どんぐり農園のどんど焼きでも、お正月に使った門松やしめ縄、お守り、書き初めなどを会員のみなさんが持ち寄り、田んぼで大活躍した案山子とともに、空へと見送りました。
(写真・文/松山ちかこ)
この日は稲を刈り取った跡の残る田んぼに氷が張るほどの寒さでした。子どもたちが「寒い寒い」と言っていると、「どんど焼きが始まればすぐに暖かくなるから待っててね」と木村さん。
藁に火をつけると、あっという間に火が燃え広がっていきました。時々「パーン」という音が響き、子どもたちは「花火みたい!」と声をあげていました。その音の正体は竹でした。竹が割れる時にパーンという破裂音がするのです。木材の中でも竹は一番早く燃えるのだと、ウィズの森の玉置さんが教えてくださいました。
さて、火が落ち着いてきたら、ここからお楽しみの始まりです。どんど焼きの火で焼いた団子を食べると病気をしない、という言い伝えがあります。みなさんが持ち寄ってくださったお餅やお汁粉、椎茸を分けていただきました。
火を眺めていると、不思議と気持ちが落ち着きます。「火」というのは、怖い存在でもあるはずなのに、たき火や薪ストーブを眺めているととても落ち着き、不思議な感覚をいつも覚えます。
そして、いろんな方が持ち寄ってくださったおいしいものを少しずつ分けていただきながらの歓談のひととき。みなさん一人ひとりの気持ちが温かく、嬉しく楽しい時間でした。
おもしろかったのが、「箸がない」というと、即興で箸を作ってくださる方がいて、みんなそれでお汁粉をいただきました。箸の材料はその場にある女竹です。また、「笹を飲んでみよう」という話になり、笹をザクザクと刻んで笹茶を淹れたりと、なかなかおもしろい体験をしました。
これからの時代、困難な状況から「生き抜く力」が求められる気がしています。子どもたちには是非ともつけてもらいたい力です。
そうしたなか、このどんぐり農園にはいろんな経験や知恵を持った人たちがたくさんいて、すごく恵まれた環境だなということを、改めて感じた一日でした。
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