あざみ野駅から西へまっすぐ伸びるバス通りを5分ほど歩いたところに、Sun’s Market Caféはありました。5月の陽射しに映える白い壁に茶色とオレンジのロゴ、オリーブなど鉢植えのグリーン。ナチュラルな雰囲気の店構えは商店街の中でも目を引き、思わず中をのぞきたくなってしまいます。
シンプルな白木のテーブルとカウンターの店内は女性客がひとりでも訪れやすいようなホッとできる雰囲気で、販売している自然食品や小物の並べ方のセンスがキラリと光ります。スタッフの方もおそろいのハンチングとオリジナルのロゴ入りTシャツでとってもお洒落!
4月8日にオープンしたばかりだというのに、ランチタイムにはひっきりなしにお客さんがやってきて忙しそうです。厨房と客席の間をきびきびと行き来しているのが店長の加藤美緒さん。
加藤さんは長年にわたってオーガニックの加工品や調味料などを扱う商社の広報担当としてカタログやパッケージなどのデザインを手がけていたそうです。
なるほど、お店やショップカードのセンスが良いのも納得です。
加藤さんが商社時代に趣味を通じて出会ったのが、建築家で現Sun’s Market Caféオーナーの松浦淳之介さん。松浦さんのご実家は神奈川県秦野市で完全無農薬・無化学肥料栽培の果物畑を営んでおり、松浦さんが実家の果物や秦野の農家さんの露地野菜をうまく流通させることはできないかと加藤さんに相談したことがきっかけで、一緒に2011年11年にオンラインストア「りふの季」を立ち上げ、野菜や加工品などのインターネット販売を開始しました。
りふの季のイベントで加藤さんが新鮮野菜の料理を参加者にふるまったところ、その美味しさが評判に。かぼちゃが嫌いなお子さんが加藤さんのかぼちゃスープをおかわりし、野菜嫌いの男性がりふの季の野菜をもりもり平らげた時には加藤さんも野菜の力に驚いたといいます。
そして「こういうお料理が食べられるお店があったらいいのに」という声に後押しされた加藤さんは、商社を退社。2足のわらじを脱いで、自宅近くのあざみ野にりふの季の野菜料理が食べられるSun’s Market Caféを開く決意をしました。
「野菜の美味しさを味わってほしいから、シンプルな調理方法を心がけています」という加藤さん。常時7品ほどあるランチメニューの中から私がいただいた「玄米ごはんと野菜のベジデリプレート」には、グリンピースごはんに10種類ものお料理が! ワンプレートの中にハーブの風味や、甘み、酸味、辛み、季節の葉野菜のほろ苦さをそのまま……など様々な味わいが感じられ、次はどんな味かな? と飽きることなくたくさんの旬野菜の美味しさを楽しませていただきました。
ボリュームはあるのに胃にもたれないのも野菜料理の良いところ。食後のデザートもしっかりいただいてきました。この日替わりのスイーツ目当てにお茶をしにくるリピーターさんも多いのだとか。この日は、くるみにアーモンド、松の実、レーズンがたっぷり入った「コーンミールとナッツのザクザクケーキ」。添えてある豆腐クリームとの相性が絶妙です。バターや卵など動物性食品や白砂糖不使用なのでヘルシーだし、アレルギーのお子さんでも安心して食べられます。なにより食べた後の罪悪感が少ないのも女性にとっては嬉しいですよね(笑)。
Sun’s Market Caféのお料理は野菜メインで化学調味料や白砂糖は使用していませんが、食材にエビや卵を使ったり、ナンプラーやオイスターソースで味付けすることもあります。一方で完全菜食の方向けのメニューもあり、かわいらしい葉っぱのマークでわかりやすく表示されています。
「どなたでもここに来れば美味しい野菜が食べられる、そんなお店でありたいですし、ここで食べた料理をきっかけに食に関心を持ってくれる方がいたら嬉しいですね」という加藤さんは、農家さんの販路としてのお店のあり方も考えています。今後は生産者さんが大切にしてきた土を守るために秦野の畑で野菜づくりもしたいと話してくれました。
太陽の光をいっぱいに浴びてすくすく育った露地野菜。そしてその美味しさに太陽のような笑顔で帰って行くお客さん。そんなイメージで名付けられた「Sun’s Market Café」は、きっとこれからますます地域に愛されるお店になっていくでしょう。
Sun’s Market Café(サンズマーケットカフェ)
住所: 横浜市青葉区あざみ野1-24-4
TEL: 045-507-9186
営業時間:8:30-21:00(土日祝 11:00-21:00)ラストオーダーは閉店1時間前
月曜定休(祝日を除く)
生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!