夫婦で育てる二人らしいレストラン、青葉区桜台〜CEALY〜
桜台公園からのお散歩の帰り道、住宅街の坂の途中に夫婦二人で営むフレンチレストランをみつけました。料理のおいしさに惹かれて通ううちに、夫婦で毎日、同じ時間、同じ場所で働くとはどんな感じなんだろう? と興味が湧きました。夫婦の姿、職場の同僚としての姿を取材してきました。(photo:梶田亜由美)

青葉区桜台の住宅街の中、賑やかな大通りから一歩脇に入った静かな坂道の途中にある場所に「CEALY」は201911月にOPENしました。大きなガラスの扉から中の様子が見えて、店内からの温かな光に誘われてついふらりと入ってみたくなります。

私がはじめてお店を見つけて中の様子を伺ったとき、厨房の奥に小さな子どもの姿がちらりと見えて少し驚きました。それと同時に私も2歳の子どもを育てている真っ最中だったので、子育てしながら働く姿にとても親近感が湧きました。その時は夕方だったのですぐには入れませんでしたが、今度絶対時間を作って食べに来よう!と心に決めました。

 

外の黒板には旬の食材を使ったおすすめのメニューがずらり。ランチコース1,870円~、ディナーコース3,900円~。アラカルトやキッズメニューにも対応している

その後時間を見つけて一人でランチに伺うと、ランチコース1870円からいただけて、前菜から手の込んだお料理が続き、私が青葉台に今まで求めていたお店!と思いました。

同じコース料理でもその時期の旬の食材を使うので、何度行っても新鮮な驚きがあり、本格的なフレンチが味わえるのにカジュアルな雰囲気。一人で訪れてもとても居心地のいい空間で、子育てを離れた私の憩いの場、息抜きの場となりました。

 

タイル張りの開放的なキッチン。客席からも厨房からも店内が隅々まで見渡せる。カウンターで食べるお客様を大事にした店にしたいという思いから、カウンター席には座りやすい椅子を選んだのだとか

このお店を営む澤田洋さんと絵美さん。お二人は店ではシェフとオーナーの関係です。私はてっきり、洋さんがオーナーシェフだと思っていました。結婚する前に一緒に働いていたレストランで出会った二人は、7年ほど同じお店で働いていたそうです。そのお店で洋さんは調理を、絵美さんは店長をしていました。その流れから自然と「CEALY」でも調理は洋さん、接客と経営は絵美さんが担当しています。

 

夫婦で同僚/二人のスタイル

「夫婦の店だと男性がオーナーシェフで女性が接客という形が多いので、なんとなく夫が上司で妻が部下という位置づけになってしまうと思います。うちはオーナーの私が料理の味を見たり、帳簿をつけたりと店づくり全般に関わっています。二人は店でも対等な関係なんです」と話す絵美さんの表情は、とても生き生きしています。「シェフに料理に集中してもらいたいので、なるべく設備や空間の環境を整えたいと思っています」

 

洋さんは料理を作るのが好き、絵美さんはお客様とお話しするのが好き。二人で得意なことを分担して「CEALY」の形ができているんですね。「自分たちのカラーを出せたらいい」というお二人の気持ちの通り、お互いの仕事のスタイルを理解しているので開店当初から自然体で仕事ができたそうです。取材をしていても、お二人の息がぴたりと合っているのを感じました。

 

秋のメニューの「フォアグラのポアレとイチジクのロースト」。絵美さんの長野の祖母家の近くにある「大島農園」の野菜を店では使用して、野菜の販売も行っている。メニューには旬の野菜を使用して一皿のなかにメリハリをつけ、味や食感などなにか一つアクセントをつけるようにしているとのこと

家族の形に合わせた店づくり

 

東急田園都市線の青葉台駅から15分ほど歩く、桜台を選んでお店をオープンしたお二人。駅から少し離れたこの場所を目指して、このお店を好きなお客さんが「CEALY」で食べることを目的に来てくれようなお店にしたい、という思いがあったそうです。

 

こちらの店舗は以前も飲食店で居抜き物件でしたが、内装は全て一から作り直しました。知人のデザイナーに依頼して二人で店の内装を決めた時ご夫婦には2人の子どもがいるので大きくなったら宿題をしたり、一緒に過ごせるようにと厨房の奥に小さな部屋を設けることにしたそうです。

私が最初に見かけた開店当初は、赤ちゃんをお店で見ながら営業していたそうですが、現在は昼間に保育園に預けて夜は絵美さんが迎えに行き家に帰ります。夜は洋さん一人で営業するスタイルをとっています。接客好きな絵美さんがいる時間帯に合わせて、ディナーでも早めに来店されるお客様もいるのだとか。

 

床やキッチンにはタイルを使用して洗練された印象の店内に、木の家具を配置してのぬくもりある雰囲気に。シンプルでお洒落な椅子やテーブルは思わずどこで買えるか聞きたくなる

「おいしいのはもちろん、居心地のいいお店にしたい」という気持ちで始まった店づくり、お客様の顔がいつも見えるようにとオープンキッチンにしたのは洋さんのこだわりでした。

「厨房が奥だとお客様は一度もシェフの顔見ないまま帰ってしまうことになる。お客様の表情を見て会話しながら料理を作りたい」という思いがあったそうです。絵美さんが家に帰った後に夜一人で営業するスタイルは、店内を見渡せるオープンキッチンだからこそできたことでもありました。

自宅以外の場所で営業時間の長い飲食店を夫婦で営むとなると、時間のやりくりが大変そうに思われますが、独立してからのほうが子どもの保育園の予定に合わせて仕事を休むこともできるので、以前より家族のコミュニケーションの時間がとれるようになったと感じているそうです。店から家に帰るプロセスが、仕事とプライベートの切り替えにもなるんだとか。

 

シェフの澤田洋さん。絵美さんも調理の補助を行っていて、カウンターに座ると二人の息の合った調理風景を見ることができる

常に店は動いている、変化している

 

CEALY」がOPENしてから約4カ月が過ぎたころ、2020年の春は新型コロナウイルス感染症の拡大により飲食店は通常の営業が難しくなってしまいました。

 

3月、4月と予約のキャンセルが続き、予約がさっぱり入らなくなってお客様がぐっと少なくなってしまったそうです。「このままじゃダメだ、何かしなきゃと思った」という洋さん、まだあまり力を入れてなかったテイクアウトの充実にのりだしました。

自粛期間中は家の近所をお散歩している人が多くて、お店にはじめて気付いた人がテイクアウトを購入し、その後食事に店に来てくださるというつながりも生まれたそうです。

「お店が常に動き続けていること、変化していることをSNSで発信するのが重要だと思っています」(洋さん)

 

世の中が今まで経験したことない状況に見舞われて、私も本当に不安な日々でしたが、なじみのお店が営業を続けているということを聞いて少しほっとし、状況の変化に対応してみんな頑張っているんだなと励まされたような気持ちになりました。

 

この扉から見える坂がいいなと思ったという。取材中も扉の大きな窓から中の様子を伺う散歩中の人がちらほら見えた

CEALY」という店名は二人のお子さんの名前からつけたそうです。一人で行っても友人や家族と行っても居心地がよい空間は、二人の息の合った自然体の雰囲気から生まれていたんだなと感じました。澤田さん夫婦の歩みと共にある「CEALY」は、家族や周囲の環境に合わせてこれからも少しずつ変化していきそうです。


毎年11月23日は「あおばを食べる収穫祭」。森ノオトが取材を通じてつながった地域のお店が一堂に会する、マルシェイベントを7年にわたって続けてきました。2020年は新しいカタチに挑戦して、地域をつなぐ情報発信としての「ウェブ収穫祭」を企画しました。エリアごとに、森ノオトでもおなじみのあのお店、あの団体の最新情報をお届けします!これから1カ月かけて、森ノオトのfacebookページで出店者さんの紹介をしていくのでフォロー&シェアをよろしくね!

<ウェブ収穫祭2020特集ページ>

藤が丘編

市が尾・あざみ野・たまプラーザ編

青葉台編

寺家・鴨志田・奈良編

Information

CEALY

HP: https://ggse900.gorp.jp

Instagram: cealy _ aobadai

住所:横浜市青葉区桜台29-1

TEL:045-530-3031

営業時間

ランチ11:00-14:30(L.O)

カフェ14:30-16:00

ディナー17:00-22:00

定休日:日祝

神前 倫代
この記事を書いた人
神前倫代ライター
結婚をきっかけに青葉区に引っ越してきて1児を育てる母。一念発起して税理士資格を取得、会計事務所勤務。散歩しながら個人のお店を見つけるのが好き。
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