寒い冬におすすめのおやつ ほっかほかの「むしごぱん」!?
北風がぴーぷー吹くような寒い日は、「おうちでおやつ作りの日」にしませんか。蒸し器を使ったおやつ作りは、ほんわりとした湯気に包まれて、心も体もしっかりと温まるような気がします。ごはんとパンの真ん中みたいなやさしいおやつ、「むしごぱん」を紹介します。

むしごぱんってなーんだ?

米粉の蒸しパンを作ろうと決め、レシピを考えるにあたって、こだわったことがあります。

  1. アレルギーのある子もない子も一緒に楽しめるもの
  2. 忙しくても簡単に作れるものであること
  3. 材料がシンプルであること

この三つです。

 

せっかく美味しそうなお菓子の写真や、絵本にでているお菓子を見ても、アレルギーがあるために、「○○ちゃんは食べられないね」というのはとっても残念なこと。今回はそんな思いをする子がいないようにと、考えました。

ああでもない、こうでもないと試行錯誤の結果、完成したレシピは、とってもシンプルになりました。素材は、米粉、水、甜菜糖、ベーキングパウダー、塩、菜種油のみです。

水分や砂糖はお好みで他のものに変えて作っても大丈夫です。

 

また、試作を続けていくうちに、米粉で作ったものは蒸しパンという名前より、他の名前の方がしっくりくるのでは? とも思うようになりました。米粉には米粉のよさがあり、もっちりとした食感はご飯も連想させます。これは「パン」というより、「ごぱん」…… そうそう、「むしごぱん」だ! というわけで今回のおやつの名前は「むしごぱん」となりました。

 

ばばばあちゃんとの出会い

レシピを考えながら、頭の片隅ではどうしても絵本や物語に結びつけたくなってしまう自分がいます。テーマにつながる本はないかと、試作の合間に図書館に出かけました。

そこで出会った本を紹介します。

 

ばばばあちゃんのなぞなぞりょうりえほん むしぱんのまき

(さとうわきこ/作 佐々木志乃/協力)かがくのとも傑作集 福音館

 

ばばばあちゃんと子どもたちはなぞなぞをしながらいろいろな種類の蒸しパンを作ります。甘納豆や、くるみ、チョコレートなどを入れてみたり、「まんなかにびっくりするものをいれて、みんなをおどろかせよう」なんてワクワクすることもしています。「へえ、こんなもの入れてもいいんだ〜!」と思わせる意外なものもありましたよ。さすが、ばばばあちゃんです。

そして、出来上がったほかほかのむしぱん。最後のページでは大きなこたつに入ってみんなで食べているのがほほえましい雰囲気です。

 

この記事を書くにあたり、初めのうちは、みかんを使った蒸しケーキを試作していました。でもこの本を読んでいたら、ばばばあちゃんに「みんなでいろいろな味を作った方が楽しいじゃないか」と言われたような気がしたのです。確かに子どもたちと一緒に好きなものを入れて作ったら、それはそれは盛り上がるだろうなあと思い、方針変更。ばばばあちゃん、アドバイスありがとう。

この本には基本の生地のレシピがのっています。アレンジもたくさん紹介してあるので、とっても参考になります。

 

むしパンと湯気の出てくる絵本

せっかくなので、もう少し絵本を紹介させてください。

むしパンをキーワードに探した本はこちらです。

 

ぐりとぐらとすみれちゃん』(中川季枝子/文 山脇百合子/絵 福音館書店)

 

すみれちゃんが持ってきてくれた大きなかぼちゃを使って、ぐりとぐら、動物たちがみんなでおやつを作ります。その中にはかぼちゃのむしパンもあるようですよ。どれがむしパンかなぁと探すのも楽しいですね。

いろいろなかぼちゃを使ったお菓子がのっていて、興味津々。どんな味かなと想像するだけでワクワクする

 

最後は湯気といえば、この本! 個人的に好きだった本です。

 

オバケちゃんとむわむわむう』(松谷みよ子/作 いとうひろし/絵 講談社)

 

むわむわむうとはお風呂の湯気のことですが、タイトルも可愛らしくて、子どもの頃から大好きでした。

「おばけよりも、もっとこわいのは、ゆざめだあ」という言葉を聞いて、オバケちゃんは「ゆざめ」ってどんなにこわいものなのかしら、あの「むあむあむう」(湯気のこと)に違いないと大慌てで家に帰ります。そして風邪をひいてしまったオバケちゃんは「むあむあむう」にやられたあと寝込んでしまうのです。子どもにとって(オバケちゃんにとっても)湯気や煙って不思議なもののようですね。

手前の小さいのがオバケちゃんで後ろの大きくて白いものがむあむあむう(オバケちゃんのイメージ)

 

さあ、作りましょう

では、レシピを紹介します。材料から察しがつくかもしれませんが、むしごぱんにはご飯のおかずがよく合います。胡麻、のり、青菜のおひたし、味噌、きんぴらごぼうなど、中に入れてもいいし、蒸し上がってから挟んで食べてもいいですね。

もちろんスウィーツとしても美味しいです。もっちりとした食感には、和菓子で使う材料なら何でも合いそうです。

ばばばあちゃんのように、いろいろなものを埋めて(かくして)蒸してください。飲み物もご一緒にどうぞ。ほうじ茶などが合うと思います。

 

【お楽しみむしごぱん】

<材料(アルミカップ6~7個分)>

アルミカップは底辺3センチ、高さ3センチのもの

生地

A米粉(製菓用)        100g

 甜菜糖            大さじ2杯

  ベーキングパウダー      小さじ1杯 

 (アルミニウムフリー)

 塩              ひとつまみ

B水              100g

 菜種油            大さじ2

 

好みの具

(例)レーズンと干し柿

   みそと青のり

   シュウマイ

   ゆずの皮のすりおろしと生姜汁

   水分→みかんジュースと果肉  

 

使う道具

ボウル2個、泡立て器、ゴムベラ、蒸し器、アルミカップ

 

材料:

<作り方>

蒸し器は水を入れて沸かしておく。蓋には水滴が落ちないように布巾をはさむ。

 

  1. ボウルにAを入れ泡立て器でよく混ぜ合わせる。
  2. 別のボウルにBを合わせておく。
  3. (1)に(2)を流し入れ、粉っぽさがなくなるまで混ぜる。アルミカップに生地を半分流し入れる。好みの具を入れて、残りの生地を流し、蒸し器で1012分蒸す。
  4.  

きな粉を混ぜたり、味噌を中心に入れたり

 

半分に割ってみるのも楽しい。味噌はおすすめ

 

さつまいもチップス、レーズン&干し柿とスウィーツ系も。オレンジ色は水分をみかんジュースにしたもの

Avatar photo
この記事を書いた人
山田麻子ライター
横浜市青葉区在住。中学生女子、小学生男子の母。料理の仕事歴25年以上。管理栄養士。森ノオトでの初めての取材をきっかけに、絵本、詩、素話に出会い、その世界の虜に。以来、絵本と飲み物やお菓子の相性を考えるのが楽しみに。図書ボランティア活動、おはなし会のお菓子作りなどに心ときめく。現在の夢は「語り手」になること。 ブログ:スマイル*ごはんを始めよう
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー
タグ

森ノオトのつくり方

森ノオトは寄付で運営する
メディアを目指しています。
発信を続けていくために、
応援よろしくお願いします。

もっと詳しく