遊びの原風景、センター北に現る。今年も来ました、こどもみらいフェス!
今年も大好評だった「こどもみらいフェス」! 1st weekの6月13-14日は、センター北の駅前広場で、2nd weekの20日は都筑公会堂という、2週にわたる3日間の開催でしたが、天候にも恵まれ、来場者はなんと3万人! たくさんの家族が遊びを、そして子育てを楽しんだ様子をお届けします!

チーッチッッチチ! 広場の真ん中で、大きな掛け声が響き渡ります。ベーゴマです。竹細工の市川さんを始め、大人も子ども真剣勝負! 負けないぞ、もう一回やろう! 後には、さわやかな笑顔であふれています。

 

次の勝負へ向けて、真剣にベーゴマに紐を巻きつけ中

 

ベーゴマエリアの隣で座っていた桐ケ窪さん(通称:桐さん)は、神奈川のプレイパーク各地を回りながら子どもたちに色々な遊びを伝授してくれる、名物おじいちゃん。こどもみらいフェスの噂を聞きつけて飛び入り参加してくれました。本物そっくりのバッタやミミズクを、葉っぱやススキで作っています。その傍らで、じっと手元を見っている子ども、そして、私。

 

桐さんが葉っぱでつくったバッタ。まるで本物のよう

 

広場に設置された、テントでは、松ぼっくりや木の枝といった自然素材を使った工作などのワークショップが大盛況。子どもたちが竹をのこぎりで切る姿は、全身集中しているのがわかるくらい、真剣そのもの。対照的に、絵本やおもちゃが用意されたベビーテントには、優しく風が吹き抜けていました。可愛らしいプールは、梅雨の晴れ間の蒸し暑さをしのぐのにうってつけで、小さな子ども達が水遊びを満喫していました。

こどもみらいフェス、そこはまるで遊びのワンダーランド。子どもも大人も、暑さなんてどこ吹く風、あちらこちらで自由に遊びが展開されていました。

センター北駅ビルの「あいたい」のイベント会場では、糸版画のワークショップや、荒巻シャケさんのコンサートがおこなわれ、ママのホッとスペースではハンド隊がママたちを癒していました。

たくさんの笑顔がありました。

たくさんの一期一会がありました。

 

昨年に引き続き、竹細工の面白さを伝えにフェスに参加してくれた市川さん。指輪やブレスレットを作ってもらった方もいるのでは?(写真:藤吉光恵)

 

昨年の開催を見て、フェスへの参加に名乗りを上げてくれた地元・センター北の美容師さん。お母さんに前髪の切り方をレクチャーしてくれる素敵な青空美容室を開店(写真:藤吉光恵)

 

おしゃべりしながらのハンドマッサージ、実は、癒す側も癒されて(写真:藤吉光恵)

 

こぶたのだがっしーは、子ども達による、子ども達のための、駄菓子屋さん。今年も、子どもならではのアイデアゲームで、フェスを盛り上げていました(写真:藤吉光恵)

 

普段は知らない人にあいさつなんてしないのに、何故か自然の中に行くと、「こんにちはー」と自然にあいさつが出る。そんな経験ありませんか?

私が、今年のこどもみらいフェスで感じたのは、それと同じ空気です。

ここは都会のベットタウン。昔から住んでいる人よりも、新しく引っ越してきた人の方が多く、ご近所づきあいはどちらかというと敬遠されがちな地域です。

けれども、思いました。「遊び」は人をつなげるのだと。

フェスを作る側も、参加する側も、夢中になって遊ぶうち、そこに居る人みんなが、気が付つけば「仲間」になっている。

そんな一体感があったように感じました。

 

恒例の竹タワー。我こそはと登る子ども達(写真:藤吉光恵)

 

シンボルのティピの中では、紙芝居や読み聞かせがおこなわれていました。ティピの中はいつもと違う不思議な空間。そこで聞くお話しに、子どもも大人も引き込まれます

 

シンボルのティピには、不思議な魅力があります(写真:藤吉光恵)

 

作品作りに夢中になったのは、子どもだけではありません(写真:藤吉光恵)

 

フェスでたくさんの方たちが自然と共有したに違いない、「子どもの育ちを見守って欲しい」というメッセージ(写真:藤吉光恵)

 

2日間大盛況だった「遊び」の体験を経て、こどもみらいフェスフィナーレの最終日は、柴田愛子先生の講演会とケロポンズのコンサートでした。

20日(土)は、すがすがしい晴れ間が広がりました。場所を都筑公会堂へ移し、落ち着いた雰囲気の中、講演会の始まりです。

 

地元での大きな講演を前に、風邪をひいてしまったこと、声が出なかったらごめんなさいねと、飾ることなくお話を始める愛子先生に、会場は一段と和やかな雰囲気に

 

冒頭に、前週のプレイパークを振り返りながら、愛子先生は、こんなことをおっしゃっていました。

「竹のタワーでも、大きい子たちはてっぺんまで登って自慢顔。それを見て、3歳の子もやってみるのよね。登れるのは一段だけど、登って得意顔。そして、そんな風に、親子が離れて、手出しをせずに安心して安全に眺められる空間がいいと思ったのよね」「子どもは、自分がやってみたいと思うから、心が動いて、自分の力量に合ったことにチャレンジするのよね」

 

赤ちゃんを抱っこしてお話を聞いていたお母さんもたくさんいて、熱心にメモを取る姿も

 

一言で「子どもの育ちを見守る」というけれど、どうすればいいんだろうって思っていましたが、なるほど、子どもの「心が動き」、そして、やってみようと「体が動き出す」、その瞬間を待つことなんだなと、腑に落ちた気がしました。そして、こどもみらいフェスでは、たくさんのお父さんお母さん達が、簡単なようでなかなかできないその「余白のような時間」を自然と持ちながら遊べていたのではないかなと感じました。

講演会では愛子先生著作の絵本『ぼくらのむしとり』『けんかのきもち』の読み聞かせもありました。

 

壇上のスクリーンに鮮やかな絵本が映し出されます。その横で朗読する愛子先生の声は優しく、とても楽しそうです

 

愛子先生の朗読を聞きながら、子どもの「遊び」や「けんか」は、大人にとってはなんだか困ったことに思えても、実はそこにはたくさんの「機微」があり、その「機微」を体験することで、子ども達は人として成長しているんだなぁと、大人として子ども達にできることを改めて考えるきっかけをいただいた気がします。

そして、グランドフィナーレの、ケロポンズのコンサートは、みんなが問答無用で歌っちゃう! 踊っちゃう! うちに、子育てのガミガミやイライラが、いつしか笑いに溶けて、大人も子どもも、歌に合わせて弾みだすような、そんな楽しい時間を満喫。

最終日は、都筑公会堂が穏やかな雰囲気でつつまれ、会場を後にする親子連れはみんな、ほっと明るい笑顔だったのが印象的でした。

こうして、3日間に渡ったこどもみらいフェスは幕を閉じました。

今年は3万人という大盛況となった、こどもみらいフェス。100名以上のボランティアが参加し、それぞれができることを持ち寄り、それぞれの形でかかわっていました。それが、個性豊かな「遊び」に広がり、より多くの参加者動員につながっていったのかなと思います。

 

入口のオブジェに飾られた鏡。たくさんの光る笑顔を映し出したに違いありません

 

愛子先生が、講演会でおっしゃっていた言葉が印象的でした。

「もし、あれが日常だったら、……たぶん子どもは群れていくのよね。日常で顔を会わせるとか、時間がたっぷりあれば、子ども達は群れて遊ぶことができる。群れができるような地域だったら、子ども達はすごく幸せだろうなと思った」

ふと、私が子どもの頃のことを思い出しました。公園で、草村で、夕暮れまでわいわいと、時間は無限にあると信じて遊んでいた、あの頃。

夕闇迫る頃、この素敵な一日が終わってしまうことに名残惜しさを感じながらキャンドルを準備する子ども達(写真:藤吉光恵)

 

けれども、大人が適度な距離で子ども達を見守り、子ども達が安心して、「心を動かされたことに挑戦することができる」、そんな風景が「日常」となり、「原風景」となったとしたら、私たち大人にも、今とは違った景色が見えてくるかもしれません。

 

見つめる先の炎に、何を想う?(写真:藤吉光恵)

 

「こどもみらいフェスティバル」実行委員会では、一年を通して、子育て中のお母さん達を支援する催しを定期的に開催しています。

子育ても子育ちも毎日のこと。フェスという特別な日だからではなく、日々の生活を通して、それぞれができることからすこしずつ、子育ちを見守りながら、笑いながら、共に、子ども達の未来を創っていく……そんな風にこの地域が発展していけたらいいなと願っています。

Information

「こどもみらいフェスティバル」実行委員会によるイベント情報はHPでご確認いただけます。

今後もぜひ、チェックしてみてください。

https://www.facebook.com/KodomoMiraiFestival

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この記事を書いた人
おくむらさちこライター卒業生
横浜市青葉区で生まれ育ち子育て中。映画が好き過ぎて、アメリカまで勉強に行ってしまったこともある行動派。女性の生き方、働き方に関心を持ち、同時に地域ぐるみで子育て環境をよくしていくために「こどもみらいフェス」の実行委員としても活動中。森ノオトではwebまわりのサポートも担当。
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