もあり)

岡本佳代
この記事を書いた人
岡本佳代ライター
大分市出身。元金融系の会社員。現在は子育て支援の仕事に携わる。20代の頃は、地球環境保全のメッセージを発信する音楽イベントを企画していた。人と人、人と面白いモノを繋げるのが好きで森ノオトライターに。好奇心旺盛でフットワークが軽い。自身の小さな頃とよく似た、活発な男児の母。
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー

森のなかま募集中!

メディアを寄付で支える
読者コミュニティ
「森のなかま」になりませんか?

もっと詳しく