身近な草木を使ったものづくりで、人と人がつながる場を作る!「bau(バウ)」
横浜市都筑区で身近な草木を利用してものづくりをしているグループ「bau(バウ)」。積み木やカトラリー作りを行う木の部門「baum(バウム)」と藍の栽培や藍染めを行う藍の部門「TSUZUKI BLUE」があり、主に都筑区内のコミュニティスペースで、子どもとも一緒に楽しめるワークショップを開催しています。

私が「bau(バウ)」の活動を初めて知ったのは、昨年の秋、都筑区にある横浜市歴史博物館前で開催された「つながるマルシェ」に出店されていたのがきっかけでした。

普段、私は夫の家業である造園業に関わっているのですが、樹木の剪定作業を行う際、大量の剪定枝を廃棄しています。

時には大木の伐採や、太い枝の剪定も発生するので、そのような丸太を目にすると、なんだかこのまま捨てるのがもったいないなあ……と、ずっと思っていました。剪定枝はリサイクル業者によって、たい肥化などもされていますが、ほかに何か活用法はないのかな? そんなことを考え、自分なりに木工の勉強をしたりして、ここ数年活用法を模索していました。

そんなことを考えていた時にお会いしたのが「bau」代表の柏崎久恵さんでした!

身近な草木を活用してものづくりをされていると聞いて、私の考えていたことをすでに地域の中で実践され、楽しく素敵なモノを生み出しているなんて! と衝撃を受け、感動したのを覚えています。

どうやってそのような活動を実現していったのかな? そんな自分の興味が大いにあったため、柏崎さんに取材をお願いして、じっくりとお話を伺いました。

「bau」代表の柏崎久恵さん。藍の部門「TSUZUKI BLUE」の活動で、藍を栽培しているチャコ村の畑にて

柏崎さんは、日本画のアーティストであり、20年ほど前から現在に至るまでグラフィックデザイナーとしてお仕事をされています。

bau」の活動につながるきっかけとなったのは、今から10年ほど前、小学生の時、担任だった先生に「小学校の図工の先生をやらないか?」と誘われたことに始まります。

「図工の先生」になってしまったものの、当時は子どもが苦手だったため、どうやって辞めようかと当初は考えていたという柏崎さん。ところが「一週間で子どもたちのアートに魅了されました。子どもたち自身、また子どもたちの作品に心を鷲掴みにされ、アートの原点を教わりました」そう話す柏崎さん。

 

その後、現在まで柏崎さんは都筑区内のいくつかの公共施設で「アトリエオーク」という子ども向けのアート教室を主宰することになります。

子どものアート教室を始めると、大人向けにも要望があり、「夜の大人の図工室」と題してやり始めたところ、とても楽しくてリピーターが続出! ところが、公共施設の事情により、大人向けの活動継続が難しくなってしまいます。

そこで、柏崎さんは突如ひらめき、「都筑区内の公共施設に積み木を作って寄付したいので、一緒にやりませんか?」と大人の図工室に通うリピーターさんを中心に声がけをすることを思い立ちます。5年前の2014年のクリスマスの出来事でした。

 

積み木の寄付活動の呼びかけに数名がメンバーとなり、それが「bau」の木のものづくり部門「baum(バウム)」の活動へと発展していきました。当時からのメンバー6名が現在も「bau」の中心メンバーとなり、活動を続けています。

昨年のつながるマルシェに出店していた「bau」の積み木ブースで遊ぶ娘。よく磨かれた木の積み木は、手触りがとても心地良い

柏崎さんが積み木作りをして寄付をしようと思ったのは、小学校の図工の先生時代の経験が源泉となっています。近所のお宅のお庭の剪定枝をもらい、それを手のひらサイズにカットして、ただ磨く……という授業をしたところ、子どもたちが本当に面白がって、夢中になって取り組んだという経験からでした。

ただ木を磨くだけとはいえ、きっとその工程は木の手触りや香りを楽しみながら進めることになるだろうし、磨き方や仕上がりの形にもそれぞれ子どもたちの個性が表れて楽しいだろうなあ……と、私も思わず想像が膨らみました。

柏崎さんは、木を磨いて積み木を作ることで自分たちもものづくりを楽しめるし、公共施設に寄付することで積み木遊びをしに来た子どもたちも楽しむことができて、地域貢献になると考えました。

 

そこで、都筑区内の地区センター1カ所につき「積み木を100個寄付する」という目標を当初立てたのですが……ずっと木を磨いていたら、「飽きちゃった」のだといいます。「もう本当、適当でしょう?」そう笑って話す柏崎さん。

そんな時に、積み木を入れる袋を草木染めしたら素敵なのでは? という話が持ち上がり、桜の枝で積み木を入れる袋を染色したのがきっかけとなり、そこから草木染めの魅力にハマってしまったという柏崎さん。

この活動が藍の栽培や藍染めを行う藍の部門「TSUZUKI BLUE」の活動へとつながっていきました。

昨年のつながるマルシェでは、草木染めをして作ったティッシュケースに沈殿藍でステンシルをするワークショップも開催(写真提供:bau)

こうして3年前からスタートした「TSUZUKI BLUE」の活動では、藍の栽培を地区センターの小さな花壇から始め、徐々に栽培量が増え、昨年の春からは、都筑区東山田町にあるチャコ村の畑の一角で、種から藍の栽培をしています。

 

藍は4月から5月に種まきをし、7月から8月には腰高ほどの高さになった藍の葉を刈り取り、生の葉で青色(インディゴ)に染めることができます。9月以降も二番刈りの生葉で染め物を楽しむことができるのだそうです。10月には花が咲き、11月から12月には種を取って、翌年の春の種蒔きまで冷蔵庫で保存をします。

8月上旬、チャコ村で「TSUZUKI BLUE」の藍の生葉染めのワークショップが開催されるということで、小学1年生の娘と一緒に参加してきました!

まずは畑で藍を収穫するところから

 

収穫した藍を、みんなで葉っぱと茎に分けていく。この日、チャコ村には赤ちゃんからおばあちゃんまで多世代が遊びに来ていた。ほっこするみんなの居場所

 

水の入ったバケツに藍の葉を入れ、10分ほど手で揉む。すると、ヌルっとした藍の染色液が完成。そこへ、絹のハンカチとストールを投入

 

染色液にハンカチとストールを漬けたり、出したりを繰り返し、空気に触れさせながら、色を定着させる。青色に染まったら、洗って干して完成!気持ちいいー!

 

絞りを入れた絹のハンカチ。広げてみるととっても素敵な柄に染まっていてびっくり

藍の生葉染めワークショップは、娘と一緒にとても楽しませてもらいました。ただ染め物をする、ということではなく、藍を収穫するところから体験できるので、自然とのつながりを感じる貴重な経験でした。

藍の葉っぱは緑色なのに、とっても鮮やかな青色に染まる! そんな不思議な体験も、子どもと一緒にできるのが嬉しいです。

 

取材で伺った柏崎さんのお話は、本当に終始楽しくて笑いが絶えない時間でした。こうした柏崎さんの人柄と持ち前の芸術的センスで、いろんな人を楽しませながら、ご自身も楽しみながら活動してきたのだなあ、ということが伝わってきました。

bauの活動は、自分たちが楽しみながらやりたいことをやっていたら、不思議と次々に扉が開いたのよ」。そう柏崎さんが話していたのが印象的でした。必要な時に助成金が下りたり、タイミング良く協力者が現れたりして、活動が次々と展開していったのだと言います。

 

木の部門「baum」の活動も、現在では積み木作りだけでなく、自分たちの作りたいものも作りたい! というメンバーの声から、木のスプーンや木ベラなどのカトラリー作りや、オリジナルの木のおもちゃづくりのワークショップなども開催しています。

今後は都筑区内の公園の剪定枝を利用して、新しい木のおもちゃの開発にも取り組むのだそうです。

カトラリー作りのワークショップのようす(写真提供:bau)

 

また、チャコ村では今年から綿花の栽培も始めたそうです。
今後も「bau」のさまざまな取り組みによって、人と人がつながる場が生まれそうですね!

ぜひ、読者の皆さんも「bau」のワークショップに参加して、身近な草木のものづくりを楽しんでみてくださいね!

Information

都筑の草木でものつくり「bau

https://www.facebook.com/bauyokohama/

持田 三貴子
この記事を書いた人
持田三貴子ライター
樹木医で造園業3代目の夫とともに、都市生活に森のような循環を生み出すべく、Earth Worksという夫婦ユニットとして活動中。結婚を機にナチュラルなライフスタイルにどっぷり浸かり、いつの間にか3児の母に。横浜市都筑区で夢の民家暮らしをスタート、「竹隣庵」と名付け住み開きを目指している。
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