兄と弟の絵本棚『イエペはぼうしがだいすき』
2歳になり、体も心もぐんぐん成長している弟くん。自分でズボンをはいたり、電車のパズルを完成させたり、お絵かきしたりと、いろいろできることが増えてきました。公園に行っても、周りの様子が気になるようで、いろいろなお友達の様子をじっと見ています。
そんな2歳さんにおすすめなのが、こちらの写真絵本。今月紹介する絵本は、『イエペはぼうしがだいすき』です。

この絵本は、デンマークのコペンハーゲンに暮らす、3歳のイエぺくんのお話。茶色い帽子が大好きで、朝御飯と寝るとき以外は、いつもお気に入りの帽子をかぶっています。

実は、弟くんも、帽子が大好き!

夏の日差しがある間は、

「ぼうしは? ぼうしは?」

と自分で探し、バッチリきめたおしゃれな姿でお出かけしていました。

そんなことも重なり、弟くんも、イエぺのぼうしが気になる様子……。

小さい子には写真の絵本は難しいかも? というイメージがあるかもしれませんが、弟くんは、同じくらいの年齢の男の子の1日に目が釘づけです。

それぞれのページの文章を読み上げる声に、じっと耳を傾けて聞いています。

ある日帽子を忘れたイエぺ。

なんだか調子がでない……。

そんなとき、先生のアドバイスで、頭にサッカーボールをのせてみます。

弟くんはその写真を見て、

「あれ? ぼうしノセチャッタヨ?」

と大喜び。

早速まねようとして、小さくても、もうユーモアもわかるのだなぁなんて、感心したりもします。

ところで、デンマークと言えば、ナチュラルライフの先進地・北欧の一国です。

一度は行ってみたい北欧の暮らしぶりも見て楽しめます。

主人公イエぺが通う保育園は、さりげないデザインなのにかわいい窓、日本では選ばないであろうタオルの色(ビビッドな紫!)、木でつくられていて自然の配色を邪魔しない遊具、カラフルなのにどこかシックな室内。

バナナとトマトのざっくばらんなお弁当には、ちょっとびっくりしたり。

でも、一番うらやましいと感じたのは、イエぺが帰り道に毎日立ち寄るという、白鳥さんのいる水辺。

豊かな自然が生活の一部にあるのも感じられる絵本です。

我が家も一度は訪れてみたい北欧、そしてデンマーク。

この絵本が作られたのは、なんと1978年と、ずっと前のことです。

イエぺくんも、もう親となり、デンマークで子育てをしているのでしょうか!?

もしかしたら、わが子とこの絵本を読んでいるかもしれませんね。

世界には、いろいろな国があって、習慣があって、環境があって……。

小さいころに、違う国のお友達と出会える素敵な1冊です。

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この記事を書いた人
東海林更央莉ライター卒業生
山形出身で、元日本語教師、3児の母。森ノオトでは2011年より兄弟の成長と重ねた絵本の連載を続け、妹が増えた今は女子らしい視点が加わり多くの母親の心をつかんでいる。家族の趣味は旅行、食べ歩き、自然のなかで過ごすこと。編集長の中学校時代の同級生でもある。
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