お箸づくりのワークショップは2016年度、セブン-イレブン記念財団の助成を受け、市内各地で開催してきました。寺家ふるさと村を拠点に活動する家具職人の湊哲一さん(ミナトファニチャー)を講師に迎え、全国の森で育ったさまざまな種類の間伐材でお箸をつくる体験をおこなってきました。
お箸づくりは、専用のキットに木材を入れ、かんなでお箸の形に削ります。暮らしの中でかんなを使う機会は少なく、小さなお箸をつくる作業は思いのほか重労働。自分の体を使ってできたお箸は、体験した思い出とともに大切に使われているようです。
「森について考えるきっかけになった」 「暮らしの道具を手作りできて感動しました」。そんな声をいただき、毎回とても熱気に満ちています。
「次はどこでしましょっか」
「道志村の木のお箸を作って、道志村ランチを食べて、道志村のビールを飲みたいね」
湊さんからそんな提案をいただきました。
家具製作のかたわら、間伐材を使った商品開発やワークショプを通して、森のことをさまざまなかたちで伝えている湊さんですが、今の活動につながる軸が道志村にありました。
「初めて訪れた時に目にした光景を鮮明に覚えているんです。ちょうど台風後で土砂崩れが起き、木が道路に倒れていて。いろんな人から『昔はこんなことはなかった。川の水も少なくなってきたし、間伐してないから森の土壌が弱ってる』と聞いたんです。僕にとって初めて間伐という言葉や、日本の森の現状を知ったのが、道志村でしたね」
人口1750人余りの道志村は、村の面積の9割以上を森林が占め、古くから「水源の郷」と呼ばれてきました。明治30年から横浜市に水を送り続け、そのつながりは100年以上になります。豊かな森林に育まれた水はとても質が良く、世界の船乗りたちに「赤道を超えても腐らない水」と賞賛されたそうです。
しかし近年、民間保有林の多くは人出不足や林業の衰退などによって、手入れがされず、荒れています。人が入らない森は陽が入らず、豊かな土壌が育たなくなり、水を保つことができなくなってしまいます。
湊さんはそんな現状を目の当たりにし、今でも道志村の森と横浜とをつなぐ活動を続けています。
横浜で道志村の食材を使ったランチを食べられる場所といったら……横浜ビールのレストラン「驛(うまや)の食卓」。太田久士社長は頻繁に道志村に足を運び、村の人たちとの交流を続けています。「目詰まりしたフィルターがろ過されるよう」と話すほど、土地やそこに暮らす人たちのとりこになっているそうです。食材の仕入れひとつでも、モノだけのやりとりにしないのが横浜ビール。心の通い合う関係を大切にし、横浜ビールのスタッフは定期的に村の畑を訪れ、農作業をおこなっています。そんな人と人とのつながりから、作物の作り手の思いとともに料理を提供するレストランが、驛の食卓です。
道志村の人たちと深い交流から、昨年秋には道志の湧き水仕込みのビールの製造、販売を始めています。湊さんとともに太田社長を訪ねてお箸づくりの企画を相談したところ、「ぜひやりましょう」と快諾していただきました。
「水のふるさとに思いをはせることで、自分たちの街を知ってほしい」と太田社長。ワークショップでは、湊さんから森づくりについて学びながら、道志村の木を使ったお箸をつくります。ランチは食でつながる横浜と道志村について太田社長のお話を聞き、驛の食卓による道志村特別ランチをいただきます。
暮らしの道具づくりを通じて、水、森、畑でつながる道志村について、感じてみませんか? お箸づくりで汗をかいた後は、道志村ビールで乾杯しましょう!
『マイ箸づくりワークショップ道志村編 まるごと道志村をいただきます!』
日時:2月25日(土)10:00-13:00
定員:12組
参加費:1組2,000円(お箸2膳、保険代含む。ランチ代別)
ランチ代:大人1,000円、子ども(小学生以下) 600円(デザート、お茶付き。ビール代は別途)
会場:驛の食卓
横浜市中区住吉町6-68-1横浜関内地所ビル
(JR、横浜市営地下鉄桜木町または関内駅から徒歩6,7分)
http://www.umaya.com/access.html
<申し込み方法>
(1)参加者全員の氏名(子どもは年齢も)(2)電話番号 (3)メールアドレス
を記入のうえ、event@morinooto.jpまでお申し込みください。
※申し込み締め切りは2月18日(土)です。
主催、お問い合わせ:NPO法人森ノオト
電話 045-532-6941
E-mail:event@morinooto.jp
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